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PRIDEに出会ってから、もう何年になるんでしょうか?

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http://www.nikkansports.com/battle/p-bt-tp0-20070117-143445.html
(引用開始)
そして最大の難問、悪意に基づく故意か、 無知による過失かの判断に迷った。

谷川EP「究極には人の心の中までは分からない。ただし、それなら仮に裁判になったとして法律家の
意見を求めました。弁護士複数人に聞いた結果、全員が『裁判では過失と認定されるでしょう』との
見解でした。つまり故意ではない過失だと。
それが我々のでき得る、最も合理的な結論の導き方でした」。

実際に秋山はテレビカメラの前で全身にスキンクリームを塗りながら、撮影クルーに「いいにおい、
するでしょ」と屈託なく話しかける場面もあったという。

(引用終り)


この一つ前の記事の「なぜ谷川EPは秋山の行為は故意でないと判断できるのか?」にも書いたのですが、確かに、裁判ならそうなるのでしょう。

でもこれは裁判の仕組みがそうなってるっていうだけで。


今回の件を裁判に見立ててみる。

実際にやるとしたら桜庭が民事訴訟でK−1を訴えたりするのかも知れんけど、リンク先で谷川サンが言ってるのは刑事裁判に見立てるという意味だと思われる。いや、裁判とかよくわかんないんだけど、まあ一般常識の範囲で(焦)。


被告人(秋山)vs検察官


検察の主張は「秋山は悪意をもって故意にクリームを塗った。ベルト剥奪の上、永久追放すべき」

これが基本線。「ベルト剥奪の上永久追放」ってのは、秋山が故意ならそういう処分を下すつもりでした、と谷川EPが言っていたのを採用した。もちろんハナからそんなつもりはなかったんだろうけど、まあそれはいいや。



こういう場合、構図としては、「検察の主張は事実か?」ということを突き詰める。
つまり、「秋山は試合を有利に進める意図で、故意にクリームを塗った」ということが検察によって証明されるか、弁護側によって「いや、確実にそうだとまでは言えないな」という結論に導かれるか、が争われる。

この場合ポイントになるのは、検察の主張が完璧に証明されない限りは検察の主張通りの刑は科されないということだ。

仮に故意なら100の刑、過失なら50の刑と定められている場合、故意であることが100%証明されない限り、真相がわからないままであっても、50の刑が課される。

冤罪によって過当な刑が科されるのを防ぐためだ。



検察官は言う。「体に異物を塗ってはならない旨はルールに明確に記載されている上、そうした行為が試合展開に大きな影響を及ぼすことは総合格闘技の選手であれば常識。知らないということは有り得ない。」


弁護人「被告は極度の乾燥肌で、日頃からスキンクリームを愛用していた。試合前に塗っていたのも単なる習慣であって、それによって試合展開を有利にしようという意図はなかった。」


んでもって証人尋問。えーと今回の例で言うと、ネット上で菊田早苗が証人として躍り出た。


証人 糞禿帖「塗ったら汗とは比べ物にならないくらい滑るんです。塗っちゃいけないのは常識です」


弁護人「でもカメラの前で堂々と塗っている。これは悪意のないことを物語っている」


検察官「堂々と塗っているのは故意ではないことの証明になるのか?そもそも、堂々と塗ってたのなら、なぜセコンドが気付かなかったのか?選手のみならず、セコンドの一人一人に至るまでそのルールを知らないと言うことはなおさら有り得ない。第一、秋山のセコンドには総合格闘家の門馬秀貴がいたはずだ」


証人◆別臟蓮「気付きませんでした。スイマセン。」


証人(山田トレーナー)「滑る。言い掛かりは止めてくれ。」


証人ぁhmj-osaka)「秋山さん自身は純粋に柔道を愛(ry





そんなこんなで、判決が下される。谷川サンが言うには、複数の法律家が一様に「過失として判断される」という結論だそうで。


でもこれは検察の言い分が証明されなかったというだけで、過失ということが証明された訳ではない。
裁判においては過失として処分されるけど、それは故意であることが証明できないから、いわば便宜的にそうなるだけの話。


つまり、故意ではないことが「証明できない」だけであって、過失であることもまた証明されていない。


「過失だというのが我々にできうる一番合理的な結論」と谷川サンは言うけれども、
「故意か過失かは、どちらにも断定できない」という結論の方がより合理的なのではないか?



そして、裁判においては過失ということを前提に刑が確定されるわけだけど、それを今回の例に当てはめていいのか?


ルールに明記されている反則を、それも競技者なら常識的に考えて誰でも気付きそうな点において反則を犯した。これは故意ではないにしても、極めて重大な過失である。ある定められたルールの中で戦うことを義務付けられている競技者がそれを逸脱するということは、言ってみりゃ身分犯のようなもんで。


今回の件を犯罪に例えるなら、政治家が賄賂を受け取って、特定の人に有利になるように手を回したが、それがばれて逮捕された政治家が「収賄罪という犯罪の存在を知りませんでした」と主張するようなもの。


こういう場合、故意かどうかなんて関係なく同じような量刑が課される訳ですわ。
そうしないと法律の意味がない。


谷川サンの「裁判では過失ということになるらしいんで、過失という結論が合理的だということになりました」っていう発言は、K−1の「調査」と裁判の「判決」の違いをごっちゃにしてごまかそうとしているだけ。



(再び抜粋)「『裁判では過失と認定されるでしょう』との見解でした。つまり故意ではない過失だと。」



この「『裁判では過失と認定されるでしょう』との見解でした」「故意ではない過失だと。」の二つの文は、「つまり」という接続詞では結ばれないものなんである。こんなところを堂々とスルーしてしまうあたり、K−1も相当キツい言い逃れをしている。



とにかく調査というのは何より真相究明が大事なのであって、真相究明が無理なら、「判断できない」として処理するべきである。


で、前回の記事に書いたように、こういう場合に故意であることが自白される、もしくは証明されるのは稀だと思われるので、故意かどうかに拘らず一定の処分を下すような規定をつくるべきだ。今回はそういう規定がなかったために無期限出場停止という曖昧な処分になった。場合によっては明日処分が解けても、ある意味「無期限出場停止」である。


今後もこれを放置すると、また同じことが起こりかねない。
とにかくおかしいぞと思うのは、「過失だと判断できてしまう」ことなのだ。


何度でも言うぞー。調査と裁判を一緒にするな!
法律家がこう言ってましたと言えば済むと思ってんのか!「法律家」って言いたいだけちゃうんかと。
故意かどうかに左右されない処分規定を作らないと、同じことがまた起きるぞ!

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なるほど。裁判での判断を過失であった事実に話をすり替えてしまうという、谷川氏の言葉のロジックに気づきませんでした。秋山が故意であったことを明確にし、罪を償った上で復帰への道筋をたててあげないと、いつまでも秋山はファンの支持は得られないままでしょう。逆に今の状況が一番秋山にとって重い処分である気がします。

2007/1/20(土) 午前 11:24 [ tawashix ]


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