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実は深刻中国経済

三橋貴明

第3回 中国共産党政府の誤算

実は深刻中国経済 第3回 中国共産党政府の誤算 1
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/19950609.html

実は深刻中国経済 第3回 中国共産党政府の誤算 2の続き
http://blogs.yahoo.co.jp/nisekoannnuburi/19979147.html

バブルは進む

 さて、中国の中小企業が相変わらずの苦境から抜けられないなか、
不動産と株式のバブルのほうは、予想通り順調に拡大を続けている。

 まずは不動産であるが、
中国国家発展改革委員会が発表した5月の主要70都市における不動産販売価格は、
前月比で0.6%上昇し、3ヵ月連続のプラスになった。
前年同月比で見た数値は、いまだに0.6%の下落であるが、
マイナス幅は4月の1.1%よりも縮小した。

 指標を見るかぎり、
中国の不動産価格はすでに底入れをした可能性があるわけだ。
というよりも、この世界的な不動産バブル崩壊局面において、
不動産価格が「下落しない」というだけでも凄い話だ。
相当な額の資金が、不動産市況につぎ込まれている証である。

 面白いと思うのは、最近はわが国のマスメディアまでもが、
中国経済の記事を書く際に、
「中国人民銀行が、景気刺激策の一環として銀行に融資増大を指導した結果」
 などの枕詞をつけ加え、銀行の融資増大をきっかけに
株式や不動産バブルが再燃したと、きちんと説明しているのである。
それほどまでに、今回の中国のバブルは
「中国人民銀行主導」の色が濃いのであろう。

 以前ならば、国内大手紙は、
「中国経済絶好調! 不動産価格も鰻上りに!」
 などの、いい加減な見出しで、日本人の中国投資を煽ったところである。
今回のバブル局面において、
日本の大手紙が比較的冷静な論調を保っているのは、
大変好ましいことだと思う
(しかし、前回も書いたように、テレビのほうは相変わらず大変無責任な論調で、
日本の中国投資熱を高めようとしている)。

 中国人民銀行の「指導」を受け、
融資拡大を再開した中国の銀行は、2009年の最初の四半期だけで、
年間融資目標金額の九割を達成してしまった。

 その後も、同国の銀行の「融資熱」はまったく衰えを見せていない。
09年5月の銀行融資増加額は、対前年同月比で108.6%もの増加になった。
一年前の同じ月と比べ、二倍以上もの金額を融資したということになる。

 一年前の二倍ものお金が銀行から流れ出ている以上
、不動産価格が底入れし、株価が上昇していっても当然だ。
ロックアップ期間の終了を迎え、
中国株売却の機会をうかがっている外資系金融機関も、
さぞや安堵の息をついたことだろう。

 六月後半以降、中国の株式バブルは再びアクセルを踏み込んだ様子である。
七月に入るや否や、上海総合株価指数が、
およそ13ヵ月ぶりに3000ポイントの大台を回復した。
特に、不動産株などの高騰が目立っているため、「いかにも」という感じである。

 2009年1月から5月までの融資増加額は、累計で5兆8000億元に達し、
前年(08年)の年間実績4兆9100億元を軽々と上回っている。
09年6月の融資増加額は1兆2000億元程度になった模様で、
09年通年では10兆元(およそ135兆円)を突破する可能性が濃厚になってきた。

 中国の国務院発展研究センターの魏加寧マクロ経済研究部副部長は、
「銀行融資の半分は株式市場などに流れ込んでおり、実体経済に入っていない」
 と、指摘している。

 中国の国内株式市場は、上海と深センの二大市場を合わせても、
時価総額が20兆元(約270兆円)規模である(09年6月30日時点)。
そこに、6月までに3.5兆元〔(5兆8000億元+1兆2000億元)÷2〕
すなわち約47兆円もの資金が流れ込んだのだ。
この状況で、株価が高騰していかなければ、かえって異様というものだろう。

 もちろん、不動産市場にも相当額の資金が流れ込んでおり、
6月末の北京中心部における公開入札で、
1平方メートル当たりの落札価格が史上最高値を更新した。

 すでに中国政府は6月の時点から、【銀行】⇒【大企業】⇒【株式市場】への
資金の流れについて危惧を表明している。

 6月25日には、中国の銀行業監督管理委員会が国内の銀行に対し、
企業などへの融資審査を厳格化するよう指示する「緊急通知」を出した。
半年前には、銀行に融資拡大を促す行政指導を行なったにも関わらず、
今度は一転、引き締めの通知を出したわけだ。

 観測筋の一部には、今度は中国人民銀行が、
融資抑制の行政指導を開始するのではないかという憶測までもが流れている。

 金融緩和にせよ、金融抑制にせよ、
とにかく「共産独裁国」である中国当局の政策は、
ドラスティックである。
別の言い方をすると「行き当たりばったり」になるわけだが、
政府が民間企業に「指示命令」が可能な分、
中国当局には長期的な視点が欠如しているように思えてならない。

 日米などの資本主義国では、政府が民間企業に、
「企業融資を、いくらいくら増やせ」
 などと「命令」することはできない。
資本主義国の政府は、せいぜい政策金利の引き下げや量的緩和により、
銀行に融資拡大を「促す」ことができるだけである。
とはいえ、銀行は直接的には政府に説明責任を負っているわけではない
(少なくとも「護送船団方式」が終焉を迎えた以降の日本では)。
銀行が政府の指示に従い、融資を拡大した結果、
不良債権を増やしてしまった場合、
経営者が株主から経営責任を追及される羽目になる。

 もちろん国家経済全体を思えば、
各銀行の経営陣が自行の先行きなど気にせず、
企業融資を拡大したほうが、フロー(GDP)は成長するわけだ。
逆に、各銀行が自分たちの経営のことだけを考え、
企業融資を絞り込んでしまうと、貸し剥しや貸し渋りにより、
企業倒産が増加する可能性が生じる。

 ミクロ(各銀行)の視点で正しい行動が選択されても、
それが合成されたマクロ(国家経済)の世界では、
意図しない結果が生じてしまう。まさに、合成の誤謬である。

 中国の場合は各銀行が不良債権増加を恐れ、中小企業への融資を絞り込み、
大企業や不動産業への融資を拡大している。
それ自体は、各銀行にとっては正しい選択なのかもしれない。
だが、各銀行の行動が合成された国家経済の視点で見ると、
中小企業の危機拡大や株式・不動産のバブル化を引き起こしてしまっているわけだ。

 政府が企業に命令することが可能な中国においてさえ、
合成の誤謬からは自由にならないわけである。
そう考えると、なかなかに興味深い事例に思える。

 この「中国式合成の誤謬」は、中国共産党政府にとっては、
間違いなく誤算の一つである。
そしてもちろん、中国共産党の誤算は本件だけに限らない。

 6月末の銀行業監督管理委員会による緊急通達以降も、
中国の株価上昇ペースは、特に緩んではいない。
上海総合指数は7月6日に3124ポイントに達し、1年1ヵ月ぶりの高値を更新した。

 07年後半以降のバブル崩壊で痛い目を見た中国政府にとって、
株式バブルの再来は避けたいところだろう。
先にも書いたように、
中国人民銀行が融資抑制の指導を始める可能性も否定できない。

 中国当局が金融引き締めに走れば、
前回同様に同国の株式や不動産のバブル膨張は回避できるだろう。
上海総合株価指数が3000ポイント前半の水準であれば、
金融引き締め後の株価下落も、それほど大規模にはならない可能性が高い
(07年10月の引き締め時の上海総合株価指数は、6000ポイントを超えていた)。

 とはいえ、中国当局は証券市場や不動産市場のバブル化に加え、
実体経済面の悪化という問題も抱えてしまっている。
現在の公共投資頼みの景気回復をいつまで続けられるかについては、
さすがの中国共産党にも予想をつけられない。

 万が一、金融引締めによるバブル崩壊に、公共支出拡大の息切れが重なると、
07年を上回るハードランディングが避けられなくなる。
国内の暴動や異民族との衝突という問題を抱える中国当局は、
この状況で経済の急速な悪化は、絶対に回避しなければならないわけだ。
http://voiceplus-php.jp/web_serialization/china_economy/003/index03.html

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旧日本軍が中国や朝鮮におこなった仕打ちを考えれば、日本人は何も言えないような気がする。

2009/7/29(水) 午前 7:29 [ nanking_atrocities ]

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