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筑紫哲也と北朝鮮
数日前、テレビをつけたら、ニュース23(TBS)で、筑紫哲也氏が、北朝鮮問題
について、コメントして居るのを目にしました。録画した訳ではないので、彼のその場
での発言を正確に引用出来無くて申し訳有りませんが、記憶でその発言の要旨を述べる
と、北朝鮮が核兵器を保有したいと思った背景には、核保有国が核兵器の削減を一向に
しようとせず、その一方で、北朝鮮を含めた他の国には核を持たせない政策を取り続け
て来た事が有るのではないか?と言った事を、筑紫氏は述べて居ました。記憶で書いて
居るので、正確に引用出来無くて申し訳有りませんが、そう言ふ趣旨でした。聞いて居
て、あきれて物が言へませんでした。一体、筑紫氏は、NPT(核拡散防止条約)体制
をどう理解して居るのでしょうか?NPT体制は、不平等条約です。そんな事、当たり
前じゃないですか。しかし、その不平等条約を否定するなら、核拡散は防ぎようが無い
事を、この「ジャーナリスト」(筑紫哲也氏)は分からないのだろうか?そう思はずに
居られませんでした。もう一度言ひます。NPT体制は不平等です。しかし、その不平
等を否定するなら、核は拡散します。NPTは不平等ですが、その不平等を否定するな
ら、核は拡散します。二つに一つです。核保有国に非が無いなどとは言ひません。核保
有国が、核兵器の削減を推進する義務を十分果たして居ないと言ふ批判は有るでしょう。
しかし、基本的に、核拡散を防止しようとするなら、それは、「核の不平等」であり、
それを否定して、「核の平等」を唱えるなら、核は拡散すると言ふ構造は、ちょっと考
えれば、子供でも分かる理屈です。筑紫氏には、この単純明快な理屈が分からないので
しょうか?「核の平等」は、悪夢です。核兵器その物を全廃しろと言っても、それは、
現実には、実現しない。遠い未来には、それも可能に成るかも知れません。しかし、近
い将来、核の無い世界などと言ふ物が、単なる善意によって実現するなどとは到底考え
られない。それどころか、現状の国際社会では、核が全廃されたら、逆に、抑止力が無
きなり、戦争が多発する事は余りにも明らかです。そんな国際社会の現実の中で、核戦
争を起こさない様にする為には、「核の平等」ではなく、「核の不平等」を維持する他
は無い。二つに一つなのです。だから私は、NPT体制が不平等体制である事は百も承
知で、NPT体制が維持される事を切望して居ます。だからこそ、私は、日本の核武装
に反対して来たし、NPT体制を空洞化する原子力発電にも反対して来ました。しかし、
筑紫哲也氏は、こんな簡単な理屈も分からないのか、NPT体制の当然の側面である、
「核の不平等」を取り上げて、北朝鮮を、遠回しにではありますが、擁護しようとする
のです。筑紫氏は、「核の平等」がいいと言ふのでしょうか?それとも、「核の平等」
とNPT体制が両立しない事は、百も承知で、それでも、北朝鮮を擁護したかったので
しょうか?筑紫氏の北朝鮮に対する思ひ入れは、異常です。
核時代61年10月23日(月)
西岡昌紀(にしおかまさのり)
http://www.melma.com/backnumber_152816_2850583
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