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三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」 第三回 財政支出拡大を評価する(1/3)
2009/06/09 (火) 13:00 2009年4月に日本政府が総事業規模56.8兆円、 財政支出の真水15.4兆円という、 史上最大の景気対策をまとめた。 その後、4月の構想に基づく09年度補正予算が、 5月29日に成立したわけである。 関連法案については審議中ものが少なくなく、 予算の施行こそまだではあるものの、 とにもかくにも日本はこれまでの「緊縮財政」路線から、 政府支出拡大による経済成長を目指す戦略へと、大きく転換したことになる。 この過去最大の景気対策が発表された直後、 一部の大手新聞の論調が、 いきなりそれまでの「財政破綻」路線を修正したので、 筆者としては大変面白く読ませてもらった。 例えば、政府の対策発表翌日の読売新聞は、以下の通り記事を書いている。 『緊急経済対策 「真水15兆円」を賢く使え(2009年4月9日 読売新聞 朝刊) 事業費56・8兆円、 財政出動の真水で15・4兆円という史上最大の景気対策を、 政府・与党がまとめた。 約10年前の金融不況時に小渕内閣が出した対策の2倍の規模で、 戦後最悪の不況を食い止めるための大胆な財政出動だ。 巨額の財政赤字というツケを残す「もろ刃の剣」でもある。 景気浮揚と成長力強化の効果に優れた「賢い支出」にすべきだ。 補正予算の編成・成立を急ぐとともにアイデアをぶつけ合い、 内容に磨きをかけてもらいたい。 15兆円の財政出動で約20兆円の需要が生まれるとの試算がある。 日本経済の需要不足を穴埋めできる数字だ。 内閣府は、 7%台に上昇しそうな失業率が5・5%程度におさまると見込む。 経済情勢からみて規模は妥当と言えよう。(中略) 対策に伴う国債発行は10兆円を超え、 今年度全体では40兆円を上回る見込みだ。 国債増発で長期金利が上がれば、民間投資の減少や円高などの副作用を招く。 日銀による国債の買い入れ増額など、政府・日銀の連携が重要だ。』 この読売新聞の記事を評価すべきポイントは、主に三つある。 一つ目は、日本経済の問題(需要不足や失業率上昇)に対し、 財政出動による需要創出が有効であると素直に評価している点だ。 世界的な需要縮小と雇用不安に対処するためには、 金融政策だけでは無理である。財政支出の拡大は必須なのだ。 何しろ、政策金利を「ゼロ」に引き下げたとしても、企業は負債増やさず、 投資も拡大しないのである。 こうなると、財政支出の拡大により国民所得や雇用を下支えする以外に、 現在の資本主義の仕組みでは対応することができない。 二つ目は、「日本政府の国債増発=財政破綻」という、 これまで流行していたレベルの低い単純論から一線を画している点である。 別に、筆者は日本政府が無制限に国債を発行できるなどと、 暴論を吐く気は全くない。 しかし、日本政府が「自国通貨建ての国債」の 債務不履行(デフォルト)になるなどと、 論理的に成り立たない妄想を信じ込むほど、愚かなわけでもない。 そもそも、第一回の【図1-2 G7各国の政府の借金】http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/06/09/005693.php (2/3に続く) http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/06/10/005719.php |

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