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周達生著「中国民族誌 : 雲南からゴビへ」NHKブック(1980.6)にある当時の台湾記述


イメージ 1中国の少数民族に関しての本、本の厚さもあるので 少数民族のなかで主だった民族の歴史などが記述されているのだけれど 
自分が気になったのは「中国の少数民族政策に関する記述」著者がこの本を書かれる為中国入りしたのが文革後。
1976年四人組逮捕の直後ということもあるのだろう 少数民族政策にも大きなマイナスを与えたとの旨がいたるところで記述されている。
「階級闘争」「反動」「大漢族主義」「地方民族主義」という中国の使用する用語で中国の民族政策が解説されているのはよいとして ほぼ無批判でほぼ肯定し記述されている。
著者は日本の国立民族学博物館名誉教授の周達生、プロフィールは
周達生(しゅう たっせい・男性、1931年-2014年5月4日)は、中国の民族学者・文化人類学者。国立民族学博物館名誉教授。専攻は動物生態学・物質文化論。兵庫県神戸市出身だが本籍は福建省の在日中国人。

「大漢族主義や地方民族主義」とは偏狭な民族主義で 相互の尊重、学習、友愛、助け合いの「大中華民族主義」に反するということで 四人組を批判し 四人組後の中国の少数民族への政策を著者は正常に戻りつつあると支持している。

まあ民族が混雑している状況では一つの国家として「相互の尊重、学習、友愛、助け合い」という理想は語られてもよいのだろうけれど 中国の領土の50%以上は もともと漢族の住まない少数民族の居住区 元々混雑などしていない 侵略して混雑したから友愛の精神で行きましょうと侵略者の口から侵略者の都合で理想を掲げ 抵抗するものは 分裂主義者、偏狭な民族主義者とレッテルを貼り虐殺をして民族浄化 しばらくすると圧倒的多数派になり「民主主義ですから」というのが常道。
まあそんなことなど1980年代に気が付かずといったところだろうか

共産主義者の独善である「理想」を紹介する。
毛沢東同志が中国共産党中央のために起草した党内指示
 一部の地方では、民族関係がきわめて不正常である。このような状況は、共産党員にとって容認できないものである。わが党内の多くの党員と幹部のなかに存在する、ゆゆしい大漢民族主義の思想、すなわち、民族関係にあらわれている地士階級とブルジョア階級の反動思想、つまり国民党の思想を、深くほりさげて批判しなければならず、この面の誤りを改めることにすぐ取りかからなければならない。およそ少数民族のいる地方にはいずれも、民族政策がよくわかっていて、いまなお差別され苦しんでいる少数民族の同胞に心から同情をよせている同志に命じ、訪問団をひきいて訪問におもむかせるべきである。そのさい、馬に乗って花を見るような訪問ではなく、しんけんに調査研究をすすめ、地もとの党と政府をたすけて問題を見いだし、問題を解決するようにしなければならない。
 すくなからぬ資料からみて、少数民族のいるところにはほとんど未解決の問題があり、なかにはきわめて重大な問題もあると、中央は考える。表面は平穏で、何事もないようだが、実際には、問題はきわめて重大である。この二、三年、各地で見いだされた問題は、いずれも、大漢民族主義がほとんどいたるところに存在することを立証している。いまのうちに、はやく教育し、党内と人民のなかにある大漢民族主義をだんこ克服しないなら、きわめて危険である。民族関係の面で、多くの地方の党内と人民のなかにある問題は、大漢民族主義の残りかすなどという問題ではなく、ゆゆしい大漢民族主義の問題なのである。つまり、これらの同志と人民はブルジョア思想に支配されていて、まだマルクス主義の教育をうけておらず、まだ中央の民族政策をよく理解していない、という問題である。したがって、しんけんに教育して、この問題を逐次解決するようにしなければならない。なお、事実にもとづいて、新聞にできるだけ文章を書き、公然と批判し、党員と人民を教育すべきである。
読みかえれば「地球市民的態度」でご立派、理想というものを掲げるのは批判をさせない常套手段 「結局理想が人を殺す」というのがほぼ歴史上に現れてくるのがほぼ定理。理想を語って何が悪いというひとが多いが 現実の社会で理想を実行すれば死人がでるのである「平和」や「平等」というのも同じ。
発展段階とか大きなお世話なんだ。

この著書にも記述されているが 中国56民族の中にしっかり「高山族」(高砂族、台湾原住民)がカウントされている。
1979年の内閣に相当する国務院の国家民族事務委員会には高砂族1人
全国人民代表大会の常任委員会としての「民族委員会」にも1人
とあり
この当時全く交流がなかった台湾の高砂族をどこから調達してきたのかと言えば 恐らく国共内戦に投入された元日本軍高砂義勇兵の捕虜か 内戦終結後台湾に戻れなくなった高砂族なのだろう 台湾を併合するために用意周到なのには驚かされる。

著書のあとがきである「終わりに」という項目の最後の文章を紹介
もう一つ最後にいいたいのは、「四人組」によって後退させられた民族政策、その再教育が強調されてはいるが、「四人組」による後遺症は、まだ払拭されていない面があるので、早く完全に正常化してほしいということ。もし、民族政策がうまくいかないと、平和的方式で台湾を解放し、解放後自治を認めるといっても、台湾の反動的でない人々でも安心できないであろう。早期に「台湾解放」が実現し、「統一的多民族国家」が完成することを願ってやまない。
中国のシルクロードを描きたい巨匠だった画家もそうだったが 中国関係の学問・芸術で身を立て 世の中の評価を得ている人は 本人は「友好」「平和」の為に 日中関係に尽力したご立派な人だ ただ中国を深く知る人から 中国を批判するひとを見たことがない ご立派なスルーなことだ。

日本の税金で成り立つ国立民族学博物館名誉教授が NHKからの出版物でなんの疑問もなく 良かれと思い書かれた文章である。1980年というのはまだそんな台湾認識が普通だった。周達生氏が亡くなられたのは2014年 最後までそうお考えだったのだろうか?

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