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人は流され易いものに御座います。
例えば、お気に入りの帽子を「似合わない」とか「ダサい」とかボロクソ言われたとしましょう。
それでも私のお気に入り、と、
その帽子を被り続ける人は少ないと思われます。
多くの人が、今まで喜んで被っていた帽子も被り難くなるものかと存じます。
もし、おしゃれの権威のように思われている人や雑誌等から否定されると尚更で御座いますね。
これまで誰も悪く言わなかった帽子。昨日までお出掛けの善き相棒であった帽子。
それが途端に敬遠すべき物へと変わってしまいます。
帽子からしたら「なんで?」と悲しく思う事態だと思われます。
その帽子が本当にダサいのか、「悪い」のか、
過去のいろんな場面を振り返りながら改めて自分で評価するコト。
そして「悪くない」と判断したならば、その後もその帽子を被り人目に触れるコト。
それはとても勇気有る行動だと思います。
幸せを見失わない人とは、
こういう方ではないかと思います。
公冶長第五
一
子謂公冶長、可妻也、雖在縲絏之中、非其罪也、以其子妻之、
子、公冶長(こうやちょう)を謂(のたま)わく。妻(めあ)わすべきなり。縲絏(るいせつ)の中(うち)に在りと雖も、其の罪にあらざるなりと。其の子を以ってこれに妻わす。
先生(孔子)が公冶長(こうやちょう:孔子のお弟子さん)を言われました。
「妻(めあ)わす(結婚させる)べきです。
獄中につながれていたとはいえ、
彼に罪は無かった」
孔子の娘を公冶長に嫁がせました。
(俺なりの解釈での)解説
公冶長(こうやちょう)は孔子のお弟子さんのお一人で御座います。
どのような疑いを掛けられ投獄されたかは定かでは無いそうに御座いますが、
後に嫌疑が晴れたのか、
或いは孔子の目から見て彼に罪は無かったのか、
どちらにしろ論語の中では冤罪との見解で御座います。
細かい所から触れましょう。
「妻」
「つま」で御座いますね。これを「めあわす」と読んで、
妻どりさせる、結婚させる、
と訳されますが、
物に依って送り仮名がバラバラで御座います。
・妻(め) あわす
・妻(めあ) わす
・妻(めあわ) す
上の三つが確認されております。
どれが正しいのか、はたまた、
何故こんなにバラバラなのか、
興味は尽きぬ所で御座いますが、
此処では
「めあわす、って読むのが分かっているのであれば、いいじゃないか」
というスタンスで参ります。
内容全体の方を大切に致します。
孔子にはお子さんがお二人居られたそうに御座います。
お一人は長男の鯉(り)。
この方は論語の中でも印象的なお話に登場致しますので有名な方で御座います。
もうお一人は娘さんの蕘(じょう)。
俺はこの方の事を殆ど知らないので御座います。
此処以外の場面で登場された記憶が無いので御座います。
娘さんに纏わるエピソードは殆ど残されていないようで御座いまして、
少なくとも俺が調べた限りでは見付け切れませんでした。
どのような方なのか、また、どのような生涯を送られたのか、
分からない方で御座います。
人物像は置いといたとしても、
この方がどのような一生を過ごされたのか、
この結婚が幸せな結婚であったのか、
それはこのお話に大いに関わって参りますのですごく気になる所で御座いますが、
今の所知る術が無くて御座います。
孔子は公冶長をして「妻(めあ)わすべき人物」と評価なさってらっしゃいます。
彼に付いて回る「前科」の肩書きにも触れておいて尚善し、と判断なされてらっしゃいます。
二人の結婚はきっと幸せなもので、
娘さんも公冶長と結婚してよかったと、
そう思ってらっしゃったら善いなあと思います。
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