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朝日・毎日が反対、読売・産経は法整備を急げと
安保法制改定の閣議決定と安倍首相の説明スピーチから一夜空けた今朝の各紙は社説でどう取り上げているか、4紙を比較検証してみた。 結論は言うまでも無く、朝日・毎日が反対、読売・産経が賛成である。 朝日新聞などは「この一線を越えさせな」「その通りに成就させるわけにはいかない」と悲壮な決意を吐露して滑稽でもある。 そこには、軍拡を進める中国の脅威、暴発しかねない北朝鮮などへの言及は一切無い。 憲法9条死守という頑なな宗教を信仰する狂信者といってもよい。 最後は・・・ 「政権ではなく国民の声を聞くことを。すべての国民の代表にふさわしい判断を下すことを」 と結んでいるが、国民が今の政権を選んだのである。 選ぶにあたっては、自民党の安全保障の政策も十分検討したはずである。 「すべての国民の代表にふさわしい判断」を要求しているがナンセンスである。 全国民の意見が一致するはずが無い。 多数決という民主主義の基本を朝日論説委員は小学生時代に学ばなかったとみえる。 ⇒朝日新聞(2015/5/15) 安保法制、国会へ―この一線を越えさせるな 安倍内閣は新たな安全保障政策の関連法案を閣議決定した。きょう国会に提出する。 安倍首相は先月の米議会での演説で、この安全保障法制について「戦後初めての大改革だ。この夏までに成就させる」と約束した。 だが、その通りに成就させるわけにはいかない。 ■合意なき歴史的転換 集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の閣議決定は、憲法改正手続きを素通りした実質的な9条改正である。 法案の成立は行政府の恣意(しい)的な解釈改憲を立法府が正当化し、集団的自衛権の実際の行使へと道を開くことになる。 そうなれば、もう簡単には後戻りできない。この一線を越えてはならない。 一連の法整備を前提とした「日米防衛協力のための指針」の改定を、ケリー米国務長官は「歴史的転換」と評価した。 思い起こしてみよう。首相は昨年5月の記者会見で、母子が描かれたパネルを見せながら邦人輸送中の米艦船を自衛隊が守ることの必要性を訴えた。 ところが、新たな指針はそんな事例をはるかに飛び越え、自衛隊が米軍の活動を世界規模で補完する可能性を示している。自らの軍事負担を軽くしたい米国が歓迎するのは当然だ。 この歴史に残る大転換の是非を、日本の国会も国民もまだ問われてはいない。 法案の内容は多岐にわたるが、その起点となったのは9条の政府解釈を変更した昨年7月の閣議決定だ。 それまで政府は9条のもとでは集団的自衛権の行使は認められず、認めるには憲法改正が必要だとしてきた。 自衛隊が合憲とされてきたのは、「自衛のための必要最小限度の実力」であると解釈されてきたからだ。だが、限定的であろうと集団的自衛権で他国を防衛できるとなれば、必要最小限度の範囲を逸脱してしまう。 集団的自衛権の容認は、米軍からの様々な要請を断ってきた憲法上の根拠を自ら捨て去ることにもなる。 ■平和国家の変質 米軍などに弾薬を提供し、航空機に給油する。「後方支援」とはいっても、実態は軍需補給の「兵站(へいたん)」だ。米軍などと戦う相手から見れば、自衛隊は攻撃すべき対象となる。 自衛隊が、世界中で米軍の活動に組み込まれる。そして、米国と一緒になって戦う国と見なされる――。これは、様々な曲折をへながらも築いてきた憲法9条に基づく平和国家としてのありようの根本的な変質だ。幅広い議論と国民合意がなければ、なしえないものである。 周辺の安全保障環境が厳しくなるなかで、本当に日本の平和と国民の安全に必要だというのなら、安倍首相はそのための憲法改正を国会に働きかけ、国民投票で是非を問わねばならなかったはずだ。 安保政策の急転換は、集団的自衛権だけではない。 これまで自衛隊が他国軍の後方支援をする場所は、「非戦闘地域」に限られていた。新たな法案ではその概念はなくなり、自衛隊が活動できる場所は他国軍の戦闘現場にぐっと近づくことになる。しかも、その場所は日本周辺に限らず地球規模で想定されている。危険を背負うのは現場の自衛隊員である。 ■国会がなすべき仕事 新たな法制は、集団的自衛権の行使を認める武力攻撃事態法など10の法律の一括改正案と、海外で他国軍を後方支援する国際平和支援法案からなる。 このなかには、米軍の世界戦略とは関係なく、日本の国際貢献という面から審議しなければならないテーマも含まれる。 国連平和維持活動(PKO)や人道支援などでの日本の活動のあり方は積極的に議論されてしかるべきだ。政府案に丸ごと賛成というわけではないが、自衛隊が実績を重ねてきたなかで見直すべき点があるのなら修正し、さらなる貢献につなげればいい。 このほか、警察や海上保安庁では手に負えない武力攻撃一歩手前の「グレーゾーン事態」への対処も、もっと議論が必要だろう。 11法案の一本一本が十分な時間をかけて審議されるべき重い内容を持つ。いっしょくたに審議していまの国会でまとめて成立させようという政府・与党の方針は乱暴すぎる。 安倍政権は一連の法案を成立させてしまえば、民主主義国として正しい手続きを踏んだというだろう。内閣が政策実現のため憲法を実質的に改めてしまう立憲主義の逆立ちに、国会がお墨付きを与えることになる。それは立法府の自殺行為だ。 極めて重要な国会論戦になる。採決に向けてただ時間を費やすだけの審議は許されない。 与野党の議員に求めたい。 政権ではなく国民の声を聞くことを。すべての国民の代表にふさわしい判断を下すことを。 (引用終わり) 毎日は安全保障環境の変化(中国の海洋覇権主義、北朝鮮の暴発の可能性)をいちおう認めてはいる。 しかし「専守防衛」などとこの核ミサイル時代に寝ぼけたことを言っている。 新法案は自衛隊員の命を危うくすると批判しているが、専守防衛こそ自衛隊員の命を危うくするものである。 「日本は何をし、どんな国を目指そうとしているのかが、見えてこない」 などと相変わらず寝惚けたことを言っている。 いや、惚けているとしか見えない。 毎日新聞と違う国を目指しているのが気に食わないと言っているようなものである。 毎日新聞(同上) 安保法案 国会提出へ 大転換問う徹底議論を 安倍政権は、集団的自衛権の行使容認など、自衛隊の海外での活動を飛躍的に拡大する安全保障法制の関連法案を閣議決定した。日米安保条約の改定に匹敵し、専守防衛の本質を変え、本来なら憲法9条の改正手続きを踏まなければならないほどの戦後の安全保障政策の大転換だ。 私たちは、安全保障環境の変化に応じ、必要な法整備を検討すること自体は理解する。だが、今回の安全保障法制は内容も進め方も問題が多すぎ、とても同意できない。 ◇「専守防衛」に反する 関連法案は、武力を行使する他国軍に対し自衛隊が補給や輸送などの後方支援をできるようにする新法「国際平和支援法案」と、武力攻撃事態法改正案など既存10法の改正案をひとまとめにした「平和安全法制整備法案」の2本立てだ。 分野別にみると、集団的自衛権の行使容認、後方支援の拡大、国連平和維持活動(PKO)の武器使用権限・任務拡大の三つに分けられる。 集団的自衛権の行使容認は政府による解釈改憲であり、立憲主義に反する。憲法のもと、日本がとってきた専守防衛にも反する。 日本の存立が脅かされ国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」など、行使の要件はあいまいで拡大解釈が可能だ。 そもそも何のために行使する必要があるのかが明確でない。集団的自衛権や後方支援の法制で日本は何をし、どんな国を目指そうとしているのかが、見えてこない。 安倍晋三首相は、閣議決定を受けた記者会見で、法整備の理由について、安全保障環境は厳しさを増しており、国民の命と暮らしを守るため「あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う」と説明した。 日本が武力を行使するのは国民を守るためで「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にあり得ない」「日米同盟の抑止力は高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく。『戦争法案』といった無責任なレッテルは誤りだ」と語った。 日本を取りまく安全保障環境の厳しさとは、突き詰めれば中国の軍備拡張と海洋進出、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の進展だろう。 だが、安全保障認識とそれに対応する政策をつなぐ論理的な説明は聞かれなかった。首相が説明すべきは、万全の備えを強調して「戦争法案」という批判に反論することではないはずだ。具体的にどういう安全保障上のリスクに対して、どの法案を使って対応するかが問題なのに、それを語らず、安心してくれと言われても、国民は納得できないだろう。 安倍政権が集団的自衛権の行使を目指す理由は、精緻な安全保障政策とは、違ったところにあると言わざるを得ない。 (引用終わり) 朝日・毎日が反対を表明するのに対し、読売新聞は「日本と世界の平和を確保するうえで、重要な前進」と高く評価し、「早期成立を図れ」と政府に発破を掛けている。 読売新聞(同上) 安保2法案決定 的確で迅速な危機対処が肝要 ◆日米同盟強化へ早期成立を図れ◆ 東西冷戦の終焉しゅうえん後、我が国は、様々な安全保障上の矛盾や課題に直面してきた。それらを克服し、日本と世界の平和を確保するうえで、重要な前進だと評価できよう。 政府が、新たな安全保障関連2法案を閣議決定した。集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の国際的な役割を拡大するものだ。 安倍首相は記者会見し、「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない。日米同盟は機能すると発信することで、攻撃を受ける可能性は一層なくなる」と語った。 ◆軍事環境悪化の直視を◆ 中国は、軍備増強・近代化を背景に東・南シナ海で一方的な海洋進出を図っている。国防費は毎年、10%超も伸び、10年後には日本の7倍近くになる恐れがある。 北朝鮮は、核兵器とミサイルの高性能化を進め、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の成功も公表した。大量破壊兵器の拡散や過激派組織のテロ、サイバー攻撃の脅威も増している。 こうした安全保障環境の悪化によって、日本単独で自国の安全を確保するのがもはや困難な現状を直視せねばならない。 日米同盟と国際連携を強化するとともに、切れ目のない事態対処が可能な体制を構築し、抑止力を高めることが急務である。 政府・与党は、法案の今国会中の成立に全力を挙げるべきだ。 法案は、日本有事や周辺有事への対応から国際協力まで、安保政策の課題を総点検し、多様な危機に迅速かつ的確に対応できるようにする包括的な内容である。 集団的自衛権の議論は8年前の第1次安倍内閣で本格化した。昨年5月の有識者懇談会報告を踏まえ、政府・与党は、自衛隊の国際任務の拡大を含め、1年がかりで透明性の高い論議を続けてきた。その集大成が今回の2法案だ。 議論が拙速であるかのような一部の主張は的外れである。 2法案は、他国軍への後方支援を可能にする新法「国際平和支援法案」と、自衛隊法など現行法10本を一括改正する「平和安全法制整備法案」で構成される。 一括改正は、それぞれの法律の相互連関性を踏まえ、切れ目のない事態対処を可能にするためだ。法案内容は目的によって、日本の平和に関するものと、世界の平和に関するものに分けられる。 ◆専守防衛は維持される◆ 日本の平和に関して、長年の課題である集団的自衛権の行使を容認した意義は大きい。 民主党などは「専守防衛を意図的に変質させている」と批判する。だが、武力行使が認められるのは、あくまで日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に厳しく限定されている。 憲法解釈の変更は、紛争の未然防止にこそ力点がある。憲法の平和主義や専守防衛の原則は維持されるうえ、従来の憲法解釈の法理とも整合性が取れている。 先の大戦への反省や、安保問題での思考停止などから、むしろ従来の解釈が抑制的すぎた面が否めない。今回の見直しの結果、より適正な解釈になるとも言える。 周辺事態を「重要影響事態」に改め、自衛隊の活動の地理的制約を外すのも同様だ。本来、日本の安全に重大な影響を与える危機か否かを判断基準とすべきで、危機が周辺かどうかを絶対的要件にすべきではなかった。 ◆ガイドラインと一体で◆ 平時でも有事でもない「グレーゾーン事態」で、自衛隊法95条の「武器等防護」の対象に米軍艦船などを含めることは、自衛隊と米軍の連携を大幅に強化する。豪州軍などの防護も可能になる。 新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づき、多角的で重層的な協力を追求すべきだ。 世界の平和に関しては、国際平和支援法案に基づく他国軍への後方支援活動と、国連平和維持活動(PKO)協力法改正案による人道復興支援活動が2本柱だ。 湾岸戦争や米同時テロのような事態が起きた際、いちいち特別措置法を制定せずに、自衛隊を機動的に派遣できる意味は大きい。 人道復興支援活動では、国連決議がない場合でも、欧州連合(EU)などの要請で派遣を可能にしたことは適切である。 他国軍に対する「駆けつけ警護」や、任務遂行目的の武器使用を可能にしたことも、自衛隊の効果的な活動に役立とう。 「積極的平和主義」に基づき、日本が応分の役割を果たせるよう、平時から必要な装備調達や部隊編成を行い、他国軍との共同訓練を重ねておくことが大切だ。 (引用終わり) 産経新聞はさらに、民主党が「『政府は国民の意見を聞かず勝手にやっている』と批判するのは、反対のための反対だと切って捨てた。 「(安保法制案は)国民を守るための行使であり、それを民主的に選ばれた政府が判断し、国会承認も必要とする。戦争に巻き込まれるといった議論は的はずれだ」 と明快である。 産経新聞(同上) 安全保障法制 国守れぬ欠陥正すときだ 日米同盟の抑止力強化を急げ 安全保障関連法案の閣議決定後の会見で、安倍晋三首相は「時代の変化から目を背け、立ち止まるのはもうやめよう」と語った。 日本は国民の命と平和な暮らしを守りきれるかどうかの岐路に立っている。現状では日本国民を救う活動を行う米軍が攻撃を受けても、助けることができない。 法制上の欠陥を、これ以上放置しておくことはできないという首相の認識は極めて妥当である。 日本を取り巻く安全保障環境は著しく悪化している。首相は北朝鮮の弾道ミサイルや核兵器の搭載への懸念をはじめ、多数の国籍不明機の接近も率直に指摘した。 ≪時代の変化に向き合え≫ 抑止力を高めるため、集団的自衛権の限定行使容認をはじめ、自衛隊の役割を拡大する根拠となる法制の整備が不可欠である。 政府与党は国会審議を通じてその必要性を丁寧に説明し、国民の理解を深めながら、関連法案の成立を図ってもらいたい。 首相は会見で、平和のための外交努力を続ける一方で、「万が一への備え」の必要性を訴えた。 日本周辺での警戒すべき動きに加え、国際社会で日本人が相次いでテロの犠牲となってきた「厳しい現実」への対応を国家としてとらなければならないという判断からだろう。 とくに抑止力強化に欠かせないのは、同盟国である米国などとの協力強化であり、集団的自衛権の行使容認の主眼もそこにある。 すでに日米合意した新しい「防衛協力の指針」(ガイドライン)が高い機能を発揮するよう、法整備を急ぐ必要がある。 首相は日本近海で米軍が攻撃を受ける状況について「人ごとではなく、私たち自身の危機だ」と位置付けた。 この状況は、他に適当な手段がなく、必要最小限度にとどめることと併せ、武力行使の3要件と位置付けられている。国は国民の生命を守る責務を果たさなければならない。危機への対処をためらうことは許されない。 首相が強調したのは、反対勢力が安保法制に「戦争法案」などとレッテルを貼り、戦争に巻き込まれるという主張の誤りだ。集団的自衛権の行使容認による同盟の強化は、近隣諸国の挑発的行動にすきを与えないことにつながり、紛争を予防する効果を生む。 関連法案も、集団的自衛権の行使容認について、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生した場合で、「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」だけに限っている。 国民を守るための行使であり、それを民主的に選ばれた政府が判断し、国会承認も必要とする。戦争に巻き込まれるといった議論は的はずれだ。 ≪制約より活用の議論を≫ 国会審議で野党側に注文したいのは、安保法制への政府の取り組みそのものを否定し、放置された問題点がないというような反対論に終始するのはやめてもらいたいということだ。 歯止めをかけることが自己目的化するような議論も避けたい。そのために、自衛隊の行動が妨げられるのは本末転倒である。世界の情勢を論じ、自衛隊をどう活用すれば日本と世界の安全が高まるかを話し合うという視点こそ、求められていよう。 民主党が「安倍政権が進める集団的自衛権の行使」との限定をつけて容認しないというのは理解に苦しむ。将来的な容認の余地を残しているつもりであれば、どのような条件なら行使が可能となるのか、代案を示しながら議論に臨むべきだ。 有事に至る前のグレーゾーン事態をめぐり、領域警備法の制定を唱えているのは一部評価できる。さらに視野を広げ、集団的自衛権を含め日米の絆を強めることが、同盟の抑止力をいかに高めるかを論じあってほしい。 民主党などが「政府は国民の意見を聞かず勝手にやっている」と批判するのは、反対のための反対としか言えない。 昨年7月の閣議決定から同年12月の衆院選の論戦を経て、法案づくりの与党協議は正式なものだけで25回を数えた。国会での質疑も事実上、行われた。 手続きの瑕疵(かし)ばかり言うのは、時代の変化に目を背けることにほかならない。 (引用終わり) 朝日新聞の主張の逆を行けば間違いないという経験則から言えば、安保法制の整備は焦眉の的と言えよう。 ************************************
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2015年05月15日
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