「おくのほそ道」跡の旅

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 某月某日、地下鉄森下駅を降りて、芭蕉稲荷神社(芭蕉庵史跡)を訪ねる。「ふる池や蛙飛こむ水の音」で知られ芭蕉遺愛の石造りの蛙が鎮座。この辺りに芭蕉庵があったらしい。
 写真を撮っていると、中年の婦人がやって来て、「ここは寄らにゃいかんね」などと言っている。吟行句会の下見らしい。
 次に分館史跡展望公園に行く。墨田川と小名木川の隣接するところにあり、隅田川を眺める姿勢で翁像。おりしも眼前を観光船が一隻通り過ぎた。
 翁は三月始めこの辺りから、「草の戸も住替る世ぞ雛の家」と書き残して杉風の採荼庵(さいとあん)に移る。
採荼庵跡は少し歩くが清澄公園の先、仙台堀川のほとりにあり、ここにも旅立ちの翁像がある。翁像とツーショットの写真を撮る人もいる・・・サラリーマンの「おくのほそ道」(Kindle版600円)から
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転載元転載元: 日々小品イン青梅

大垣

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大垣


敦賀の港まで出迎えに来た路通とともに、翁は「大垣の庄」に入る。
曽良、越人、大垣蕉門の人々と「蘇生のものにあふがごとく、且悦び、且いたはる」
翁は大垣に半月ほど滞在し、九月六日(陽暦十月十八日)
「伊勢の遷宮おがまんと」路通とともに船で旅立つ。

「蛤のふたみにわかれ行秋ぞ」が別れの挨拶。


晩秋の一日、大垣を訪ねてみた。「むすびの地」は水門川(写真)のほとりにあり、
芭蕉・木因像、蛤塚をはじめゆかりの句碑が立ち並んでいる。俳句のメッカという風情。

折しも「むすびの地記念館」では俳句大会でもあるらしく、句帳を手にした中高年の姿。
木因は回船問屋を営み、大垣蕉門の重鎮。芭蕉より二歳年下で、同じ季吟門下。
すなわち友人である。伊勢への船の手配は当然木因による。

翁は元禄七年(一六五四)陰暦十月十二日に亡くなるが、死後、
水門川から離れた場所にある正覚寺に芭蕉翁追悼碑(路通筆)が建てられた。

むすびの地
 〈交通〉
 JR東海道本線大垣駅下車
  徒歩十五分
〈問い合わせ〉 
大垣市観光協会
 電話0584-77-1535

敦賀・種(いろ)の浜

敦賀


「漸白根が嶽かくれて比奈が嵩あらはる。
あさむずの橋をわたりて玉江の蘆は穂に出にけり」と翁。

福井鉄道電車にて福井から武生まで。花堂、浅水に立ち寄る。何とも風流な地名。
玉江の橋は虚空蔵川にかかり、説明板に翁が「月見せよ玉江の芦を刈らぬ先」と
詠んで以来名が知られるようになった由。

浅水の橋は枕草紙で「橋は、あさむづの橋」と書いている名所。
翁は「朝六つや月見の旅の明けはなれ」と詠む。
敦賀で名月を見たいという翁のこだわりがみてとれる。

単線の客はまばらで、市電は刈田の中をひたすらはしる。終点武生で福井電鉄下車。
JR武生駅まで歩き、急行で敦賀へ急いだ。

翁は陽暦九月二十七日敦賀に到着、待宵で、翁は早速宿の「あるじに酒すゝめら
れて、けひの明神に夜参す」。
この時の句が「月清し遊行のもてる砂の上」

翌日、「亭主の詞にたがはず雨降」、「名月や北国日和定めなき」と未練たっぷり。
私の宿は敦賀港近くで魚市場がみえるところ。翁にならって気比神社へおもむき、
有り難き砂を踏む。大鳥居の前には遊行上人の像。

次いでタクシーで金前寺へ。ここには沈鐘伝説があり、
翁は「月いづく鐘は沈る海の底」と詠んでいる。

翁は敦賀で月一夜十五句を詠んだといわれ(荊口句帳)ほかにも
「国々の八景さらに気比の月」がある。

宿に戻り、地元のテレビを見ていると、今夜は立待月でなにか行事があるのだという。
食堂は、シーズンオフのことで客はほかに一人だけである。

ほろ酔い気分で部屋にもどり、消灯すると中空に立待月が、なんと気比神社の裏山辺り。
トクした気分で就床した。

気比神宮左内公園
 〈交通〉
 JR北陸本線敦賀駅下車
  バス5分
〈問い合わせ〉 
敦賀観光協会
 電話0770-22-8167

種の浜


翁にならって種の浜(色浜)まで、船で行こうかとおもったがないらしい。
敦賀湾は原発が多く、風流には遠い。やむを得ずバス(一日三便)を利用し、
敦賀駅前より出発。乗客は地元ばかりで観光客は時期外れで私一人であった。

翁は西行の「汐そむるますうの小貝ひろうとて色の浜とは人のいふにや有らん」
にひかれて、船でおもむく。酒、肴に僕もつく船で、先行した曽良の気遣いが感じられる。

「寂しさや須磨にかちたる浜の秋」と「浪の間や小貝にまじる萩の塵」の二句を遺している。
ますほの貝は朱貝、紅貝、山椒貝など赤い貝をいうらしい。
「浪」と「小貝」と「萩の塵」の取り合わせがあざやかである。

色ケ浜バス停から海側に下りていくと、芭蕉句碑のある本隆寺があり、
ここには等栽に書き取らせた「某の日のあらまし」が秘蔵されているとのこと。
私は折り返しのバスに間に合い、無事敦賀に戻ることができた。

色ケ浜
 〈交通〉
 JR北陸本線敦賀駅下車
  バス三十五分
〈問い合わせ〉 
敦賀観光協会
 電話0770-22-8167

天竜寺・永平寺・等裁

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天竜寺・永平寺


山中で曾良と別れた翁は汐越しの松を見物してから、
金沢の北枝(蕉門十哲の一人)を伴って、八月上旬から中旬にかけて
(陽暦九月十九日から同二十七日の間)福井の天竜寺、永平寺、等栽宅を訪ねている。

松岡町の天竜寺は京福電鉄松岡下車であるが、運休。
やむなく代行バスで松岡を目指した。天竜寺はバス停松岡から下車七八分のところで、
松岡小学校が目印。]

曼珠沙華が今盛りと咲いている。小学校からは「兎追いし・・・」の歌声が流れ、
グラウンドでは運動会の練習。

翁は江戸品川の天竜寺住持であった旧知の大夢和尚を訪ね来たのである。 
境内中央に翁と北枝の「余波」の碑。北枝がひざまずき翁から扇を頂いている。

木陰に「物書(かき)て扇引さく余波(なごり)かな」の句碑。
私は永平寺は二度目だが、今回は参拝して、
茶屋で「おろし蕎麦」を食したのみ。

 天竜寺
 〈交通〉
 えちぜん鉄道松岡駅下車
〈問い合わせ〉 
松岡町企画財政課
 電話0776-61-1111

 永平寺
 〈交通〉
 えちぜん鉄道永平寺口下車
  徒歩三十分
〈問い合わせ〉 
永平寺町観光物産協会
 電話0776-63-1188

等栽


福井のバスターミナルから、タクシーで左内公園へ。
中央に安政の大獄で二十六歳にして斬首された福井藩士橋本左内の像がある。

等栽宅跡は公園の一隅にあり、記念碑と「名月の見所問ん旅寝せむ」の句碑がある。
傍らに萩の花が色を添えている。

この項は一編の短編として読むとよい。等栽とその妻、粗末な家をおかしげに描写する。
旅のゴールにさしかかって、翁の安堵、余裕が感じられる。
等栽宅に二泊いよいよ名月をもとめて等栽とともに敦賀をめざす。


左内公園
 〈交通〉
 JR北陸本線福井駅下車
  バス十五分左内公園口下車
〈問い合わせ〉 
福井市観光コンベンション協会
 電話0776-20-5151

全昌寺・汐越の松

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全昌寺、汐越の松


山中温泉よりバスで大聖寺川に沿い大聖寺町へ。大聖寺駅前から徒歩で全昌寺。
こじんまりした曹洞宗の寺で、山門を入ると左手に芭蕉と曾良の句碑が並び立っている。
白萩と吾亦紅が句碑を飾り、その中に翁の句「庭掃(はき)て出ばや寺に散る柳」の柳が立つ。

本堂の裏には曾良が「終宵(よもすがら)秋風聞(きく)やうらの山」と吟じた小山を置く。
この寺の五百羅漢は加賀市文化財に指定されている。堂内には杉風作の芭蕉像がある。
風格と威厳にみちた芭蕉像の傑作といえよう。

駅前に戻り、塩屋行きのバスを待った。乗客は二三人で、吉崎御坊のある吉崎が目安。
蓮如上人の旧跡のあるところだが、翁は立ち寄っていない。

ひたすら西行上人の「終宵嵐に波をはこばせて月をたれたる汐越の松」
(蓮如上人の詠歌ともいわれる)の汐越の松を目指すのである。
そして「此一首にて数景尽たり」として、自らは吟じない潔さ。

吉崎でバスを下り、汐越しの松のある芦原ゴルフクラブへの道を探したが、
迷って北潟湖を半周する羽目に。ようよう目印の開国橋をみつけたところでにわか雨。

山中温泉は晴れていたので雨具の備えはない。呆然として軒下にて雨宿り。
「明月や北国日和定めなき」の翁の句を思い出したが、もはや手遅れ。

やむなくタクシーを呼び、芦原温泉ゴルフクラブへ。空に雨雲はなく、
なるほど「定めなき」天気。
フロントの受付嬢に見学希望を話すと、この種の来客に慣れているのか、
記帳をもとめ場所の説明があった。
  
場違いな気分を引きずりながら、松並木を下り、汐越の松跡(写真)を訪ねる。
右手は日本海。石碑のそばに巨木の残骸があるだけのやや拍子抜けの名所である。

 全昌寺
 〈交通〉
 JR北陸本線大聖寺駅下車
  徒歩10分
〈問い合わせ〉 
大聖寺観光協会
 電話0761-72-7600

 汐越の松
 〈交通〉
 JR北陸本線大聖寺駅下車
  バス徒歩10分
〈問い合わせ〉 
大聖寺観光協会
 電話0761-72-7600

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