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2月24日「天皇陛下御在位3た0年記念式典」

天皇陛下は式典にて「おことば」を述べられた。
以下、全文を紹介する

在位30年に当たり、政府並びに国の内外から寄せられた祝意に対し、深く感謝いたします。

即位から30年、こと多く過ぎた日々を振り返り、今日こうして国の内外の祝意に包まれ、このような日を迎えることを誠に感慨深く思います。

平成の30年間、日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちましたが、それはまた、決して平坦な時代ではなく、多くの予想せぬ困難に直面した時代でもありました。

世界は気候変動の周期に入り、我が国も多くの自然災害に襲われ、また高齢化、少子化による人口構造の変化から、過去に経験のない多くの社会現象にも直面しました。

島国として比較的恵まれた形で独自の文化を育ててきた我が国も、今、グローバル化する世界の中で、更に外に向かって開かれ、その中で叡智を持って自らの立場を確立し、誠意を持って他国との関係を構築していくことが求められているのではないかと思います。

天皇として即位して以来今日まで、日々国の安寧と人々の幸せを祈り、象徴としていかにあるべきかを考えつつ過ごしてきました。

しかし憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、更に次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています。

天皇としてのこれまでの務めを、人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。

これまでの私の全ての仕事は、国の組織の同意と支持のもと、初めて行い得たものであり、私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは、その統合の象徴であることに、誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と、過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした。

災害の相次いだこの30年を通し、不幸にも被災の地で多くの悲しみに遭遇しながらも、健気に耐え抜いてきた人々、そして被災地の哀しみを我が事とし、様々な形で寄り添い続けてきた全国の人々の姿は、私の在位中の忘れ難い記憶の1つです。

今日この機会に、日本が苦しみと悲しみのさなかにあった時、少なからぬ関心を寄せられた諸外国の方々にも、お礼の気持ちを述べたく思います。

数知れぬ多くの国や国際機関、また地域が、心のこもった援助を与えてくださいました。

心より深く感謝いたします。

平成が始まって間もなく、皇后は感慨のこもった一首の歌を記しています。
ともどもに 平(たひ)らけき代を 築かむと
諸人(もろひと)のことば 国うちに充(み)つ
平成は昭和天皇の崩御と共に、深い悲しみに沈む諒闇の中に歩みを始めました。

そのような時でしたから、この歌にある「言葉」は、決して声高に語られたものではありませんでした。

しかしこの頃、全国各地より寄せられた「私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく」という静かな中にも決意に満ちた言葉を、私どもは今も大切に心にとどめています。

在位30年に当たり、今日このような式典を催してくださった皆様に厚く感謝を表し、ここに改めて、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。

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https://youtu.be/QlT57Cz9kZo

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ゴーン逮捕で仏マクロンの謀略を潰した日本政府


 日産・三菱・ルノーの会長を兼務するカルロス・ゴーンの11月19日の逮捕は、フランスのマクロン大統領の謀略を阻止するための、経産省が主導する日本政府による対抗策である。仏政府はルノーの最大株主であり、マクロンは2015年に経済大臣だった時から、大株主であることを利用して、ゴーンと喧嘩しつつルノーに経営介入して政治家としての人気取りに使ってきた。昨年、仏大統領になったマクロンは、これまで提携関係にあった3社をルノー主導で合併して「世界最大の自動車会社」に仕立てるとともに、日本側2社のおいしいところをフランス側に吸い上げ、フランスの雇用拡大や経済成長につなげたかった。 

フランスは、ドイツと並ぶEUの主導役だが、自動車産業が隆々としているドイツが経済力においてフランスよりかなり優勢で、EUの盟主はドイツであり、フランスは脇役に甘んじてきた。それを変えたい野心家のマクロンは、今年2月、ゴーンがルノーの会長の任期を更新できるかどうかという時に、ルノーの最大株主としてゴーンに、日産三菱との株式の持ち合い関係を、ルノーが日産三菱を併呑する形に進ませること(それとゴーンの報酬の3割削減)を条件に、ゴーンのルノー会長続投を了承した。ゴーンはそれまで、日産三菱の社員のやる気が低下するのでルノーによる併呑に消極的だった(と報じられてきた)が、今年2月以降、日産三菱を併合する方向に進み出した。 

(仏政府は、ルノーの15%の株主でしかないが、マクロン自身が経済相の時に作った法律により、ルノーでの発言権は30%ある。経済相時代のマクロンは、仏政府が持つルノーの株を買い増して経営介入しようとしてゴーンと喧嘩になった。マクロンはゴーンを潰そうとしたのでなく、自分の言いなりにしようとしてきた。日本政府がマクロンに頼まれてゴーンを逮捕したという説は間違いだ。マクロンは、ゴーン逮捕を事前に知らなかった。日本政府は、マクロンがゴーンを使って日本企業を食い物にしようとしたので阻止した。日産と三菱はゴーンを非難しつつ会長職から外すが、仏政府はゴーンをルノー会長から外させないし、「ゴーンを逮捕した日本の当局が正しいかどうか、証拠を見ていないのでわからない」と、ゴーンを擁護し続けている) 

 フランスのルノーが日産三菱を併合して「(ドイツ勢より大きな)世界最大の自動車会社」になれば、経済面でフランスがドイツに負けていないことを見せつけられる。支持率が落ちてきたマクロンの人気も挽回しうる。フランス人は「怠慢」なので、ルノーの一人あたりの生産性は日産の半分しかない。しかし、フランスはゴーンを派遣して潰れかけていた日産や三菱を救ってやったのだから、フランスが日産や三菱を食ってもいいだろう、というわけだ。ゴーンが逮捕されなければ、来年春ぐらい(数カ月内と報じられている)に日産と三菱がルノーに食われて「フランスの会社」になっていた。France grapples with looming loss of Renault leader Carlos Ghosn) (France 'extremely vigilant' on Renault after Ghosn arrest: Emmanuel Macron
ゴーンが逮捕される2週間前には、フランス北部のルノーの工場で日産と三菱の新型バンなどを生産開始する記念式典にマクロンとゴーンが並んで出席し、2人でルノーの日産三菱併呑を進めようとしていることを印象づけた。これまでアジアで生産していたアジア向けの自動車をフランスで作る計画が進んでいた。マクロンはルノーに、自政権の人気取り政策の一つとしての電気自動車の開発も急がせており、それも日産三菱を巻き込んで行うことになっていた。 

日産と三菱の側では、ルノーに併呑されることに抵抗があったはずだ。今回のゴーン逮捕は、日産の西川社長らルノー系以外の幹部たちが、ルノーに食われるのを阻止するため、ゴーンの「腐敗」を検察にたれ込んで事件化したことになっている。だが、日産が検察に頼んでやってもらった事件であるなら、検察が金融商品取引法違反だとか、司法取引だとか、異例の手口でゴーンを潰していることに説明がつかない。今回の件は、横領的なものでなく、有価証券報告書への記載を「間違えた」だけの「微罪」と考えることもできるからだ。 (Five key questions in arrest of Ghosn
日本政府がおフランスとの友好関係を優先したら、日産のタレ込みは無視されたはずだ。これは、日産という民間企業でなく、もっと上の、安倍首相自身を含む日本政府・官僚機構の上層部が、日本国がフランスと対立してもゴーンを逮捕してマクロンの併呑謀略を阻止し、日産と三菱を日本企業のままにする防衛策をやろうと決めない限り、天下のゴーン様を微罪でいきなり逮捕するなどという、ぶっ飛んだ事件にならない。今年3月に書かれた日本語の記事(悠木亮平著)の末尾には、ルノーと日産の経営統合を「どんな手を使ってでも阻止する」と経産省幹部が息巻いていた、と書いてある。ゴーンは経産省と仲が悪かったが、西川は経産省と仲が良かったとFTが書いている。 (ゴーン続投は日産・ルノーの経営統合の布石か?仏政府介入に反発強める日産・経産省) 

米国がトランプになって覇権放棄に邁進し、既存の米国覇権の世界体制が揺らぐなか、安倍首相は、日本の外交政策において、対米従属一辺倒の外務省に雑用しかやらせず、戦略立案を経産省にやらせる傾向だ。経産省(通産省)は70−90年代に、米国が貿易摩擦で日本を攻撃してきた時、日本側の産業界の利益を代弁して交渉し、対米従属の外務省と喧嘩が多発していた。今回もその延長で、経産省は安倍政権の事務方として、日産三菱がフランスに食われて日本の国益が損なわれることを阻止した。 


日本の検察は、オランダにあるルノーと日産三菱の合弁会社でも、ゴーンが犯罪行為を行った疑いがあるとして、捜査対象に入れている。この合弁会社は、ルノーが日産三菱を併呑する際に使われる可能性があった。日本の捜査当局は、ここも標的にすることで、ルノーによる日産三菱の併呑を妨害しようとしている観がある。 

従来の対米従属一本槍の戦後日本では「経営者は、年功序列などという時代遅れにこだわる日本人より、効率重視の外国人(=欧米人)の方が良いんだ」と、みんなが洗脳されて思い込んできた。ディズニーランドには何十時間並んでも入りたい。今でも日本人のほとんどは、無自覚的に対米従属である。日産を3年で建て直したゴーンも、経営の神様みたいにもてはやされていた。日本の官僚機構(財務省など)は、米国をしのぐことがいやで(対米従属できなくなるので)、わざと90年代のバブル崩壊後の経済難を何十年も長引かせ、日本を今のような2流国にした。東芝が、くそなWH(ウエスチングハウス)をつかまされた挙句に経営難になったあたりまで、悪いのは欧米側でなく日本人だという不必要に自虐的な対米従属感を、日本人は持っていた。
だが、ブッシュからトランプにかけての米国覇権の自滅と、きたるべき米国発の金融大崩壊により、いずれ米国覇権は終わり、中露の台頭など世界の多極化が進む。日本は、対米従属以外の国家戦略を用意せねばならない。安倍政権が、米国抜きのTPP(日豪亜)の発足を急ぎ、中国との経済関係強化、日露和解などを急いで進めているのは、対米従属の終わりに備えるためだ。今回のゴーン逮捕、日産三菱を食おうとするマクロンの謀略の阻止も、日本政府が対米従属(NATO諸国との同盟関係を優先し、日本企業を見殺しにすること)から離脱し、日本の国益を、以前より重視するようになっていることを意味する。 (米国の中国敵視に追随せず対中和解した安倍の日本
マクロン自身、日本との関係を大事にすることより、日本企業を食い物にして仏経済のテコ入れと自分の国内人気の獲得を優先している。トランプも、米国人の雇用を増やすという「国益最優先=米国第一主義」の名目で、他国からの輸入を妨害する懲罰関税策をやっている。世界中が、同盟関係や国際秩序や資本関係より、自国の国益を優先し始めている。日本でも、今回の件で国益重視の右翼がフランス大使館前で抗議行動ぐらいしても不思議でないのだが、日本の右翼系の多くは外務省傀儡で、日本の国益より米国の国益を大事にする「売国奴」なので、事態の本質が理解できていない。自分では愛国者と思っている「うっかり売国奴」が多い。
ルノー日産三菱の3社の会長を兼務していたゴーンは、ワンマン経営者で、3社の合併を推進する大黒柱だった。ゴーンがいないと、3社は合併どころか、提携の拡大も難しくなる。ゴーンは保釈後、ルノーの会長に戻るかもしれないが、日産と三菱からは排除されていく。今回、日本は国家として、フレンチ野郎を微罪で「犯罪者扱い」して、日仏関係の悪化もかまわず、日産と三菱を守ることにした。日産三菱は、日本国の後ろ盾を得た。日産は、もうフランス側にヘコヘコする必要がない。日産は、株の買戻しなどで、ルノーとの関係を切っていく可能性が大きい(三菱は日産が最大株主)。マクロンの謀略は失敗した。ざまあみろだ。日本人は、欧米人経営者礼賛をいいかげんにやめるべきだ。 

世界的に自動車業界は競争が激しい。会社経営的には、ルノー日産三菱の3社連合は、規模が大きく、開発や生産コスト削減に有利だ。ルノーと関係を切った日産三菱が、どのような戦略で利益を出し続けていくつもりなのか。代替戦略がないとゴーン潰しは日産三菱の失敗につながる、と指摘されている。たしかにそうだが、日仏の共存共栄でなく、日産三菱がフランスに食い物にされるのでは日本人にとってマイナスだ。資本関係など糞くらえだ。マクロンは、ゴーンと喧嘩してルノーを仏経済省傘下に入れ、その上で日産三菱を併呑しようとした。今回、それを阻止した日本経産省は、ルノーとの関係を切った上で日産三菱がどうするか、代案を考えているはずだ。トランプは貿易政策などで米国企業を采配しているし、習近平は中国企業を采配している。自由企業万歳な時代はリーマン危機とともに終わっている。 


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トランプ大統領「核装備」「改憲」「空母保有」 安倍首相に要請

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2018/01/16 に公開
トランプ大統領「核装備」「改憲」「空母保有」 安倍首相に要請綾織次郎さん [月刊ザ・リバティ]編集長参照 (音声使用) : 【激震スクープ!】安倍・トランプ会談で日本に核装備・空母保有・憲法改正を要請!その裏側に迫る【THE FACT×The Liberty】音楽:Bass_Walker_Film_Noirhttp://incompetech.com/

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グレイトになって戻ってきた米朝首脳会談

2018年5月29日  田中 宇

この記事は「米朝会談を中止する気がなく交渉術として中止を宣言したトランプ」の続きです。

 5月24日に米トランプ大統領が、6月12日に予定されていた史上初の米朝首脳会談を中止すると、北朝鮮の金正恩あてに公開書簡を出した。私は前回の記事で、この書簡について、トランプが本気で米朝会談を中止しようとしているのでなく、会談に先立って、北が米国と対等に張り合おうとするのをやめさせるために出したものだと分析した。(Trump ramps up pressure to get North Korea summit on track

 それから数日たち、事態は(私が分析した)トランプの思惑どおりに動いている。北朝鮮側は、トランプの書簡発表後すぐに、米朝会談をやめる気がない、ぜひ会談を予定どおり開きたいと表明した。北の金正恩は、4月末の南北首脳会談で相互の信頼を築いた韓国の文在寅大統領に、急いでもう一度会ってほしいと提案し、5月26日に急遽、南北分界線上の板門店で、2度目の南北首脳会談が開かれた。金正恩は、依然として核廃絶を進める気でおり、トランプと会談して核廃絶を実行したいと文在寅(を経由してトランプ)に伝えた。会談を中止するぞという脅しに対し、予定通り会談してほしいと在寅経由で神妙に頼んできた正恩を見て、トランプは満足し、会談は予定どおり開かれそうだと表明した。(North Korea's Kim hopes Trump summit will 'end history of confrontation': Moon)(South Korea may be angling its way into the Trump-Kim summit

 トランプは5月28日、スン・キム特使や、北の核の専門家である国防総省のシュライバー次官補らを板門店に派遣し、米朝の次官級の実務者交渉が行われた。この交渉では、北が、保有する核弾頭や濃縮ずみの核物質を、どのようなタイミングで米国(=国際社会)の側に引き渡すかが話し合われたようだ。米側は、北が最大で20発の核弾頭を持っていると考え、それを米朝首脳会談の直後(と直前)に一括ですべて米国に引き渡せと要求しているようだ。会談前に核弾頭や高濃度核物質(の一部?)を引き渡せという要求と、会談直後に一括で全部引き渡せという要求の2つが報じられている。これらに対して北がどのように反応しているか今のところ不明だ。(US wants N Korea to ship out nukes, missiles ahead of Trump-Kim summit)(Moon Jae-in could join Donald Trump and Kim Jong-un at North Korea nuclear summit, say officials as preparations take place

 そもそも、5月9日にポンペオ国務長官が訪朝した時の米朝交渉で、すでにこの手の話が出ていたらしい。米国は、核弾頭を早めに引き渡すなら、それを北の核廃絶とみなし、米国の北敵視をやめてやる(在韓米軍を撤退してやる)と北に要求したのでないか。これに対して北が言いそうなことは「在韓米軍は、いったん撤退しても、いつでもすぐに韓国に戻ってこれる。対照的に、わが国がいったん手放した核弾頭は二度と戻ってこない。これは不公平すぎる。核弾頭の引き渡しは、米朝間の信頼関係を醸成しながら少しずつ進める方法でないとダメだ」という主張だ。

 核弾頭は(本当に使い物になる兵器の水準に達しているかどうかにかかわらず)、今回の米朝交渉における、北の最大の持ち札だ。米国の騙しに乗せられてカードを手放すわけにはいかない。北は、核弾頭の引き渡しのタイミングをできるだけ遅らせたい。米側は、軍産もトランプも、北側の引き伸ばし作戦に乗せられたくない。軍産は、在韓米軍の撤退をできるだけ遅らせたい。(米覇権放棄屋の)トランプは、北に核廃絶を劇的にやらせ、見返りとしての在韓米軍の撤退も劇的にやりたい。(After secret North and South Korea meeting, Trump says summit talks going 'well'

 この首脳会談前の米朝交渉の膠着状態に、トランプの会談中止宣言の書簡を重ねると、見えてくるものがある。トランプは「核弾頭の引き渡しに関して米国の案に乗れないなら、首脳会談は中止だ」と啖呵を切ったのだ。これに対して金正恩は、トランプの思惑どおり「米国の案にしたがって核弾頭を引き渡すので、首脳会談を予定どおりやってください」と言ってきた。トランプは満足し、スン・キム特使らを板門店に派遣して北側と交渉し、北の譲歩を確定させた・・・というのが私の読みだ。(Trump All But Confirms Historic Summit With Kim Is Back On As US Officials Enter North Korea

 トランプの会談中止書簡が、北から何らかの譲歩を引き出すためのものだったことは、ほぼ確実だ。だが、トランプが書簡を使って北に求めた譲歩が、核弾頭(と核物質)の早期の引き渡しだったかどうかは確定的でない。私の推測にすぎない。だが、トランプが北に早急な核弾頭引き渡しを求めているのは報道されている事実だし、北の核廃絶と米国の北敵視終了をどのような順番や期間で進めるかが、米朝会談の最重要点であるのも事実だ。(If The U.S.-North Korea Summit Holds, What's On The Table?

 私は以前の記事で、トランプの会談中止書簡は、北が米国を敵視する言動をとったので、それをやめさせるためだろうと書いた。だがトランプの策は、そんな「心情論」「沽券の話」でなく、北に大胆な核廃絶をやらせるための恫喝だったと考える方が妥当だと思い直している。トランプは、書簡に対する北の反応に満足し、予定どおり首脳会談しそうな感じになっている。米朝首脳会談は、トランプにとって、よりグレイトなものになって(軍産や日韓の対米従属派にとって、より危険なものになって)戻ってきたわけだ。(グレイトという表現は、トランプの標語「米国をグレイトな国に戻そう! MAGA=Make America Great Again」に引っ掛けた。)(米朝会談を中止する気がなく交渉術として中止を宣言したトランプ

 6月12日の米朝首脳会談は、米朝和解の出発点であり、その後時間をかけて北核廃棄や米朝和解が進んでいくと、私は最近まで考えていた。だがトランプはどうやら、1回の米朝首脳会談で、大事な部分のすべてを決めてしまおうとしている。時間をかけてやると、仇敵である軍産複合体から妨害されて頓挫する可能性が高くなるからだろう。米朝首脳会談で、北が一括の核廃絶を表明し、米国が最短時間での在韓米軍の撤退を表明し、会談後、米朝の和解と、朝鮮戦争の終戦が宣言される、というのが会談が成功する場合の流れだ。(北朝鮮が核を持ったまま恒久和平

 ここ数日、北が保有する核弾頭数について「最大20発」という数字が報じられ始めた。この数字の根拠は不明だが、米国が北の弾頭数を独自に把握している可能性は低い。核開発の期間の長さや人工衛星写真の解析から概算する程度だろう。おそらく北の「言い値」の弾頭数が、廃絶すべき弾頭数になる。「言い値」を超える分は、隠し持つことが黙認される(使い物になる核弾頭を作れるところまで開発が進んでいたならば、の話だが)。(U.S., N.Korea Work on Reinstating Summit in June

▼文在寅も米朝首脳会談に参加し、米韓で在韓米軍の撤退を発表する??

 北の核廃絶のやり方については、非常に断片的であるが、米朝の準備交渉の中身が報じられている。だから上記の解説が書けた。対照的に、北の核廃絶の見返りに米国が北に与える、北敵視の終結、在韓米軍の撤退、北の政権維持に対する保障については、何をどう進める話になっているのか、全く報じられていない。軍産に妨害されないよう、厳しい機密保持体制が敷かれているようだ。そんな中で言えるのは「北が急いで核廃棄を進めるなら、見返りとして、米国も急いで在韓米軍の撤退などを進めるのでないか」ということだ。これは、トランプの覇権放棄戦略に合致している。(米朝会談の謎解き

 韓国の文在寅大統領が、シンガポールの米朝首脳会談に参加し、米朝韓の3か国会談になるかもしれないと、文在寅の側近が聯合通信に漏らしている。米朝韓の3か国会談の開催は、4月末の南北首脳会談の共同声明に目標として盛り込まれている。トランプの書簡発表後すぐ金正恩が文在寅に会いたいと言ってきたことから考えて、金正恩は文在寅を信用している。2人は親密な関係を構築し、6月12日の米朝首脳会談までにもう一度会うことになりそうだと韓国高官が言っている。2人の親しさから考えて、外交経験が少ない金正恩が文在寅に、シンガポールの米朝会談に参加してトランプが強硬姿勢になったら説得してほしいと頼んでいても不思議でない。(South Korea calls for more impromptu talks with North Korea as U.S. seeks to revive summit

 文在寅の会談参加は、ほかにも重要性がある。北が核廃絶を約束したら、その見返りに、米国と韓国がその場で在韓米軍の撤退を決定して世界に発表できることだ。米韓首脳が合同で在韓米軍の撤退を宣言すれば「米軍はいつでも韓国に戻ってこれる」という北側の懸念をかなり払拭できる。リベラルな文在寅の政権が続いている間は、いったん撤退した米軍が再び韓国に戻ることはない(文在寅は、韓国の大統領の任期を、1期5年再選不可から、米国型の再選可能な2期8年に改定しようとしている)。(朝鮮戦争が終わる

 文在寅が側近としてつかえていた廬武鉉元大統領も、6か国協議で北が核廃棄に応じる方向に動いていた07年に南北首脳会談を行い、南北和解を目指した。当時の米国(ブッシュ政権)は北敵視が強く南北和解に反対し、廬武鉉は米国の反対を押し切って南北和解を試みた。だが北は、米国に敵視されている限り核廃棄に応じられず、米軍を擁する韓国とも敵対を解けないため、和解は短期間に終わって失敗した。(How South Korea Pulled Trump and Kim Back From the Brink

 対照的に文在寅は、廬武鉉時代の教訓を生かし、米国の賛同を得ながら北との和解を進めた(私はずっと、なぜ文在寅は米国を無視して北と和解しないのかと思っていたが、米国を無視すると廬武鉉の二の舞になることに今ごろ気づいた)。文在寅にとって幸運なことに、米国の政権は北敵視のふりをした覇権放棄屋のトランプで、北の政権は若く大胆な金正恩だった。今年の年初に金正恩が核廃絶を提案してトランプがそれに乗って以来、廬武鉉を越える文在寅の活躍が始まっている。(米朝会談で北の核廃棄と在韓米軍撤退に向かう

 文在寅はシンガポールに行くかもしれないとのことだが、習近平はどうしたのだろう。私は以前の記事で、習近平が米朝首脳会談に参加するかもしれないと報じられたことを分析した。その後、この件についての続報を、全く見ていない。その一方で「金正恩の専用機は平壌からシンガポールまで直行できず、行き帰りに途中で中国のどこかの空港に着陸して給油する必要があり、そのとき空港に習近平に来てもらい、中朝首脳会談を行い、米朝首脳会談に関して中朝がすり合わせを行うかもしれない」と報じられている。この場合、習近平はシンガポールに行かないことになる。中国は、昨今の米朝や南北の交渉に際し、北との経済・安保の関係を通じて背後から黒幕的に関与しており、表舞台に出てきていない。習近平はシンガポールに来ないと考えるのが自然なようだ。(South Korea's Moon Jae-in may join Trump, Kim for Singapore summit: Report)(朝鮮戦争が終わる<2>

 以前の記事で私は「1953年の朝鮮戦争の停戦合意は米朝中の3か国が署名しており、習近平が米朝会談に後半から参加すれば、その場で朝鮮戦争を停戦から終戦(和解)に切り替えられる。だから習近平は来るのでないか」という趣旨を書いた。だが、追加的に考えてみると「朝鮮戦争の終戦」は、米朝中で合意するよりも、国連安保理で決議し、韓国に駐留する国連軍の終了を決定する方が重要だ。在韓米軍は国際法上、1950年の北朝鮮の「南侵」(=朝鮮戦争の勃発)に対処するために安保理が組織した国連軍である。米朝和解を受け、安保理が朝鮮戦争の終結と国連軍の任務完了・解散を決議すれば、米国の好戦派や韓国の対米従属派の意志に関わらず、在韓米軍は撤退を余儀なくされる。習近平はシンガポールに来る必要がない。(朝鮮戦争が終わる<2>

 6月12日の米朝首脳会談がどんなかたちで開かれるのか明確でないが、今の流れから考えて、首脳会談は予定通り行われ、米朝は「会談の成功」と米朝和解の実現、北の核廃棄と在韓米軍撤退についての具体的な日程とやり方を発表する。それらは、人々を驚かす「グレイトな」内容になりそうだ。MAGA。



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