北のクリニックから---ノバリスによる放射線治療専門クリニック

ノバリスによる脳腫瘍と前立腺癌の放射線治療に関する動画配信を始めました

ノバリス

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]

定位放射線照射とは

イメージ 1

イメージ 2

先日会合がありました.
集まったのは医師ばかりでしたが,いろいろと話をしているうちに意外と医師でも定位放射線照射という概念が分かっていない人が多いことに気付きました.

もともと脳疾患の治療として始まったものなので脳神経外科医である私にとっては何ら新しい概念ではありませんでしたが,他臓器を専門としている医師の場合,がん治療医であってもこの治療法を知らない人がいるのです.

そこで今日は,定位放射線照射についての説明をします.(これまでの内容とだぶることをお許しください)

定位放射線照射とは,放射線治療の一種です.
放射線治療自体は多くの人が知っているかもしれませんが,単純(少々乱暴)に言えば電気を当てて腫瘍を焼くことです.

ですから正常な組織に放射線を当てるとやけどをしてしまい,その働きが悪くなってしまうのです.
肺や肝臓など体幹部の腫瘍の場合,呼吸と共に腫瘍の位置が上下に動くので,腫瘍よりもかなり広い範囲に放射線を当てる必要があります.

肺がん治療を例としてあげると,上の写真で青線で囲まれた腫瘍範囲よりも広い範囲に放射線が強く当たっています(色のついた部分).青線で囲まれた部分以外は,放射線を当てなくても良い正常部分ですが,ここがやけどをしてしまい肺の機能に影響を与えてしまうのです.

以上から通常の放射線治療では正常部分への影響を考慮して,あまり強い放射線を当てにくいため腫瘍への治療効果が乏しい場合も少なくありません.

これに対して,定位放射線照射では様々な方法を使って正常部分への放射線照射を避けることで腫瘍部分に対しては治療に必要十分な放射線を当てることが可能となります.

下の写真でみると色のついた強く放射線が当たる範囲が青線で囲まれた部分よりわずかに広いだけとなっています.この結果,腫瘍の縮小効果を期待することができるのです.

ただし,現在の技術では全ての腫瘍に対して定位放射線照射が使えるわけではありません.腫瘍が大きい場合,数が多い場合,大血管に近接している場合には定位放射線治療をもってしても治療できないことがありますので担当の先生とよく相談してください.

イメージ 1

今回も照射法の違いについて書きます.
ただし,これまでのように実際の照射方法の違いではなく,放射線を使う意味合いの違いについてです.

根治的照射とは,文字通り完全な治癒を目指すための放射線治療となります.
放射線治療は当てた部位のみが治療効果を示す局所療法であります.
ですから,放射線をかけない部位に腫瘍が残っている場合には根治的照射とはなりません.

一般に,写真のような脳転移の場合には他の部位に腫瘍があるという前提で考えられることが多いので根治的照射ではないとされています.
しかし,最近の医療では原発巣の治療が進歩しており,脳以外の腫瘍は制御されていることが多くなり,たとえ脳転移であっても根治的な目的で照射を考えることも出来るようになってきました.

これに対して緩和的照射とは,腫瘍の残存のため治癒は望めないような場合であっても,症状の緩和のために放射線を当てるというものです.

例として,脊椎などの骨への転移の場合には強い痛みが生じ,麻薬であっても制御できない苦しみを感じる方が少なくありません.放射線照射により骨痛の軽減を得ることが可能であり,緩和的照射の良い適応といえます.

これ以外にも,手術や抗がん剤治療を補うことで治癒を目指す補助的照射というものもあります.

照射方法の違い

イメージ 1

イメージ 2

今日は照射の方法の違いについて書きます.

定位放射線照射でよく用いられる方法に回転照射があります.
これは放射線を出すところ(ガントリ)を回転させながら照射を行う方法です.
このため同じところから続けて照射する方法に比べ正常組織への線量を減らすことが可能となります.

ノバリスでは,回転とともに放射線のビームの形を変えながら照射するという動的回転原体照射を用いることでより腫瘍に一致した放射線照射を可能にしています.詳細については動的回転原体照射の記事を参照してください.

写真上は対向2門照射という通常の放射線治療で頻用される方法による治療計画です.
色がついている部分が強く放射線が当たるところです.写真下の動的回転原体照射による色のついた部分との違いを見てください.

白く写っている腫瘍部分の周り(腫瘍がにじんでいる部分も含めて治療します)にある青線の中に放射線が強く当たると良いのですが,上の写真では帯状に強く放射線が当たっており正常の脳組織にも放射線が当たっています.下では,正常部分への照射が抑えられているのが分かります.

下の写真にある方法が定位放射線照射であります.
ただし,全ての場合に定位放射線照射が良いとは限りません.
定位放射線照射は複雑な方法なので,通常の方法に比べ準備に時間がかかること,一回の照射時間が長いこと,大きな腫瘍ではその利点が余りなくなること,周囲の脳に広く浸潤する性格を有する腫瘍では照射の範囲が狭いことが欠点となることがあります.

ですから,治療医はその患者さんの状態に合わせて適切に治療(照射)方法を選択して治療を行うのです.

イメージ 1

今回は聴神経腫瘍の放射線治療について書きます.4/9の聴神経腫瘍の記事も参考にして下さい.

前回も書きましたが,聴神経腫瘍では腫瘍の周りに大切な神経(脳幹や他の脳神経など)がたくさん有ります.ですから,放射線治療を考える場合にはこれらの重要な神経への影響を避ける必要があります.

そこで,定位放射線照射が有効であるとされています.つまり,必要な部位に限って放射線を当てることが可能な方法として定位放射線照射という選択肢があります.

しかし,定位放射線照射と言っても様々な器械があり,それぞれに一長一短があるのです.器械の違いがどのようなところに違いがあるのかを挙げてみると,1)治療の回数.例・・・1回か25回くらいの多数回分割か.2)放射線のビームの形をどう変えるのか.例・・・マルチリーフコリメータか円筒形のコリメータかマルチアイソセンターか.(詳細については今後書きます)

ノバリスではマルチリーフコリメータを用いて腫瘍に合わせたビームを当てるようにしています.さらにビームを出すところを回転させて様々な方向から放射線を当てることで正常な部分への線量を減らすのですが,回転中もビームの形を腫瘍の形に合わせる動的回転原体照射(詳細は2/17の記事を参照して下さい)を用いています.

写真の左は,3つの軌道を回転させながら腫瘍に放射線を当てているイメージです.写真の右は,この治療により加わる放射線の量の分布図です.腫瘍(黄色)の周りにいくつもの線が書かれていますが外に行くに従って量が減っていることを示しています.そして,腫瘍の横にある脳幹(青)には放射線はあまり当たらないようになっています.

なお,回数は治療による合併症を避ける目的で多数回分割照射を行っています.

イメージ 1

今日は,放射線治療について書きます.

放射線治療で大切なことは,どの部分に放射線を当てるのかを決めることです.
CTやMRI写真を参考に脳腫瘍が脳の中のどこにあるのかを決めます.
MRIで腫瘍として見える部分を肉眼的腫瘍体積(GTV)と呼びます(写真では青線で囲んだ部分).
このGTVの周りで肉眼的には見えないけれども顕微鏡レベルでは腫瘍が及んでいる部分を臨床的標的体積(CTV)と呼びます(写真では緑線で囲んだ部分).
肺などでは,呼吸による動きも考慮に入れる必要があります.
さらに,毎回の治療で微妙に生じる誤差を含んだものを計画的標的体積(PTV)と呼びます(写真では黄線で囲んだ部分).

最後のPTVがゼロであれば良いのですが,計画を立てた写真のときの頭の位置と治療の時の頭の位置を1ミクロンも違わないようにすることは,まず無理ですよね.
また,放射線を出す装置の位置,放射線のビームの出る方向など,放射線治療では様々な要素にわずかな誤差が生じる可能性が有ります.
ですが,わずかずつでも多くの要素があるので,全体としては数ミリの誤差を含めておかなければなりません.
この誤差を極力ゼロに近づけるよう,ノバリスでは工夫されていますが,まだ無視できないのです.
逆にゼロと言うと危険かもしれません.

腫瘍の種類や場所によって,CTVの大きさを変える必要があります.
つまり,肉眼的に見えるところ以外には顕微鏡レベルでも腫瘍が及んでいないような良性腫瘍ではGTVとCTVが同じになることもあります.
また,手術で全部とったように見えてもとった部分の周りを1センチ以上広い範囲をCTVとすることもあるのです.
よって,個々の患者さんで放射線を当てる部位が異なるのですが,その判断を治療医は行っています.

次回は神経膠腫の放射線治療について書きます.
なお,この写真は実際の計画ではありません.あくまでもイメージです.

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事