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《事実》の錨を。

宗教関連

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 先日作成した【般若心経は間違い?は間違い?】という記事の中で、「般若心経の『ぎゃーてー、ぎゃーてー……』がマントラだ呪文だお釈迦さまが禁じた呪術だというなら、『仏法僧』の三帰依文だってマントラでは?」との内容の般若心経擁護も試みたのですが、ちょっとまだ不用意だったのかも――と後になって不安がよぎり、もう少し調べてみることにしました。
 以下に、その結果のまとめを。


 先ず、いくつかの南アジア言語で「マントラ」(に該当する語)が持つ語義を調べたところ、

●ヒンディー語/賛歌;祭詞呪文;呪詞;ヴェーダ賛歌;神秘の句;助言;勧告(土井久弥編『ヒンディー語小辞典』1982、大学書林、p.238左)
●ネパール語/ヴェーダの讃歌の本集、サンヒター;真言;呪文;協議、相談、助言;内密の話、内輪だけの秘密の話(三枝礼子編著『ネパール語辞典』1997、大学書林、p.700左)
●ベンガル語/incantation;spell;charm;hymn or verse(『JOY ADVANCED POCKET DICTIONARY』1998、Joy Books International(Dhaka)、p.504左)
●パーリ語/呪、呪文、呪語、呪術、真言;経典、経文、聖典、聖言、ヴェーダ(水野弘元『パーリ語辞典』1968、春秋社、p.218右)
●シンハラ語/呪文、呪語、呪い、[魔除けの]護符、お守り(野口忠司『シンハラ語辞典』1997(第1刷1992)、大学書林、p.503)

となりました。
 「マントラ」と来たらもう完全オカルト、という感じだったのはシンハラ語のみ。スリランカやその周辺ではこうした語イメージが定着しているのかもわかりません。
 ですが、パーリ語にはやはりポジティブな語イメージが保持されてはいたみたい。スマナサーラさんがこれをご存知ないはずがないので、おそらく――まあ日本の仏教界をちょっとおちょくってみた、というだけだったのかも知れません、あの『般若心経は間違い?』(の前半)は。

 ちなみに、カルカッタで出版されたベンガル語辞典ではポジティブイメージな語義が先に並びます。また私の体験では、バングラデシュの日常会話で「マントラ」といえば、「(古語等なので)意味不明なコトバ」との語義でよく使われていました。
[【2】へ続く]

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2010/5/10(月) 午後 5:51 [ ujiin ]


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