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《事実》の錨を。

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 以前、中手聖一さんによる『「福島県の子ども」の病死者数について―政府・人口動態統計から分かった事故後の変化―』という情報への検証確認記事を書きましたが、――

http://blogs.yahoo.co.jp/nmiaitjhuaabghna/15551625.html

――先日ちょっと人口動態統計の概数を覗く機会ができましたので、最新データをまとめてみました(かなり煩雑な作業となったので、正確さにやや自信が持てません。もし間違いがございましたら何卒ご指摘下さい)。


◆0〜19歳の病死者数(2010年、2011年、2012年の3月〜7月)

    10年 11年 12年
全国  1764 1807 1666
北海道  72  67  76
福島県  32  31  29
東京都 155 166 137
大阪府  98 141 127


※データ元は、http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/OtherList.do?bid=000001041642&cycode=1
※病死者数は単純に、死亡総数から「傷病及び死亡の外因」数を引いた値とした。なお「傷病及び死亡の外因」数は以下の通り。

◆0〜19歳の「傷病及び死亡の外因」数(2010年、2011年、2012年の3月〜7月)

    10年 11年 12年
全国  701 1405 657
北海道  25  26  24
福島県  16 135  15
東京都  44  42  42
大阪府  42  43  45


 ――つまり今年も放射能の影響なし、という結論で、良いんだと思います。

大阪飛灰37Bq/kgをめぐる ケータイ投稿記事

 大阪市での試験焼却結果。通常ごみに宮古地区の災害廃棄物を20%混ぜて燃やしたら、飛灰のセシウム合計値は38Bq/kgになった。けれども混ぜずに、通常ごみだけで燃やしても、その値は37Bq/kgだった。
http://www.pref.osaka.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/maishima_shiken.html

 大阪駅で、「がれき反対」の無許可デモをやって逮捕された人が居たけれど、その人は「汚染がれき」を受け入れたらウォーキングをする楽しみも奪われると言ってた。
http://togetter.com/li/420091
http://twtr.jp/user/mojimoji_x/status/168479078263963648
 こんな理由で逮捕なんて私も支持できない。でももし、この人の危機意識を正しいとするなら、「がれき反対」なんて訴えてる場合だったのだろうか?

 似たような構図は、これまでも、何度か目にして来た。
http://blogs.yahoo.co.jp/nmiaitjhuaabghna/15402737.html
 「被災地」での「封じ込め」を声高に叫ぶけれど、本当はその「被災地」という言葉の中に、いつまでも危険や不安や恐怖は「封じ込め」ておけるという幻想を、ただ続けたいだけなのかもしれない。
 だって、そうでないなら、なぜ自分の足元の汚染状況からだけはそんなに目を逸らすの?

 あるいは、過去の「日常」からの連続性こそが、社会での居場所を約束する何か大切な資格であるかのような幻想。でもそれは、自分自身が、いっときでも「非日常」にさらされた人や地域からその資格を、心のどこかで勝手に否定してしまった時から膨らんでいない?
 お偉いさんがたにとってのこの幻想を、さらに虫がよくして行くための変革なんて私はまっぴらだけれど、でもそれに対抗するはずの勢力は貧困問題から、いったい何を学んだのだろう。
http://utsunomiyakenji.com/policy/
http://www.taro.org/2012/02/post-1159.php
http://apital.asahi.com/article/fukushima/2012120700012.html
●“子の甲状腺に嚢胞/東京と福島同程度/「放射線影響 考えにくい」”(2012年12月1日付『朝日新聞』朝刊、社会面)
“福島県内で行われている子どもの甲状腺検査で、嚢胞〈のうほう〉(液体入りの袋状のもの)が多く見つかったことに関連し、東京の病院で約3千人に行った検査でも、同程度に嚢胞が見つかった。伊藤病院(東京)の岩久建志医師らが30日、日本甲状腺学会で発表した。専門家は「原発事故前のデータも含めて比較されており、福島の子どもの嚢胞は放射線の影響とは考えにくい」と話している。/発表によると、2003年から今年8月まで、同病院で甲状腺の超音波検査を受けた15歳以下の子ども2753人の結果を集計した。/この結果、36%の子に嚢胞が見つかった。複数回検査できた189人の42%は嚢胞が小さくなったり消えるなど改善し、14%は大きくなるなどし、残り44%は不変だった。経過観察中にがんなど悪性の病気になる子どもはいなかった。/旧ソ連チェルノブイリ原発事故後に子どもの甲状腺がんが増えた教訓から、福島県は18歳以下の子どもに甲状腺検査をしている。昨年度実施分の35%で、今年度は42%で嚢胞が見つかっていた。これまで、他地域と比較できるデータがないため、福島第一原発事故による影響か心配する声もあがっていた。/長瀧重信・長崎大学名誉教授(甲状腺学)は「今回の発表は福島の検査と同等の装置を使い、原発事故前からのデータも含めて調べたものだ。福島の子どもの嚢胞も、放射線の影響は考えられない」と話す。/(編集委員・浅井文和)”


ご参考:

『神戸での小児甲状腺コントロール調査について』(kazooooyaさん[2012/11/26 22:51])
http://togetter.com/li/413554

『「神奈川で子供の甲状腺の40%にしこり」って?』(parasite2006さん[2012/9/8 05:32])
http://togetter.com/li/369408

『甲状腺がん 有病率 発生率(罹患率) 等について』(uchida_kawasakiさん[2012/9/12 23:41])
http://togetter.com/li/372093

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 ただ、現在住んでいる地域にずっと住み続けたいか尋ねる質問には、市内データをまとめると「住みたい」46.9%、「できれば住みたい」30.7%、「できれば移りたい」16.6%、「移りたい」5.7%となっており(N=2644)、先の「できれば避難したい」と「いまも思っている」3割の内の濃淡は、ここにその反映が感じられもします。
 また、福島市内で放射線が比較的低い地域に行政等が住宅を整備した場合、市内データをまとめるとそこに「住みたい」25.6%、「住みたくない」32.0%、「どちらともいえない」42.4%で(N=2634)、市外データは各20.6%、43.8%、35.6%となっており(N=281)、有意に差は見られ(p=0.0003)、市内でのほうが「住みたくない」は低く(p=0.0001)、「どちらとも〜」は高い(p=0.0276)水準の割合にはあるものの、実は「住みたい」については市内外で同程度でした(p=0.0671)。「出る/残る」といった側面ばかりが着目されがちな気がしますが、この質問を受けた市外避難者の2割もの人々が「住みたい」。これは非常に重い、大きな数字ではないでしょうか。


 ――避難をした人々の側のほうがより不安が強く、しかもより避難への思いも強いという現状では、避難者にとって過酷であるのはもちろん、まだ避難をしておらず避難を望む人々にとっても、避難への心的ハードルを余計に高めてしまっていると思います。
 避難を積極的に肯定する視点の言説の多くが、非常に高い放射能リスク評価を掲げて来たことに、やはり再考が促されているよう感じられてなりません。
 もっとも他の『報告書』データには、地域でのコミュニケーション環境体感がより強く好転したのはむしろ避難者であると確認できる箇所もあります。避難がネガティブな印象で塗り固められたような視点の言説にもまた、軌道修正が要されるでしょう。また裾野まで含めた避難を望む層がここまで厚ければ、「殆んど誰もが本当は避難したがっている」とイメージした言説が後を絶たないのも無理からぬこと……
 本当に、色々考えさせられる『報告書』なんです。

 なお、これはあくまで福島市での調査結果です。ここも頭の中で、再度強調しておいたほうが良い点かも知れません。
 これが家族に対する影響となると、市内も市外もより不安の度を深めた結果となっている(それは誰だってそうですよね、やっぱり…)のですが、外部被曝データでも内部被曝データでも「大いに〜」の割合は市内でのほうが市外に比べれば低い水準にある(残り3項目が高い水準となる)ため、先の「放射能には非常に多くの人が不安を感じているが、その不安の度合いは市外のほうが市内より強い」傾向はこちらでも保持されています。
(具体的には、外部被曝の市内データをまとめれば各59.6%、29.2%、8.4%、2.8%(N=2617)、それに対し市外データは各82.0%、13.7%、3.9%、0.4%であり(N=284)、有意差あり(p=0.0000)、各残差p=0.0000、0.0000、0.0070、0.0142。また内部被曝の市内データをまとめれば各63.1%、27.2%、7.2%、2.5%(N=2613)、それに対し市外データは各85.2%、12.0%、2.8%、0.0%であり(N=284)、有意差あり(p=0.0000)、各残差p=0.0000、0.0000、0.0053、0.0072)

 この傾向を最も強く私が感じたのは、「できれば避難したい」と思ったことがあるか尋ねる質問への回答結果でした(質問文が“思ったことがありますか”となっているので、ごく稀に脳裏をよぎるようなケースも「ある」とカウントされ得る点には注意が必要です)。市内データをまとめると「いまも思っている」30.0%、「以前はそう思ったが、いまは思っていない」31.9%、「思ったことはない」38.1%ですが(N=2640)、それに対し市外データでは各78.7%、17.4%、3.9%(N=230)。当然有意に差は見られ(p=0.0000)、市内でのほうが「いまも〜」の割合は低く、「以前は〜」と「思ったことはない」の割合は高い水準にあります(全てp=0.0000)。
(ちなみに市外データの観測値は各181、40、9。かたや各居住地域における市外避難者回答数(N=289)は福島県内14、(福島県以外の)東北地方119、関東地方75などとなっている点も、この市外における放射能リスク評価の高さを推し量る手掛かりとなるでしょう)
[【3】へ続く]

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