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アルボムッレ・スマナサーラ『般若心経は間違い?』(2007、宝島社新書)について、宮崎哲弥さんがこんなコメントをされていました。
“これは凄い本です。般若心経本ってやたら売れているんだけど、あれ、最後は呪文で終わる、いい加減なお経なんですよ。その矛盾点を上座部の立場から仮借なく剔出〈てきしゅつ〉した本です。私自身は上座部を批判して出てきた大乗中観派だから、すべてに同意しないけど、悪解された空思想が神秘主義に頽落〈たいらく〉する危険性の指摘や「唯識派は反仏教的実体論に陥っている」という批判は、まったく仰せの通り。日本の仏教界はものわかりがいいばかりですが、スマナサーラさんを倣って徹底的な宗論をやるべきでしょう。”(08年3月号『中央公論』p.134) では、このように宮崎さんが自信満々に主張なさる根拠となった、スマナサーラさんのご解説をまとめてみると―― 「五蘊皆空〈ごうんかいくう〉」は仏教の教えとして正しく、「色」(形のあるもの。肉体、物質)は「五蘊」のひとつなので「色即是空」とするまでは良いのだが、「空即是色」はそこから導かれた単なる言葉遊びであり、間違い。「リンゴは果物である」とは言えるが「果物はリンゴである」とは言えないのと同じことだ。 こうした誤認・無理解からスタートしているため、お釈迦さまの大切な教えである五蘊や六根、六境、六識、そして「苦・集・滅・道」の四聖諦までをも「無い」などと断じる、暴論中の暴論へと突き進んで行く。このように言葉や思考の暴走にブレーキがかからない状態だと、完全な虚無主義に陥るだけなのだ。 そして最終的には論理破綻の末、唐突に呪文など持ち出して、神秘主義へと飛び込んで行ってしまう。呪術や占いはお釈迦さまが禁じているのに……もう無残としか言いようがない。 ――まあ、大体こんな論旨と言えるだろうと思います(違ってたら本当にごめんなさい!)。それを前提に、私なりの反論を以下に述べさせて頂きます。 [【2】に続く] |
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