らんどくなんでもかんでも 8

皆様、8年間本当にありがとうございました。

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今年の大河ドラマは「平清盛」で、
平家の栄枯盛衰を描いた平家物語そのものずばりの内容なのですが、
残念ながら視聴率は悪いようです。
自分は、いいドラマだと思うんですけれども。

でも、あまり視聴率に気にしないで、
俺は、平家のこうところを書きたいというような強い意欲で、
制作者サイドは頑張って欲しいものです。
多数に迎合した作品は、いいとこ取りをしているつもりで、
その実、内容は虚ろでスカスカ。ということがよくありますから。


さて、小泉八雲の「耳無芳一の話」、
改めて読んでみると、
不思議に、知らず知らず、物語の音というものに意識が向いてしまいます。

芳一を連れて行く鎧武者の甲冑がこすれる音、
連れて行った先の、女達のひそひそ声。
芳一がかき鳴らす琵琶の弦の音と、
しんと静まり返って聴き入る周囲の静寂さ。
歌い終わった後のさめざめと泣く貴人達の泣き声。

物語の描写が終始、盲人の芳一の視点で描かれているからでしょうか。
自然と、そのような音に引き寄せられ読んでいる自分に気づきます。

それが、今度は目の見える下男の視点に映ると、
ひっそりとした真っ暗闇の墓地で、
無数の鬼火に囲まれながら、
盛んに琵琶を弾じている芳一の姿が浮かび上がります。

芳一の視点の描写では、静かで哀しげな琵琶の音が、
一転、おどろおどろしく無気味で、かつ激しい印象に変わるのは、
読者の視点の変化の為せる業なのかもしれません。

そしてラストでは、再び物語が芳一視点に戻り、
全身くまなくお経を書かれた芳一が、
部屋を探し回る亡者の鎧武者に見つからぬよう、
息をひそめて気配を消している描写。

浅く静かに吐き出される息、
抑えようとしても高まる胸の鼓動、
首筋にうっすらと薄く流れる汗。
といったものが彷彿とされ、
読む者も、芳一の隣で、息をひそめているような緊張感のようなものに、とらわれます。

そして、結末は、皆さんご存知の通り。

ただこの一連の話が評判を呼び、
後に、芳一が金持ちになったというくだりは知りませんでした。

まあ平家の亡霊絶賛の平家琵琶ですから、
そりゃ、世の人々は一度は聴いてみたいと思うでしょうね(^_^;)

なお、原作は英語で書かれており、
今回読んだ作品は、それを翻訳したものです。
翻訳としては物語の緊張感を損なわず、
非常に優れたものに思います。

ただ小泉八雲自身が、英語でどのように表現しているか
ぜひ見てみたい気がしますね。


なお「耳無芳一の話」及び平家物語に関連したおまけ話を、
近々、ちょこっと書こうかなと思っています。
 
 
 
 
 

閉じる コメント(26)

マシマさん、
平家の面々はほとんどが平〇盛という名前ですので、混乱するのも仕方ありません(^_^;)
毎回ドラマの最初に簡単な関係のようなもののをするべきかもしれません。

小泉八雲「怪談」、もとは英語で書かれたものなので、
日本語で読むものは翻訳ということになりますが、
翻訳は翻訳者の文学的センスみたいなものに、
作品が左右されてしまうことがあるので、難しいですね。

でも自分が青空文庫で読んだものは、なかなかいいですよ(^^)

2012/9/15(土) 午後 4:02 [ もたんもぞ ]

ko-todoさん、
小泉八雲がそんなことをおっしゃってましたか(^^)
しかし大量と効率に価値を置く世界というのは、日本に限らず、そのような傾向にあるといえるのかもしれません。

ただまだまだ日本も捨てたもんじゃないとも思います。

かくいうこのブログも、その一兵卒として、そういうものを伝えるため、頑張るつもりです。
心にさえ残っていれば、それはまだ発芽していない種のようなものであり、
時が来れば、いつでも芽を出すことができますよ。

2012/9/15(土) 午後 4:15 [ もたんもぞ ]

はやぶささん、
図書館にはあるみたいですね(^^)
横浜の図書館では英語の原文がCDに入っているものもあるので、
それでも借りて、子守唄代わりに、寝ながら聴いてみようかなと思います。

平家物語の辺りは、華のある人物がたくさんいるため、
焦点を絞らないと確かにじっくり見れないところありますよね(^^;)

まあ、今回の「平清盛」はうまくまとめている方だとは思うのですが…


ご指摘の源氏の血なまぐさについては、
「耳無芳一の話」のおまく記事で、少し書くつもりです。

2012/9/15(土) 午後 4:34 [ もたんもぞ ]

凛さん、
自分が記事で取り上げているような作品については、
よく新聞の日曜版で「名優が読む名作」のようなCDの広告をよく見ます。
もちろん、全文というわけにはいかず、名場面のさわりだけですが、
その作品の興味の喚起にはなるかもしれません(^^)

小泉八雲「怪談」については、最近、英語の原文がCDに入ったものが出たようですので、
場合によっては買おうかなと思っています。
たまには耳で聞く読書というのも、いいものです(^^)

2012/9/15(土) 午後 4:55 [ もたんもぞ ]

この話怖かったです
耳を持っていくなんて・・・・
全身経文もですけど
平家の怨念はここまでとは

2012/9/15(土) 午後 6:46 [ ぼたん♪ ]

ぼたんさんのリアクションは、きわめてノーマルで、かわいらしいリアクションですね(^^)

思わず、もっといろいろと話したくなってしまいます(^_^;)


おまけ記事では、ぼたんさんと違うリアクションの人間と関わったお話と、平家の怨念について、ちょっと書いてみようと思います(^^)

2012/9/15(土) 午後 7:01 [ もたんもぞ ]

こんばんは(゚▽゚)/
もぞさん。
子供の頃は怪談として読んだのですが〜読み直してみると平家の亡霊達に哀れを感じます。
琵琶の音色って良いですよね。この物語には琵琶がピッタリですね。少し怖いような音色。。哀しくも切なく響きますね。
そう言えば〜平敦盛は笛の名手です。「青葉」でしたね。。敦盛も悲しい最後を遂げた人です。。物語は、ついつい哀れな人達に心が行ってしまいます。。今の大河は「平清盛」ですね。
私も好きで見てます。。
平家滅亡までを描くのでしょうか。。余り悲しい終わり方でない方が良いな。

2012/9/15(土) 午後 9:53 [ ゆきまる ]

ゆきまるさん、おはよう。
琵琶の音は独特の哀切感がありますね。
津軽三味線もそうですけど。
琵琶は平家物語の色調によく合っているような気がします。

「平清盛」は宋(中国)との交易を盛んにすることで、国を富まそうとする清盛の姿が描かれています。
それは主に瀬戸内海の海上路を予定していたものだったのですが、
瀬戸内海の出口の、まさに外海に出ようとする壇ノ浦で、平家一族が滅亡するのは、
実に悲劇的で象徴的です。
おそらくラストは、清盛が夢見た瀬戸内海の海と、
一族が滅亡して、その夢が完全に潰えた瀬戸内海が重なるような形で、
ストーリーが作られるのではないかと思っています。

2012/9/16(日) 午前 8:54 [ もたんもぞ ]

風の便りさん、
経済というのは物々交換では限界があり、
貨幣経済というものに清盛は着目していたようで、
当時宋銭を大量に輸入していたようです。
お金を輸入していたというのは、ちょっと変な感じがしますが、
今の感覚でいえば、信用のあるドルを国内で流通させるようなものかもしれません。
あまりに大量に輸入したので、古銭ショップで宋銭は意外に安く、
安いものなら数百円で買えるようです。

キャラが汚いというのは、結構いつも問題になりますね(^_^;)
「龍馬伝」の岩崎弥太郎もそう言われていたような…

自分はあまり気にならないんですが(^^;)
いつも不潔にしているわけじゃないんですけどもね(^_^;)

2012/9/16(日) 午後 3:39 [ もたんもぞ ]

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子どもの頃、『日本昔ばなし』で読んだのが懐かしいです。耳無し芳一の話も鮮明に覚えています。あの絵本の絵もおどろおどろしくて合っていたような…。英文も面白そうですね。

2012/9/16(日) 午後 3:54 大三元

自分もストーリーは子供の頃から知っていたんですが、
文学作品として改めて読むと、
なかなか素晴らしい作品に感じ、記事にしてみました。
大三元さんほどいろいろ読んでる方なら、
直接原典の英語版に当たった方がよいかもしれません。
検索しましたら、英語版を吹き込んだCD付きのものがあるようなので、
英語読むのは面倒くさいので、それでも聴こうかなと思っています(^_^;)

2012/9/16(日) 午後 5:36 [ もたんもぞ ]

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芳一が、お金持ちになったのは、知りませんでした!というか、わすれてた?(20年以上まえに、読んだ?)
小泉八雲の怪談、夫を待っていた幽霊のはなし(◯◯の釜?イソラという女性が主人公だった)が、おそろしかった記憶があります。

2012/9/16(日) 午後 7:32 Dango

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改めまして、こんばんは。拙ブログのゲスブに書き込み有難うございました。
こちらこそ無断でトラバを貼らせて頂き、恐縮です。
私が最も大好きな映画の一つが『怪談』です。
いつ見ても遜色ない出来映えだと思っています♪♪
こちらこそ、ファン登録して頂き、どうも有難うございます(^_^)/。これからもヨロシクお願い申し上げます…♪♪

2012/9/17(月) 午前 2:03 Rev.Ren'oh

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今年の大河ドラマ「平清盛」は私は興味深く見ております。
耳なし芳一、のお話も怖くてそれでも最後まで読んでしまう魅力がありました。
トップになりあがるのも早かったですが、アッと言う間に西海に消えた平家一族。
大河も、平家物語を語る琵琶法師もなんとなく物悲しいことではありますね。

2012/9/17(月) 午前 8:53 花子

Dangoさん、
お尋ねの作品は「怪談」の中の「黒髪」かな。
立身出世のため妻を見捨てた夫が、結局イヤになって妻の元に戻ってきて、
妻と一夜を共にするが、朝起きてみると、横に寝ていたのは黒髪をたたえた白骨死体だった…
という話ですが。

耳無し芳一のラスト、如何にも西洋人らしい?オチのつけ方のような気もしますね(^^;)
自分は今回読んで初めて知りました。

2012/9/17(月) 午後 3:11 [ もたんもぞ ]

風の便りさん、
やっぱり女性にとって清潔感というのは、大きなポイントなんですね(^_^;)
藤原摂関家の面々は、貴族ですから、
清潔に雅にしないといけないでしょうが、
それとの区別もつけなければならないし、
かといって荒くれ坂東武者の源氏とも区別しなければならず、
なかなか類別するのが難しいのかも(^^;)

でも出家したら、さすがに清潔感は出ると思いますよ。

2012/9/17(月) 午後 3:20 [ もたんもぞ ]

Rev.Ren'ohさん、
「耳無し芳一」の記事の補筆をしていただき、どうもありがとうございます。

Rev.Ren'ohさんの親鸞の記事、また読ませて勉強させていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします(^^)

2012/9/17(月) 午後 3:26 [ もたんもぞ ]

花子さん、
清盛が平治の乱で実権を握り、熱病で死去するまでが20年。
それから壇ノ浦で平家が滅亡するまでが5年。

いわば平成元年に平家がトップになり、
今年来年滅びたという時間的感覚です。

あっという間です。
まさに花の露のごとし。

その辺り追加記事を書くつもりですので、
また読んでみてください(^^)

2012/9/17(月) 午後 3:33 [ もたんもぞ ]

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こんにちは〜♪
寝ないでじゃなく寝ながら考えても、
大した内容にはならなかったのですが・・・
今回は、今までの 源氏よりのドラマの対極にあり、新鮮な気持ちで見ています。
ずっと敵役だった清盛が、広い視野を持った魅力的な人物に描かれていますしね。
そしてそのような人物が誕生したことが、平氏の悲劇の始まりだったのかも。
「耳なし芳一」の二つの視点、なるほどです。
ずいぶん昔に読んだきりなので、気づきませんでした。
そして、お金持ちになると言うハッピーエンドも、初耳。
・・・ひょとして、わざと書かない本があったのかも?

2012/9/17(月) 午後 3:53 [ 白玉 ]

白玉さん、
そんな(^_^;)お気軽に書いていただければいいんですよ。

確かに物の見方というものは、いろいろな面から見ると立体的に浮かび上がってくるものがあります。
源氏だけでなく平家の視点。或いは藤原氏の視点。
そういった意味で、今回の「平清盛」はなかなか良いのではないかと。


「耳無し芳一」のラストの件、
確かに最後の部分、省略しているものがあったと思います。
少なくとも自分が小学生の時聞いた話では、それはありませんでした(^^;)

2012/9/17(月) 午後 4:21 [ もたんもぞ ]

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