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この桜の木の下に立つと、いつも貴方のことを思い出す。
夕暮れに寄り添って帰った放課後。
大慌てで駆け込んできた遅刻寸前の朝。
校門に佇む桜の木は、いつも貴方との待ち合わせ場所でした。
そして貴方は私を置いて、先に新しいステージへと旅立って行った。
とても嬉しそうで、とても晴れがましく。
貴方が受け取った卒業証書。
貴方が歌う別れの歌。
あの卒業式は、私の中では消えることのない時間です。
心の中で何度も繰り返すあの瞬間。
貴方の背中、貴方の唇。
体育館の片隅から、貴方の姿だけを追いかけていました。
貴方がくれた第二ボタン。
それは大切な思い出。
だけど・・・。
それよりも、もっと大切なものを貴方はくれた。
誰かを好きになる気持ち。
貴方を好きになって、本当によかった。
そして貴方をこれからもずっと好きでいるということ。
忘れない。
そして・・・。
卒業式の日。
この桜の木の下で、貴方くれたシャープペンシル。
今は私の筆記用具として、試験で私を助けてくれる。
貴方が越えて行った大きなハードル。
きっと私にも越えさせてくれる、とても大きな勇気になる。
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