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9月1日の悲劇
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それ(ドイツのポーランド侵攻)をもたらした物が何であったかを語る前に、一つ考え
て頂きたい事が有ります。そもそも、この、1939年9月1日のドイツのポーランド侵
攻は、本当に「第二次世界大戦の始まり」だったのでしょうか?一般に、ドイツがポーラ
ンドに侵攻した1939年9月1日をもって、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の始ま
りと見なす事が、当然の事として受け入れられて居ます。しかし、本当にそうだったので
しょうか?ドイツのポーランド侵攻が、ポーランド現代史にとって運命的な、悲劇の日で
あった事は明らかです。しかし、この日は、本当に「第二次世界大戦の始まり」だったの
でしょうか?即ち、この日を境に、本当に世界は、或いは世界とまでは言はなくても、ヨ
ーロッパは、戻る事の出来無い世界大戦に突入したのでしょうか?日本ではこの事が問は
れませんが、実は、ここに、1939年9月1日と言ふ日の本当の意味を考えるヒントが
有ると、私は思ふのです。どう言ふ事かと言ふと、1939年9月1日のポーランド侵攻
は、本当に悲劇的な出来事でしたが、その時点では、それは、ドイツとポーランドの間の
二国間紛争を超える物ではなかったと言ふ事です。−−9月1日にドイツがポーランドに
侵攻した時点では、それは、「世界大戦」ではなかったのです。−−ところが、それが、
全ヨーロッパ規模の大戦争に転化したのは、それから2日後の9月3日に、ポーランドの
同盟国であったイギリスが、ドイツに事実上の宣戦布告に他成らない最後通牒を送った時
であった筈なのです。これは、実は、非常に重要な点なのですが、日本では、全くと言っ
て良い程認識されて居ません。そして、誰もが、この年(1939年)9月1日のドイツ
によるポーランド侵攻イコール第二次世界大戦の勃発と言ふ図式を、検証もせずに受け入
れて居ます。しかし、もう一度言ひますが、1939年9月1日にドイツがポーランドに
侵攻した時、それについての道徳的論議は別として、とにかくそれは、ドイツとポーラン
ドの間の二国間紛争以上の物ではなかったのです。そして、それを全ヨーロッパ的規模の
大戦争にしたのは、ドイツではなく、イギリスであった事は、決定的に重要な事だと、私
は思ふのです。
(続く)
核時代61年9月3日(日)
イギリスがドイツに最後通牒を送った日に
西岡昌紀(にしおかまさのり)
http://www.melma.com/backnumber_152816_2850583
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