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今日の一句
「 山中や 朱椀もとめて 衣更 」
(やまなかや しゅわんもとめて ころもがえ)
金澤を南に国道8号線を行けば小松市に入ります。此処からは芭蕉の「おくのほそ道」です。
山中の温泉に行くほど、白根が岳(白山)、後に見なして歩む。左の山際に観音堂あり。
・・・・那谷と名付けたまふとや。那智・谷汲の二字を分かちはべりしとぞ。
奇石さまざまに、古松植ゑ並べて、萱葺きの小堂、岩の上に造り掛けて、殊勝の土地なり。
「 石山の 石より白し 秋の風 」 芭蕉
温泉に浴す。その効有明(有馬)に次ぐといふ。
「 山中や 菊はたをらぬ 湯の匂い 」 芭蕉
小松市にある那谷寺を越して南へ、この辺の景色は殆んど芭蕉の見た目と変わってはいないと
思います、山代温泉に着きます。山代温泉の奥が山中温泉となっているのです。
いつぞや名古屋で飲んでいまして、店の娘が「最近石川県の温泉に行った事ある」と言うのです。
何処と聞くと「山中温泉」と答えたので、即座に「 お前、それ不倫旅行やな 」と確信を
もって言うと「違います」と最後の「す」に力を込めて言うから「間違いなく、不倫旅行や、
大体、あんたみたいな若い身空で山中温泉みたいな、周りは山ばかりで、川のせせらぎしか
聞こえん、静かな温泉、選ぶ訳ないわ。選択のイニシアチブは男、それも年配やな。」
「石川県には温泉、いっぱい在るの知ってる?片山津、山代、粟津、金澤の湯涌、能登の和倉、
と湯処やで、何で若い女が山中温泉なんや、不倫、不倫、問答無用、異議却下」
「・・・・・」迂闊な事は言えないものと、神妙な顔をしておりました。芭蕉ももしかして女人
同伴では、菊はたをらぬと、いかにも思わせぶりではありませんか。市振での遊女と一緒
だったかもしれません。勝手な思い込みとばかりではないかもです。
「 一つ家に 遊女も寝たり 萩と月 」 芭蕉
山中町は温泉でも有名ですが、漆器の町としても有名です。伝統的な木地漆器と
低廉価な合成樹脂、プラスチック素材の器です。しかし漆器は矢張り木地に何度も
漆を塗り重ねたものが一番です。大衆化、低価格と言っている間に、輪島塗に差を
附けられているようです。
ゴールデンウイークの中、漆器祭りが行われます。今日は朱椀を買い求めました。
菊の湯にでも入ってのんびりと。今日は誰と来たって・・
「 同行は 笠にたのんで 二人かな 」 正岡子規
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