生物学・医学

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2009年5月15日

いつの日か、人間の脳を光で制御できるようになるかもしれない。
そして、その日はかなり近づいたようだ。

MITメディア・ラボの研究者たちが、サルの脳にある特定のニューロン
(神経単位)をレーザーを使って活性化することに成功した。
この技術は、魚、ハエ、ネズミの神経回路の制御と研究に用いられ
大いに喧伝されてきたが、霊長類に使用されたのは初めてだ。

この研究の中心になっているのは、MITで神経科学を研究するEd Boyden教授と、
研究員のXue Han氏だ。
「この技術を発展させれば、いくつかの精神疾患の新しい治療法に
つながる可能性がある。これはトランスレーショナル・リサーチ
[基礎的な研究から実用的な開発にまで及ぶ研究]の観点から
言って非常に刺激的だ」と、Boyden教授は述べる。

「特定タイプの細胞に生じた変化と関係のある疾患は多い」と、
Boyden教授は言う。「臨床目的では、特定の細胞に影響を与えても、
正常な細胞はそのままにしておきたい。
光を使って特定の細胞を正確なタイミングでオン・オフできるとなると、
原理的には新しい療法につながる可能性がある」

この光遺伝学的(optogenetics)技術の利点は、
対象とするニューロンを限定できることだ。
レーザーと遺伝子工学を組み合わせて使うことにより、
限定されたニューロンの発火をミリ秒単位で制御できる。
問題のある細胞と神経回路だけに照準を合わせ、
関係のない細胞を対象から外すことで、副作用が起きる可能性を
最小限に抑えることができる。

もともと藻類で発見された、青い光に反応する特殊なチャネルを
発現する遺伝子を、ウイルスを使ってニューロンに送り込む。
このニューロンに青いレーザーを当てると、
チャネルが開いて細胞内にイオンが流入し、ニューロンが発火する、
という仕組みが利用されている。

この技術にとって決定的に重要なのは、ウイルスが脳のごく小さな部分だけに
注入されるようにすることだ。つまり、限定されたニューロンだけに
ウイルスが感染し、チャネルが開くようにする。
そして、レーザービームの照準を、脳の限定された部分に正確に合わせる。
これに対し、薬剤や電極を使う現在の治療技術では、
ずっと広い範囲に影響を及ぼしてしまう。

2005年にスタンフォード大学でBoyden教授とKarl Deisseroth氏が開発した
光遺伝学の手法は、マウスの学習や魚の捕食者回避行動など、
さまざまな行動をニューロンの回路がどのように制御しているかを
理解するために使われてきた。
[脳深部に光を到達させるために、光ファイバーを用いて光を直接照射する。
研究成果の例の日本語要約はこちら。]
http://jdream2.jst.go.jp/jdream/action/JD71001Disp?APP=jdream&action=reflink&origin=JGLOBAL&versiono=1.0&lang-japanese&db=JSTPlus&doc=07A1138678&fulllink=no&md5=cd3892d204c2097ce80d4fb3b9fe3658
しかし、この技術を霊長類に試してみることはこれまで行なわれていなかった。
人間を対象として臨床的にこの技術を使う治療法を開発するには、
霊長類を使った実験を避けて通るわけにはいかない。

4月30日付けで『Neuron』誌に発表されたBoyden教授の新しい研究は、
霊長類にもこの技術を適用できるだけでなく、
安全でもあることを示している。複数回にわたってウイルスを
注入されたアカゲザルは、8〜9カ月にわたってレーザー刺激を
受けてもニューロンに損傷はなく、ウイルスを使う場合は当然懸念される
脳の免疫系の発動も見られなかった。

将来の応用としては、現在すでに使われている脳深部刺激療法
(ニューロンを電極で活性化・非活性化する療法)の代わりに、
光を発する神経補装具を使うことが考えられる。
脳深部刺激療法はパーキンソン病、てんかん、鬱病などの治療に
役立つことが分かっているが、刺激を与える対象となるニューロンが
限定的でないことも一因で、いくつか副作用が生じる可能性がある。

[脳深部刺激療法では、病変の原因になっている部位を精密に定位し、
手術により細い電極を埋め込む。さらに、患者の上胸部に刺激発生装置を
埋め込み、皮下に信号線を通して電極と繋ぐ。
日本ではパーキンソン病や振戦の治療に関して
2000年より保険適応が認められている。
なお、迷走神経を通して脳にパルスを送り込み鬱病を治療する療法についての
日本語版過去記事はこちら]
「脳のペースメーカー」インプラントで鬱病治療
http://wiredvision.jp/news/200705/2007052923.html
レーザーを使う新しい方法が霊長類の脳に有効であることが証明できれば、
副作用のない治療法につながるだけでなく、特定の神経回路と行動、
とくに高次の認知機能との関係が解明されていく可能性がある。

遺伝的性質においてマウスは理想的なモデル生物だ。しかし、
マウスの行動はあまり高度なものではない。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)、統合失調症、鬱病、依存症などの
強迫的行動といった問題を神経科学者が理解し、治療したいと考えたとき、
霊長類を使えばずっと確実な実験ができるようになる。

「これは神経科学全般にとって非常に重要でエキサイティングなステップだ」
ある神経科学者は、霊長類を使った実験に対する最近の攻撃を懸念して、
匿名を希望してこう語った。

[日本語版:ガリレオ-福岡洋一/合原弘子]

WIRED NEWS 原文(English)

http://wiredvision.jp/news/200905/2009051523.html

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カタツムリにも寄生虫がいたなー。
ちょっと心臓が丈夫じゃない方はご覧頂かない方がいいと思われます。
カタツムリを操る寄生虫の戦慄ムービー
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070106_leucochloridium/

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

アリをゾンビ化して操るタイコバエNational Geographic News
May 15, 2009


 タイコバエというハエの繁殖方法は実におぞましい。
特定のアリに産みつけられた卵からかえったウジはアリの脳髄を食べ、
アリを操るかのように移動させ、さらに頭を切り落として
その中で蛹(さなぎ)となる。しかし、このハエの繁殖方法を、
害虫であるアカカミアリの駆除に利用する取り組みが、
アメリカ南部で進められている。

 タイコバエは、アカカミアリという毒針を持つ凶暴なアリの
一種を見つけると、その体内に針のような管で卵を産み付ける。
ふ化したタイコバエの幼虫(ウジ)はアカカミアリの頭の中へ移動し、
そこで脳髄をすすりながら成長する。しばらくすると、
アリはウジにコントロールされているかのように動き始める。

 同じ巣のアリからの攻撃を避けるため、アカカミアリは
タイコバエの幼虫に操られるかのように巣を出て行く。
たいていは、湿り気のある緑の多い場所にたどりつく。
中には巣を離れてから50メートルも
さまよい続ける“ゾンビ”アリもいるという。

 やがて、タイコバエのウジは、そのホストの首を切り落とし、
内部を食べながらさらに成長する。
そして卵が産み付けられてから約40日後に、
ほぼ成虫に近い蛹(さなぎ)になる。

「このハエのウジは、アリを断首するだけではなく、
アリをゾンビに変えてしまうようだ」と、
アメリカ農務省の昆虫学者サンフォード・ポーター氏は言う。

 アカカミアリは1930年代初期に、おそらくは農産物の貨物船で
アルゼンチンからアラバマ州モービルに入ったと考えられる。
ここ50年の間にアメリカ南部全域に生息域を広げ、
在来種のアリが多数被害を受けている。
そのためアメリカの研究者らは現在、
外来種であるアカカミアリの繁殖を抑制するため、
定期的に数種のタイコバエを野に放している。

 そうした中、新種のタイコバエ(学名:Pseudacteon obtusus)が
アメリカで初めて放虫されたことをテキサスA&M大学が最近明らかにした。
放虫は2008年にテキサス州南部、
2009年4月にテキサス州東部で行われたという。
この新種はアメリカで初めて放虫されたタイコバエであり、
捕食行動中のアリを攻撃することで知られる。
理論的にも、巣に隠れているアリより捕食行動中のアリの方が
攻撃に対して無防備であることがわかっている。

 このタイコバエはアメリカ在来種のアリを襲うことはないため、
アカカミアリがハエを警戒し巣に留まるようになれば、
新しい巣ができる可能性も少なくなり、在来種のアリにとっては
餌場が増えることになる。

 テキサス大学の研究員であるロブ・プラウズ氏はこう話す。
「これは在来種のアリが置かれている
不当な環境を改善するための取り組みであり、
その目的は種間のバランスを回復させることにある」。

 捕食者であるタイコバエによるアカカミアリのコントロールは、
一定の成功はおさめているものの、アメリカ南部から
アカカミアリを完全に駆除することはできそうにないという。
ユタ大学のアリ生態学者ドナルド・フィーナー氏は、
「1970年代までは完全な根絶について話し合われていた。
しかし、全面的な化学作戦でも行わない限り、
これほど広範囲に繁殖している大量の生物を
根絶することはできない」と話す。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009051502&expand

私には不足しているかも知れない。

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

積極性に関与する脳内たんぱく=マウスで発見−理研と北大

                     5月7日14時9分配信 時事通信

 脳だけに存在するたんぱく質「X11L」がないと、
仲間と競争して餌を取り合ったり、侵入者を撃退したりする
積極性が低下することが、マウスの実験で分かった。
理化学研究所と北海道大の研究チームが7日までに
米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。
 自閉症や統合失調症の患者では、
社会的な行動や関心が乏しくなる場合があるが、
メカニズムを解明し、治療につなげるのに役立つ可能性があるという。
 X11Lは、神経活動を制御するさまざまなたんぱく質を、
必要な場所に適切なタイミングで運ぶ役割がある。 

 ある、そんな生活していたらあなたの寿命はあと何年的な番組で
子供に脂肪を摂らさないと自慢げに語った母親が医師に
「そんな馬鹿な事をしてはいけない」と叱られていたがそんなお話。

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 最近どうも忘れっぽいという人は、
脂肪分の多いものを食べるとよいかもしれない。

ラットを用いた新しい研究によると、特定の脂肪を消化するときに
放出されるホルモンが長期記憶の形成を引き起こすという。

 研究チームは、オレイルエタノールアミド(OEA)という
小腸で生成される化合物(脂肪酸の一種)をラットに投与して
2種類の活動を行わせたところ、記憶力が向上することを発見した。
OEAによって活性化される脂肪受容体をブロックすると、
ラットの成績は低下したという。

 研究チームのメンバーであるカリフォルニア大学
アーバイン校(UCI)の神経科学者ダニエル・ピオメリ氏は、
「今回はラットの研究だったが、
OEAの効果は人間など他の動物でも同様だろう」と話す。

 OEAの記憶を強化する働きは、
動物が脂肪の多い食べ物を食べたときに、後でそこに戻って来られるように
場所や時間を記憶するために発達したのだろうと研究チームは推測している。

脂肪は生物のさまざまな機能と構造に欠かせないものだ。

現代の人間の食事は脂肪が豊富になっているが、実際のところ、
脂肪の多い食べ物は自然界ではまれである。

「脂肪が集まっている場所や状況に関する記憶を強化するシステムが、
自然界で発達したことは理にかなっている」と、
ピオメリ氏はナショナル ジオグラフィックニュースに語った。

 ピオメリ氏は記憶力を向上させようとファストフードを
大食いすることは勧めていないが、一般に、
朝食や10時のおやつを食べる子どもは学校での成績が良い。
このようなケースも、今回の発見で説明できるかもしれない。

「研究から推測すると、
成績の良い子どもたちはよく学んでいるというよりは、
よく覚えているためだと考えられる」。

 科学者たちは将来、記憶力を向上させたり、
記憶に影響を与える病気を治療したりするために、
OEAやOEAに似た化合物を薬として使用する可能性がある。

「たとえば、OEAによって活性化する受容体を薬を使って刺激したり、
記憶力向上効果を引き出すのに十分なOEAを生成する栄養素を与えたり、
といったアイデアが考えられる」とピオメリ氏は述べている。

2009年4月28日(火)
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 今回の研究は
「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌の
今週号に掲載されている。

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