脱税・申告漏れニュース

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『1回線ごと個別資産 ドコモ課税取り消し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000078-san-soci
9月17日8時1分配信 産経新聞

 NTTパーソナルからPHS(簡易型携帯電話)の回線を譲り受けたNTTドコモが、回線譲渡をめぐる法人税課税処分の取り消しを国に求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は16日、国側の上告を棄却した。国はドコモグループ9社(現在は1社に統合)に計114億円の課税をしており、9社で計108億円分の課税を取り消した1、2審判決が確定した。

 税法上、10万円未満で取得した資産は、単年度で損金処理することができ、法人税の課税対象外になる。

 ドコモ側は平成10年にパーソナルからPHS事業を継承。計42万回線を1回線約7万円、総額約306億円で取得し、損金処理して税務申告したが、国側は全体で一つの資産として課税した。1回線ごとに一つの資産とみなすか、全体で一つの資産とするのかが争点だった。

 藤田裁判長は判決で、回線が1回線ごとに取引されていることなどから、1回線ごとに一つの資産とみるべきだと判断した。 』

記事の中にもあるとおり、法人税法上、10万円未満で取得した資産は購入した事業年度の経費として計上することが可能です(例え何年も使う備品であっても)。

根拠条文はこちら
「法人税法施行令第133条(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入)
 内国法人がその事業の用に供した減価償却資産(第48条第1項第6号及び第48条の2第1項第6号(減価償却資産の償却の方法)に掲げるものを除く。)で、前条第1号に規定する使用可能期間が1年未満であるもの又は取得価額(第54条第1項各号(減価償却資産の取得価額)の規定により計算した価額をいう。次条第1項において同じ。)が10万円未満であるものを有する場合において、その内国法人が当該資産の当該取得価額に相当する金額につきその事業の用に供した日の属する事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。」

ということです。
今回はその購入資産の取得価額が10万円未満かどうかの判定方法(単位)について争われていた事案です。
条文ではないですが、我々税理士が税務判断の参考にする法人税法基本通達(税務署内部の取り決め文書)には以下のように記載されています。

「法人税法基本通達7−1−11(少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定)
 令第133条(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入)又は令第133条の2(一括償却資産の損金算入)の規定を適用する場合において、取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは、通常1単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については1台又は1基ごとに、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定し、構築物のうち例えばまくら木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごとに判定する。(昭45直審(法)58、昭49直法2−71、平元直法2−7、平10課法2−7改正)」

今回の判決では、回線の取引が1回線ごとに行われているから、判定も回線ごとでいいよね。ということですね。

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『グッドウィル、買収先に口止め料10億円…国税「所得隠し」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080722-00000069-yom-soci
7月23日3時9分配信 読売新聞

 総合人材サービス大手「グッドウィル・グループ」(GWG、東京都港区)が2006年に行った人材派遣会社「クリスタル」(現グッドウィル・プレミア)の買収を巡り、東京国税局から約10億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。

 GWGが買収後、クリスタル創業者に支払った「退職慰労金」のうち約10億円について、創業者への「口止め料」で、経費とは認められないと判断された。

 GWGは06年10月、投資事業組合「コリンシアンファンド」(港区)などに883億円を出資し、同ファンドを通じて人材派遣最大手のクリスタルの株式67%を取得する手法でクリスタルを傘下に収めた。
 関係者によると、クリスタル創業者は同業者への売却の意思はなく、ファンドを実質的に支配していたのがGWGと知って激怒。さらに保有していたクリスタル株式90%の同ファンドへの売却額は約500億円で、同ファンドが巨額の利益を得たことがわかったため、GWGへの不信感を強めていたという。

 このため、GWGは07年に創業者に退職慰労金として約30億円を支払うことでトラブルについて和解し、経緯を口外しないよう契約を交わしたとされる。

 こうした経緯から、同国税局は約30億円は退職慰労金としては高額過ぎ、うち約10億円は創業者への口止め料などの性質を伴うものと判断したという。GWGによると、グループ全体の申告漏れは07年9月期までの3年間で計約30億円、追徴税額は重加算税を含め約5億5000万円に上る見込み。消費税にも計算ミスがあり、約3億8000万円を追徴されるという。

 グッドウィル・グループIR部の話「重加算税を課せられる事態を真摯(しんし)に受け止め、今後は適正な税務申告に努めたい」

最終更新:7月23日3時9分 読売新聞』

取締役等の役員が退職する際に会社から支給される退職金(退職慰労金)は法人税の計算上、支給方法等に一定の要件はありますが、「過大でない」限り損金の額として取り扱われます。

過大かどうかの判定基準として実務上は、以下の算式で計算するケースが一般的です。

最終報酬月額×在任年数×功績倍率(2.0〜3.0程度)

代表取締役の退任などで退職慰労金を支給する場合、どうしても法人の利益操作という恣意性が生じやすいため、何の根拠もなく雰囲気で金額を決めてしまうと税務調査等でも金額の多寡が争点になることもあります。

そのため、上記の算式を元に役員退職慰労金規定等を作成して(利益操作ではないという)証拠づくりをした方が望ましいでしょう。

今回の事件では、30億円の根拠も不明確ですし、一般的に日本の社長がもらう金額から考えても退職慰労金としては多すぎるとされ、うち10億円が口止め料と認定されたようです。

記事では明確にされていませんが、おそらく口止め料は交際費に該当するものとして、損金不算入とされるに至ったと予想されます。

株の売却代金以外に退職金30億ですから、さすがに高すぎですよね。。

上記算式で最終報酬月額300万、在任30年、功績倍率3.0で考えても
300万×30年×3.0=2億7千万ですからね・・・。

『<東京国税局>課税ミス 東京スター銀行に80億円返還
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080717-00000046-mai-soci
7月17日11時31分配信 毎日新聞

 東京国税局が05年に東京スター銀行(東京都港区)に対し、約190億円の申告漏れを指摘し、約72億円を追徴課税した処分について、自ら誤認があったとして大幅に減額する処分を再び行っていたことが分かった。同行には今年6月、納付済みの税金に対する利子(還付加算金)約12億円を含む約79億9500万円が返還された。

 東京スター銀行は、経営破たんした旧東京相和銀行などから引き継いだ債権の会計処理を巡って、国税局から申告漏れを指摘されていた。同行は処分を不服として、今年1月に課税処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが、5月になって国税局から事実誤認による減額の連絡があったという。

 還付加算金は、税金を還付する際の利子で、年率約4%の高率に設定されていることから同行に約12億円も支払われることになった。【高島博之】』



2005年に申告漏れが指摘されて追徴課税の処分を受けていた事件です。

この報道では東京スター銀行に対して・・とありますが、過去の記事を見ますと実際は東京スター銀行を参加に納める投資ファンド ローンスター(英領バミューダ諸島)に対する課税処分だったようです。

ローンスターは経営破たんした旧東京相和銀行の事業を継承した東京スター銀行から不良債権を債権の額面金額より安く購入し、それを回収することで利益を上げていました。

ローンスター側としては日本に拠点がないから日本に税金を納める必要はない。という主張だったようです(英領バミューダ諸島はタックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれるだけあって税金が非常に安い!)。

<外国法人の場合、日本に活動拠点がなければ、事業所得については課税されません。利子、配当、使用料等の資産運用所得については、課税されることになります(所得税の源泉分離課税)。>

これに対し、東京国税局は、これらの利益は「事業所得」にはあたらず、拠点がなくても申告が必要な「資産運用所得」だったと認定し約72億円の追徴課税を行いました。

これを不服としたローンスター側が今年の1月に税務訴訟を起こしたのですが、結局裁判では勝てないと判断したのか、減額処分→還付を行ったというのが今回の経緯です。

それにしても還付加算金が12億とはすごいですね。
還付加算金の計算は還付される本税に対しては4.7%(2008/7/17現在)の利息がつきます。

延滞税は逆に同じ率でとられてしまうわけですが、長らく続く低金利を考えると、かなりおいしい資産運用の手段かもしれません。。

「親会社から子会社への支払が寄附金と認定されて追徴課税」との新聞報道を見る機会があると思います。

この寄附金に対する法人税制の仕組みですが、普通法人については以下の計算式でその損金算入が否認されてしまいます(簡単に言うと支払っているのに税金の計算上費用として認めてもらえなくなる)。

鬼麌躑發梁散盪仔限度額
,修了業年度終了時の資本金等の額×事業年度の月数÷12×0.25%
△修了業年度の所得の金額(別表四仮計)×2.5%
( 椨)÷2=損金算入限度額

胸拿个靴心麌躑癲歛散盪仔限度額=「寄附金の損金不算入額」

仮に事業年度12ヶ月、資本金1千万円、所得金額300万円、支出寄附金30万円とすると。

1,000万円×12÷12×0.25%=25,000円
500万円×2.5%=75,000円
( 椨)÷2=50,000円

30万円−50,000円=250,000円

と30万円のうちほとんど(25万円)が税金の計算上は費用としては認められなくなってしまいます。

子会社に対する支払等は多額になるケースも多く、寄附金と認定されると、ほとんど費用計上が認められなくなるのが、この計算式でお分かりいただけると思います。

逆に言えば、国税局、税務署の調査官は、どうにか理由をつけて寄附金に持っていこうとするのですね。

それを何とか理由をつけて「対価性のある(サービスの対価としての)支払だ」と主張する納税者+税理士連合。

税務調査のせめぎあいといったところですね。

ちなみに、日本赤十字社や共同募金会といった財務省が告示している指定寄附金については、全額損金算入が認められています。


さらに特定公益増進法人・認定特定非営利活動法人等に対する寄附金はその支払額のうち、上記算式で計算したの損金算入限度額までの損金算入が認められています。

『イエローハット、3億円所得隠し=子会社支援でリベート−東京国税局


7月2日10時9分配信 時事通信

 自動車用品販売大手「イエローハット」(東京都目黒区)が東京国税局の税務調査を受け、販売子会社へのリベートに関し、2007年3月期に約3億 1000万円の所得隠しを指摘されたことが2日、分かった。経理ミスを含む申告漏れ総額は約3億8800万円。重加算税や地方税を含めた追徴税額は約2億 1400万円で、同社は修正申告した。
 イエローハットによると、同社は販売子会社「イエローハットセールス」(清算中)に対し、販売目標の達成状況に応じてリベートを支払っていたが、07年3月期は事前に契約を交わさないまま、期末に一括して支払い、契約書は後に作成していた。
 国税局は、リベートは子会社への利益提供を目的とした「寄付金」に当たり、損金処理はできないと指摘した上で、契約書を後に作成したのは重加算税の対象となる仮装行為と認定したとみられる。 』


今日も重加算税(仮装・隠蔽)事案です。

この記事で勘違いしていただきたくないのは、販売子会社にリベートを払ったことが悪いわけではありません。

今回問題になっているのは、そのリベートが名目にすぎず、実際は子会社に対して寄付したお金だろうと認定されたところにあります。

企業が寄付するのも当然法律で禁止されているわけではないのですが、会計上「寄付金(費用)」と計上しても、法人税法上、損金の額(簡単に言うと税金計算するときの経費)に算入できるのは、指定寄付金等(日本赤十字社や共同募金会等。財務省から告示されています。)を除き、支払額のほんの一部に過ぎません。

認定NPO法人以外のNPO法人に対する寄付金等、一般の寄付金は大部分がその損金算入を制限されてしまいます。

逆に言えば、税金を取りたい調査官はできるだけ、寄付金に持っていきたいわけです。
他にも損金算入が制限される支払として、交際費や役員賞与(事前届出分を除く)等があり、これらも税務調査で狙われやすい項目です。

これだけなら、単なる過少申告(申告漏れ)事案でしょうが、さらに今回はリベートであるということを証明しようとして後から契約書を作ったのが仮装・隠蔽にあたると認定されたようです。

個人的には、あとから契約書作ろうが、リベートはリベートだと思うんですが。
リベートという取引実態が伴っていなかったんでしょうか。

通常の商慣習として、得意先や販売代理店にリベートを支払うのは、税務上も問題ありませんが、関連会社等ですと、金額が高すぎるという理由で上記のような寄付金認定を受けるケースもあるので、要注意です。

関係者との取引は税務当局も疑いの目を向けてくるのが普通ですから、第三者との取引にもまして、契約書、領収書、議事録等の証拠書類の充実が不可欠ということですね。

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