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今日も朝からの秋晴れ。
まだ真新しい兵庫県立芸術文化センターへパユとジャズの共演ライヴを聴きに出かけました。
開演は2時からだったので、早めに到着し、ホールに併設された小洒落たレストランでランチを
食べてから、席へ。
大ホールは広すぎると感じることもなく、木製の温かみのある空間で、とても落ち着きます。
今年のパユの日本ツアーの初日に当たる今日は、以前リリースしていたジャズトリオとのコラボ
レーションCDのライヴです。
クラシックコンサートではもちろん見られないドラムスやベース、キーボードが音響機具とともに
舞台にセットされて始まる前から期待感が高まりました。
前に、ヨーヨーマとラテンアメリカ音楽家との共演を聴きに行った時もそうでしたが、普段はジャ
ンル分けされている音楽が出逢う現場を、生で目撃し体験することは、僕にとってかなりエキサイ
ティングな事なのです。
パユの演奏は無理にジャズに迎合するのではなく、あくまでクラシック奏者として、息のぴったり
合ったトリオに挑んでいる、といった感じでした。パユはパユで素晴らしく、トリオはトリオで
ものすごく魅力的でした。時折、少し異質すぎて不協和な瞬間もありましたが、そこはノンストップ
のジャズならではの流れで、すぐにその印象を拭い去っていきます。
パユの笛はいつも何を演奏していても、とにかくかろやかです。それがバロックであっても現代音楽
であっても。
今日はほとんどが即興のパフォーマンスでしたが、それでも決してパユはりきんだような音は出さな
い。通常では出ないほどの高い音域の音もさらっと吹いてしまっていました。
後半にパユの長い見せ場があり、ドビュッシーのシランクスと、その後それを基調にしてフェルーの
「三つの小品」や「カサンドラの夢」を織り交ぜて完全な無伴奏ソロを展開していましたが、普通なら
聴衆も身構えて肩がこりそうなこの曲たちを、見事に「魅せて」いました。
ジャズの中に在ると、これらの曲もなにか洒脱な音楽に聞こえて来るから不思議です。もしくは、
それこそがパユの力かもしれません。
ジャッキー・テラソンの極上のセンスで生み出されるコードも、僕の心とからだを浸してくれて、本当
に心地よいひとときを過ごすことができました。
まるで羽が生えたかのようにかろやかに、色んな音楽を行き来できる演奏家に、僕もなれれば
最高ですね。
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