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君たちは世の中に出た。
学校の窓から見た世の中とはずいぶんと違っているだろう。
がっかりしたこともあろうし、また、こいつは面白いと思ったこともあろう。
けれど毎日同じような仕事を繰り返すことは、いやに、誰も思っていよう。
そしてこんなで一生を送ってはとも思う折があろう。
しかし毎日目先が変わることが生きるために必要な条件か。
太陽は東から出て、西にはいる。
冬が去れば春が来る。昼の次は夜だ。
自然のものみなが、同じ軌道を通っている。
毎日同じ仕事をすることをつまらぬと思うものは、あわれな人だ。
同じ仕事のうちに、いろいろの深い意味が潜んでいる。
人の世の旅路をふりかえってみると、
その路の面白さや変化がうれしいのじゃない。
その旅路を踏みしめる一足一足の確かさが、大事なことだ。
君たちは日々の旅路をしっかりと踏みしめて進みたまえ。
その気持ちを失わなければ、いつとなく知らぬまに緑の山、
清い泉の楽しい村里に踏みいれるだろう。
成蹊学園創始者 中村春二
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