らんどくなんでもかんでも 8

皆様、8年間本当にありがとうございました。

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まだランスが小さい頃のお話です。

休日いつもはのんびりしているもぞさんが、
忙しそうにカバンに荷物を詰めています。

ランスはその様子を、きょとんとしながら見ていましたが、
もぞさんは「さあ、ランス行くよ。」と、抱き上げると、
そのままリュックに入れて、どこかに出かけて行きました。


背中のリュックに揺られ、ランスは考えました。

これからどこに行くんだろう?

わくわく半分、そわそわ半分、ランスには見当もつきませんでした。


しばらくして、もぞさんは、ある建物の中に入って行きました。
リュックの中から聞き耳を立てると、受付の人と何か話をしている声がします。

「それではランスをお願いします。」

バタンと建物の扉が閉じられると、もぞさんの声はしなくなりました。

ほどなくしてリュックのチャックが開けられると、
お姉さんの顔が見えました。


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「ランスちゃん、このゲージに入ってね。」
ランスがゲージに入ると、ガチャンと鍵がかけられ、その部屋からお姉さんは出て行きました。


ゲージの周りはしーんと静かになりました。

ランスは一人しょんぼり考えました。

僕は捨てられちゃったんだろうか・・・

ランスは何度もニャニャ、ニャニャとため息をつきました。


するとどこからかランスを呼びかける声がします。
最初ぼーっとしていて、返事をしませんでしたが、
次第に呼びかける声は大きくなります。

「オイ!オイってば!」

それは向かいのゲージに入れられていたビーグル犬でした。

「僕を呼んでいるの?」

「そうだよ!お前、何しょぼくれてるの。飼い主に捨てられたと思ってんの?」

ランスは黙っていました。

「心配することねーよ。ここはペットのホテルなんだ。
飼い主に用事があるときに預けられるとこなんだ。1日2日で迎えに来てくれんよ。」

「えっ、それ、本当!?」

「本当だよ。俺はウソは言わねえよ。」

「じゃあ、よかった。。」

ランスはちょっとホッとしました。


向かいのゲージのビーグルは話を続けました。

「俺、ワン吉。よろしくな。」

「ワン吉くん、僕ランス。よろしくね。」


ワン吉は嬉々としておしゃべりを続けました。

「ところでさ、ランス、お前、腹減ってない?」

「うん、安心したらちょっとお腹が空いた。」

「じゃあ、ご飯をもらいに行くか。」

「もらいに行くって。。どうすればいいの?」

「お前、ご飯のもらい方も知らねえの?
全くしょうがねえなあ。じゃあ、俺のやり方を見てろよ。」

ワン吉はすっと息を吸うと、けたたましく鳴き始めました。

ワワワワワンワンワンワン!!


するとドアの向こうから、お姉さんがやって来ました。

「まあ、ワン吉くん、どうしたの?お腹が空いたの?じゃあご飯あげるからね。」

お姉さんはご飯を持ってきて、
ワン吉はガツガツと食べ始めました。

「なっ、こうやるんだ。簡単だろ。
お前もやってみろよ。」

「でも僕、やったことないんだ。
ご飯は何もしなくても、もぞさんがが持ってきてくれたんだ。」

「バカヤロー!そんなことじゃ、たくましく生きられないぞ。
いいから俺がやった通りにやってみろ。」

「う、うん、わかった。」

ランスは仕方なく、小さな声で鳴いてみました。

「にゃわん。」

「バカヤロー! そんな声じゃ誰も気づいてくれないぞ。
もっと腹から声を出すんだ!!」

「ニャ、ニャワーン!」

「そうだ、その調子だ。もうひと息だ。」

「ニャニャ、ニャワワーン!!」


するとドアの向こうからお姉さんが現れました。

「まー、ランスくんもお腹空いたの?じゃあご飯あげるから。」

ランスのところにご飯を持ってきてくれました。

おいしい、おいしい。
ランスはパクパク食べました。

「なっ、俺の言った通りだろ。」

ワン吉は舌をペロッと舐め上げました。

お腹も一杯になり、ホッとしたランスは、その日はそのまま丸くなって寝てしまいました。



どれくらい眠ったことでしょう。
ランスが目を開けるとまだ夜明け前です。

ああ、ここは家じゃなかったんだ。。
そこはゲージのプラスチックのひんやりとした床でした。

ランスは考えました。

ワン吉くんはああ言ってたけど、
もぞさんは本当に迎えに来てくれるんだろうか・・・

ランスは少し不安になりました。
そして、家のふかふかのソファーで寝ていた時のことを思い出しました。


そうしているうちに次第に窓の外は白々と明るくなってきました。

するとワン吉がパチリと目を覚ましました。

「ランス、もう起きてんのか?」

「うん、起きてる。」

「腹減ってるか?」

「うん。」

「じゃあ、朝ごはんの催促一緒にやってみるか。せぇーの!」


ワワワワワンワンワン!!

ニャニャニャニャ、ニャワワーン!!


すると、お姉さんがドアの向こうからやって来ました。

「まあ、ワン吉君、ランス君、おはよう。朝から元気ね。
今ご飯持ってくるから待っててね。」

二人は山盛りの朝ご飯をガツガツ食べました。
ランスはお腹一杯になって、しばらくうとうとしてしました。



しばらくしてお昼過ぎくらいになった頃でしょうか、
外で声がするのが聞こえます。

「すみません。もぞですが、ランスを引き取りに来ました。」
「わかりました。ランスくん、朝からすごい山盛りご飯全部食べたんですよ。」
「へえー、そうなんですか。」

もぞさんとお姉さんのやり取りが聞こえます。

あっ、もぞさんが迎えに来てくれたんだ!!

ランスはそれに気付くと、いてもたってもいられなくなり、
ゲージの扉をガリガリし始めました。

するとほどなくお姉さんが現れ、

「ランスくん、お迎えが来たわよ。」と、ゲージの鍵を開けてくれました。

ランスは嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

「ワン吉くん!
ワン吉くんの言った通りだったよ。いろいろありがとう。
じゃあ、ぼく帰るね。」

ワン吉は眠っていた片目をぱちりと開け、
ランスの方を見て、舌をペロンとさせて言いました。

「じゃあな、上手くやれよ。」

ランスは、もぞさんのリュックに詰められ、家へと帰って行きました。
行きの時の気持ちとはまるで違います。
家に帰れるというワクワクとした気持ちでランスの心はいっぱいでした。


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それからというもの、もぞさん宅では、
明け方、眠りから覚めて朝ごはんをねだるランスの鳴き声が、
毎日のように聞かれるようになりました。


ニャニャニャニャニャワワーン!!

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おわり




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ワン吉




この物語は、自分が法事で一泊二日で帰省した際に、
ランスをペットホテルに預けた時、その様子を想像して創作したものです。






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ヤフーブログの皆さん、ランスをかわいがってくれて、
本当にありがとうございました。
新しいブログでも二人の物語を綴っていきたいと思います。







閉じる コメント(8)

離れているときの猫はどんな気持ちでいるのか、想像してしまいますね。

うちの猫は医者につれていくだけで、大騒ぎで、ランス君のようにいい子だといいのですが、それでも、癒されてしまいます。

新しいブログに移っても、伺いたいと思います。

2019/7/3(水) 午後 11:57 [ マシマ ]

> マシマさん
自分がランスをペットホテルに引き取りに行ったら、
ドアの向こうからけたたましい犬の鳴き声がしたこと(でも不快な鳴き声ではありませんでした)、
部屋から出てきた時のランスの表情、
帰ってからの餌をねだるヘンテコな鳴き声。
それらを合わせて物語をつないでみました。

記事はあと少しで終了しますが、
8月末コメントが書ける最終日までは
皆さんへの訪問に充てたいと思っています。
その時ご挨拶を改めて。

2019/7/4(木) 午前 2:24 [ もたんもぞ ]

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あのう、一つ疑問が!
ごはんはいいとして、お散歩やトイレはどうなっているのでしょう?
すみません。メルヘンに現実をだぶらせて・・

私も8月末までに何とか引っ越し先のブログを開設して、
いえ、してもらって、引っ越そうと思っています。

2019/7/4(木) 午前 8:21 花子

> 花子さん
その疑問をごもっともです。
犬は1日に一回散歩に連れて行ってくれるそうですが?
猫に散歩というものはありません。
ゲージの中にトイレが設置してあって
そこで用を足す。
ですから何日も預けたままだと、猫のストレスが溜まってしまって、
あまりお勧めできませんね。
ランスは一泊二日でしたのでこんな感じです。

2019/7/4(木) 午前 8:25 [ もたんもぞ ]

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ランス君、初めてのお泊りは緊張の連続だったことと、、、
猫と犬は犬猿の仲などともいわれますが、同じ状況下では
このような会話がなされたのかもしれません、、、(´-`).。oO
ランス君一晩で御飯の要求方法をしっかり身につけましたね。
猫は口真似しワン言えますもの。
楽しいお話!

2019/7/4(木) 午前 11:49 [ たてようこ ]

顔アイコン

うちのは、ケージに閉じ込めると哀れな声で鳴きます。

動物病院でお注射されるがわかるからですが、

病院につくとケージに爪を引っかけて、ケージから離れないぞと必死に抵抗します。
獣医さんに急所を押さえられて引っ張り出されるのですが、
この間は強くおさえられたので、首の毛が禿げてしまいました。

2019/7/4(木) 午後 5:09 harumachigusa

> たてようこさん
猫というのはトリッキーな生き物で、人間の予想の斜め上をいく面白さがありますね。
夏目漱石が猫にハマった気持ちがわかるような気がします。
想像力をかきたてられるんです。
しかし、このランスの物語も、自分とランスのことをよく知っていてこその面白さがあるので、
ブログ移行したら、当分はお蔵入りでしょうかね。残念ながら。

2019/7/4(木) 午後 6:54 [ もたんもぞ ]

> harumachigusaさん
ダンスは犬みたいな鷹揚なところがあって、
注射される時も美人の看護婦さんに気を取られてる間に、
先生にお尻にブスっとやられて終わりです笑
あれ、今お尻に何かした?というような顔をしています(^_^;)

2019/7/4(木) 午後 7:10 [ もたんもぞ ]


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