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しかし、【05年小泉フィーバーの犯人さがし9】でも軽く触れましたが、小選挙区制の影響というのは本当に、強烈。小選挙区での獲得議席割合を、前回(09年)総選挙で自民党は73.0%から21.3%まで急減させ、民主党は17.3%から73.7%まで急増させましたが、しかし得票率で見れば、自民党は47.8%から38.7%まで減らし、36.4%から47.4%まで増やしただけです。先の対市民レミング視に倣い、投票者間では「自民→民主」という流動しか生じていなかったと仮定するなら、その流動を担ったのは全投票者のたった1割程度に過ぎません。両年とも投票率は7割程度でしたから、つまりは全有権者の内の、わずか7%程度。たったこれだけの流動が議席数上では5割程度もの流動へと増幅され得るのですから、日本がいくら「バランス感覚」に優れた有権者揃いだったとしても、議席数上での雪崩現象を喰い止めるのは殆んど不可能でしょう。
小選挙区制がある以上、もはや「議席状況を有権者意識のダイレクトな反映と見做す」という行為自体を放棄すべきなのではないでしょうか。さもないと、個々の市民から見た市民の全体像はますます怪物じみたものとなって行ってしまい、それでは不毛で不健全です。 もっとも、印刷・放送メディアでは、前回総選挙での民主党圧勝の主因を小選挙区制とする積極的な論調も、けっこう展開されました(例えば、TBSラジオ『デイキャッチ』出演の小西克哉さんや、09年11月号『情況』p.38での二木啓孝さんによる概説)。今後はこうした視点が本格的な主流となることを期待したいと思います。 [【11-4】へ続く] |
05年総選挙関連
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