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《事実》の錨を。

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 では、先の具体例の一般化を試みます。


 求職者がm人居るのに対し、求人社はn社あって、各社b人ぶんづつの採用枠を設けている、という状況を考えます。

 採用枠はn×b=nb人、ですから、ここでの求人倍率は「採用枠数÷求職者数」=nb/m、です。

 そしてここで、各求職者がa社づつに応募をした、とします。
 すると全体の応募はm×a=ma件、となり、各求人社が受け付けることとなる応募数の平均(期待値)は、「応募数÷求人社数」=ma/n人、となります。
 各求人社の採用枠はb人づつでしたから、各求人社は応募して来た人のうちb人は採用、残りの(ma/n)−b人は不採用、としなければなりません。
 これを「各求人社が不採用を発生させる率」という視点から捉えるなら、1−{b÷(ma/n)}=1−nb/ma。ここで先の求人倍率をrと置けば(r=nb/m)、この値は1−r/a、と書き換えられます。

 ところで、各求職者はa社づつに応募をしたのですから、a社に応募をして全てが不採用となる確率は、「各求人社が不採用を発生させる率」をa乗した値、すなわち(1−r/a)^a、となるでしょう。
 どの求職者でも事情は同じなため、けっきょく全求職者のうち応募先全てが不採用となる人の割合は、(1−r/a)^a。

 ここから、特に求人倍率が1の場合、各求職者が2社づつ応募すれば採用ゼロとなる人の割合は(1−1/2)^2=0.5^2=0.25、3社づつ応募すれば(1−1/3)^3=0.66…^3=0.2963、4社づつ応募すれば(1−1/4)^4=0.75^4=0.3164、……、10社づつ応募すれば(1−1/10)^10=0.9^10=0.3487、……と、次第に増加して行く様子が窺えます。
 つまり、「各求職者が努力して、より多くの求人社に応募をするようになればなるほど、全ての応募先で不採用となる人の割合は上がる」、ということです。
[【5】に続く]

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