らんどくなんでもかんでも 8

皆様、8年間本当にありがとうございました。

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素晴らしかった新北斎展も終了しました。

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大変盛況だったようで、作品の入れ替えもあり、
もう一度くらい見に行きたかったのですが、
残念ながらそれは叶いませんでした(-_-;)


その余韻を味わうというわけではありませんが、
この前の休日、こちらのアニメーション映画を見ました。


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百日紅(さるすべり)〜Miss HOKUSAI〜
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E7%99%BE%E6%97%A5%E7%B4%85%EF%BD%9EMiss+HOKUSAI%EF%BD%9E/351542/


葛飾北斎の娘お栄を主人公とした物語です。

彼女の雅号は応為(おうい)と言います。
なんでも北斎がお栄を呼ぶときに、おーいと呼んでいたので、
それをそのまま雅号にしたという話もあります(^_^;)

応為も相当な画力を持った人で、
ほんのわずかではありますが作品が残っています。


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「夜桜美人図」




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「関羽割臂図」



北斎ほどの大胆不敵な豪快さというようなものは感じませんが、
父譲りの思い切りの良さと作品の華を感じますし、
非常に細緻で、作品から北斎にはない、彼女独特のインスピレーションを感じさせます。

なんでも、北斎曰く、美人画は応為に及ばないと言ったそうです。

このように、父北斎もひとかどの絵描きと認める応為ですが、
この映画の中の彼女は、いいものを内に持ちながら、
今ひとつ自分の殻を突き破れない、恋に悩み、仕事に悩む、
まさに現代のアラサー、アラフォーの女性そのもののキャラクターに描かれています。
というか、応為の人物像を現代の女性に重ね合わせている感すらあります。

彼女のキャラクターデザインも極めて現代的で、小顔につぶらな大きな瞳。
こういう顔立ちって、正直和装にしっくり来ないんですよね。


では実際の応為はどんな人だったでしょうか。
絵から見る限りでは北斎譲りの大胆さと繊細さ、
そして一瞬の見切りの力を持った人だったと感じます。

それに対し、この映画の応為のキャラクターデザインは、
現代の生きがいを見つけ切れないアラサー、アラフォーの女性達に、
ちょっとおもねり過ぎではないかなと思いました。

このように映画の彼女はきわめて現代人的で、
実際の彼女の絵から垣間見えるような繊細さ、鋭さ、豊かさというものはあまり見られず、
現代人的な弱々しさだけが印象に残ります。

そして最後、盲目の幼い妹の死をきっかけに描いた1枚の絵、
今までとは違う何か吹っ切れた新しいものを彼女が見出したのを暗示して、
映画は終わるという感じですが、
まさに現代ドラマのステレオタイプといいますか、
ややそのシナリオは陳腐に感じざるを得ませんでした。

しかしながら、それだけに、弱々しい常識人の応為に対する
父北斎の奇才ぶり破天荒ぶりが却って際立って見えました。
そう言う意味では、この作品は応為ではなく、
北斎そのものを見るべき作品なのだと感じます。

何気ない江戸の風景から、ぱっと風景が一枚の絵のようなものに切り替わる。
まさしく、それは北斎の作品そのものをモチーフとしたものなのですが、


凡人からは流れる水のようにとめどなく際限ないように間段なく見えるものも、
北斎の炯眼にかかると、
水の流れが最も溌剌とした生き生きとしたものとして切り取られる。
そんな感じです。



また冒頭で、北斎が龍を描く場面の描写。

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絵を描くとは、何かが見えない世界から生命が降りてくる、
それをねじ伏せ、まるごと写し取り、封じ込めるという所業。

まさに新北斎展で自分が感じたのもそれでした。



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常識的で悶々と世事に悩む応為に対し、
そんなことには無頓着で、貪欲な好奇心、そして眼光紙背に徹すといいましょうか、
物事の内なるものへの繊細なまでの畏れと心のやり様。
強烈な感性、筆を動かし始める北斎の姿に思わず圧倒されます。


でも、実際の北斎と応為は、似た者同士で、
こいつ自分に似てるなとそれぞれに思っていて、気が合っていたと思います。


イメージ 5

映画でもこんな感じの北斎と応為が描かれています。


二人の作品を見ていますと、
感性と感性がぶつかり合うというよりは、
それぞれがそれぞれに相和すという印象を受けるんです。


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「菊図」

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「唐獅子図」

どちらも北斎と応為の合作です。
どちらがどの部分を描いたと思いますか。



予告編 https://youtu.be/Hg0dJUvFgAg








閉じる コメント(9)

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原作漫画はもう少しシュールで、味がありました。
ちょっとアニメは、優しい作りになっていた感じでした。
TBお願い致します。

2019/3/29(金) 午後 9:06 atts1964

> atts1964さん
そうそう原作読んでみたいですよね。
映画は正直言いますと、
応為の生き方に、現代人の女性達に、
なるべく多く共感を得たいという意図、作為みたいなものが垣間見えてしまって、
自分的にはそれほど魅力的な女性には映らなかった。
でも彼女を普通の人間として描くことで、
北斎の凄さというものがくっきり浮かび上がったのではないかとも感じます。

2019/3/29(金) 午後 9:13 [ もたんもぞ ]

> atts1964さん
トラックバックのやり方遂に覚えないまま、
ヤフーブログ終了してしまいますね。
すいません(-_-;)
はてなブログのことちょこちょこ調べて記事に書きますんで、
また読んでください。

2019/3/29(金) 午後 9:16 [ もたんもぞ ]

>彼女のキャラクターデザインも極めて現代的で、小顔につぶらな大きな瞳。こういう顔立ちって、正直和装にしっくり来ないんですよね。

現代の(時代劇)アニメだと登場人物が現代風の美人やイケメンに設定されていますよね(笑)北斎の娘については知りませんでしたが、画力は凄いです(*^^)v
唐獅子では彼女は花を描いたのでしょうかね

2019/3/30(土) 午後 3:28 [ ぼたん♪ ]

> ぼたん♪さん
そうですね。十二単の平安美人が小顔でお目目ぱっちりというのも珍しくないです(^_^;)
別にそれは悪いことではないのですが、
なんとなく違和感を感じてしまうこともあるのは事実です。
ご指摘の通り唐獅子は北斎が描き、まわりの花は応為が描いたものです。

2019/3/30(土) 午後 6:10 [ もたんもぞ ]

やはり彼女がお花を描きましたか(*^▽^*)
とある時代劇アニメの主人公も室町時代にいなかったようなイケメンにされていて驚きました(*ノωノ)違和感より興味が勝る人もいるでしょうね(笑)

2019/4/1(月) 午後 3:23 [ ぼたん♪ ]

> ぼたん♪さん
よくわかりましたね(^^)
いい感性していらっしゃいます。
菊図のように同じものを描くと個性というか、両者の画質の違いがわかりますよね。
面白いです。

2019/4/1(月) 午後 9:32 [ もたんもぞ ]

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すごい。
そういう線でいったらいいブログになりそうです。

2019/4/1(月) 午後 10:38 [ Kawakatu ]

> Kawakatuさん
そう言っていただける記事をこれからも書いていきたいです。
ありがとうございます。

2019/4/2(火) 午前 8:32 [ もたんもぞ ]

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