|
ロックや歌謡曲のような音楽には基本的な楽曲の作りとして、
イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→終わり。
のような構成がある。
サビを真ん中に持ってこないで、最後にとっておけば、終わりで盛り上がるし、曲の冒頭に
持ってきてロケットスタートを切ってる曲もある。
で、セミの鳴き声を聞いてると、これに近い構成があるのがわかると思う。
アブラゼミやニイニイゼミのように鳴き方の変化が乏しい蝉では分かりづらいが、ツクツクホウシ
のように何パターンかの変化がある蝉の鳴き声をよく聞いてると、だんだん構成がわかってくる。
ちなみにツクツクホウシの場合。
ヂヂヂヂヂ・・・・・・ホオウシ、ツクツクツクホウシ、ツクツクツクホウシ、ツクツクツクホウ
シ、ツクツクツクホウシ、ツクツクツクホウシ、ツクツクツクフィッ、ツクツクツクフィーヨー
、ツクフィーヨー、フィヨー、フィヨー、フィヨー、ヂーーーーーーーー。
てな感じである。この、「ヂヂヂヂ」の部分ががイントロで、必ずイントロがある。
次に「・・・・・・」の部分はタメである。ここで十分溜めてから、吐き出すように「ホオウシ」
とつながる。
で、「ツクツクツクホウシ」のとこがAメロ。
Bメロらしきものはないけど「ツクツクフィーヨー」の部分をそう解釈することもできるかもしれ
ない。
そんでから、サビが「フィヨー、フィヨー」てなとこだろうか。
最後は「ヂーーーーーーー」でフィニッシュである。
最後の「ヂーーーーーーー」は、やらないと気が済まないらしく、どんなに周りのオスゼミから妨
害音を出されて構成に混乱をきたしても、最後は必ず「ヂーーーーーーー」である。
カマキリなどが忍び寄ってきて、間近に危機が迫っているのを察知してても、必死で「ヂーーー
ーーー」までたどり着こうとするのは、もう涙ぐましい限りである。
この場合、かなり無茶なはしょり方をするので、聴いててけっこう笑える。
で、このツクツクホウシと形は似てるがヒグラシの場合は、曲の構成と言えそうなものが見当たら
ない。
「カナカナカナカナ・・」
だけである。
正直、一匹だけで鳴いてるのを聴いててもつまらない。
ヒグラシの場合は山の中で一匹が鳴きはじめると、ほかのオスたちも妨害工作を図るべく一斉に鳴
きはじめる。山全体を覆うように鳴き声が伝播してゆき、サラウンド効果を生む。
これが気持ちいい。
ツクツクホウシが流しのピン芸人なら、ヒグラシはオーケストラのようだ。
夏の夕暮れ時、雑木林での最高の一時。
|