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第一回 日本の財政問題に関するマスメディアのミスリード(1/3)
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/18723021.html

第二回 国家の負債を整理する(1/3)
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/18917330.html

第三回 財政支出拡大を評価する(1/3)
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/19059102.html

第四回 大転換 前編(1/3)
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/19258443.html

三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」

第五回 大転換 後編(1/3)
2009/06/23 (火) 15:30
 先週取り上げた「骨太09」素案の話を続けるが、
同素案の骨子は以下の通りとなっている。

骨太方針2009の素案骨子
(日本経済新聞 2009年6月9日 朝刊一面)

■危機克服の道筋
 -社会保障の機能強化とその安定財源確保を
  着実に具体化

■成長力の強化
 -太陽光発電などを推進
 -介護雇用を3年で30万人創出

■安心社会の実現
 -幼児教育・保育の総合化を推進

■今後の財政運営のあり方
 -債務残高の対GDP比を20年代初めには安定的に引き下げ
 -今後10年以内に基礎的財政収支の黒字化達成

 問題にしたいのは最後の「■今後の財政運営のあり方」の部分であるが、
「債務残高の対GDP比を20年代初めには安定的に引き下げ」については、
特に文句のつけようがない。

 前回も解説した通り、日本の問題は「公的債務の増加」
それ自体ではないのだ。
公的債務の増加というのであれば、
他のG7諸国にしてもどっこいどっこいなのである。

 日本の「真の問題」は、公的債務の増加そのものではなく
「公的債務対GDP比率」の悪化である。
家計が世界最大の現預金を持ち、
国家としての純資産が世界最大でありながら、
名目GDPが低成長に甘んじていた、その効率の悪さこそが問題なのである。

 「債務残高の対GDP比を引き下げる」という目標は、
別の言い方をすれば「公的債務対GDP比率の改善」となる。
公的債務対GDP比率を改善するには、
特に「基礎的財政収支の黒字化」は不要だ。
継続的に国債残高が増加したとしても、
それ以上に名目GDPが成長すれば良いわけだ。
「国民の福祉向上」という点で見ても、
圧倒的に優れた目標であると断言できる。

 また、日本の名目GDPが低成長を続けているのは、
そもそも長年デフレーションが続いているからなのだ。
デフレ脱却を果たし、
経済成長路線に復帰できれば、名目GDPも拡大していくことになるので、
公的債務対GDP比率は勝手に下がっていく。

 そういう意味で、
公的債務対GDP比率の改善を新たな目標に設定するという点については、
文句の言いようがないわけだ。

 もう一つ、「今後10年以内に基礎的財政収支の黒字化達成」
すなわちプライマリーバランスの黒字化という目標が残ったのは、
個人的には少々不満ではある。
とは言え、先週も書いたように、日本国内に大勢の
「プライマリーバランス信者」が生息している状況で、
一気に目標から削除してしまうと、
政治的反発が相当の規模に達するであろう。

 骨太2009素案をよく読むと、基礎的財政収支の黒字化に関連し、
「まずは、景気の回復を」
「時宜に応じた検証を」
 など、様々な条件が散りばめられている。
要は、基礎的財政収支の黒字化など不可能であると、
行間に書いてあるようなものなのだ。
筆者としては、
そもそも基礎的財政収支の黒字化など不要であると言いたいところだが、
「近い将来可能ですか?」
 と聞かれれば、筆者は「継続的には不可能」とのみ答えるだろう。

 いずれにしても、名目GDPが成長軌道に乗り、
公的債務対GDP比率が継続的に改善していくようになれば、
誰も基礎的財政収支など気にしなくなる。
成長していく経済で国債発行残高が増え続けることは、ごく当たり前の現象だ。

 加えて言うと、本来、基礎的財政収支の黒字化とは、
よほどの好景気でなければ達成されないものなのだ。

【図5-1 米英加三カ国の公的債務残高推移】 1996年-2001年(1996年=100)
イメージ 1 
出典:IMFのデータから筆者作成

 例えば、アメリカはクリントン政権末期の2000年に、
基礎的財政収支を黒字化させた。
この年、アメリカ政府の負債は、一年間で総額が4%減ったのである。

 しかし、クリントン政権末期の2000年と言えば、
まさにITバブルが弾ける直前の好況の絶頂期である。
アメリカが、
かつてないレベルの好景気に沸いていた時期であると言い換えてもいい。

 日本のバブルに匹敵するほどの、
凄まじい好況に酔いしれた時期であっても、
アメリカの負債は4%しか減らなかったわけだ。

 ご存知の通り、翌2001年にはセプテンバー・イレブン(911)が発生し、
アメリカは対テロ戦争に乗り出した。
当然、アメリカ政府の負債は、再び拡大路線に舞い戻ってしまったのである。

 今にして思えば、2000年のアメリカの基礎的財政収支黒字化に、
「思い出」以外に何か意味があったのか、筆者にはさっぱり分からない。

 アメリカの基礎的財政収支が黒字化したのと前後し、
やはり好況下にあったイギリスとカナダの政府の負債も減少した。
とは言え、第一回の図1-2で見たとおり、
長期的にみれば英加両国の政府の負債は全く減っていない。
むしろここ数年間は、
英国政府は日本をさえ上回るペースで負債を増やし続けているので、
アメリカ同様2000年前後の基礎的財政収支黒字化に、
何か意味があったとも思えない。

【図1-2 G7各国の政府の借金 1980年=100】
イメージ 2 
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/05/28/005556.php
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/06/23/005860.php

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旧日本軍が中国や朝鮮におこなった仕打ちを考えれば、日本人は何も言えないような気がする。

2009/7/10(金) 午前 8:14 [ nanking_atrocities ]

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nanking_atrocitiesさん、ご訪問・コメント
有難うございます。
何故、ここにそんなコメントを?
つまり、中国・朝鮮が日本国が正しい経済対策を
取る事を望まないという事ですか。

2009/7/10(金) 午前 10:01 [ マッドサイエンティスト ]


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