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3月12日。朝。
彼女の息子から、連絡があった。
被災地からだ。
宅急便で物資を送ってほしいというのだ。
 
 
彼女は、動いた。
友達にその話をしたのだ。
その友達は、その友達の友達に話をした。
更にその友達の友達の友達は、その友達の……。
彼女の想像だにしなかったその話の鼠算的広がりは、
宅急便で送るに充分すぎるほどの物資と善意となって彼女の元に現れた。
 
(皆、何かしたかった。みんな。
テレビの前で祈るだけでは、つらすぎた。)
 
 
 
 
しかし、
 
 
未曾有の災害は、宅急便のルートを塞いだまま。
テレビらは個人で送らないよう連呼するが、
彼女の元に集まる流れは、止まらなかった。
 
 
待っている息子とその周りの120人もの助けを必要としている人たち。
いただいた善意すべてを無駄にしてしまうのか。
物資と善意が、彼女の家と彼女の心を押しつぶしてしまうかと思われたそのとき、
 
 
 
 
      
 
奇跡は起こった。
 
      
 
 
 
現地に向かうトラックの隙間にでも入れてもらえたらという話が、
善意の10tトラックがやってくる!!
との連絡となって舞い込んだ。
しかも、“カラ”の10tトラックだ。
放射能汚染リスクのあるところに向かうという、
一番手に入りにくい“物資”だったはずが。
 
 
 
 
 
 
その知らせは、
たちまちより大きな流れを生み、絶え間なく物資と善意が彼女のもとに流れ込む。
 
 
彼女は、荷物の運搬・分別・圧縮梱包……と、
彼女のもとに集まった”善意”=”義援金”の一部を、
寄せてくれた方の了解をとって被災地要望の品にするために
忙殺されることになった。
 
しかし、すでにそこには、
彼女の元にたくさんの天使ともいうべき助けが舞い降りていた。
少なくとも、彼女にとっては、天使にちがいなかった。
(善意を寄せただけの人たちも、彼女にとっては、
小さな天使たちだったかもしれない。)
天使たちは様々な場所から集まり、はじめて出会う天使たちも多かった。
しかし、そこには暖かで、和やかで、気持ちのいい空気が流れていた。
 
 
 
そんな中、彼女には不安があった。
本当に
10tトラックはやってくるのだろうか。
(その10tトラックは被災地からやってくるというのだ。)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
きたっ!!
 
 
↓その10tトラック↓
 
イメージ 1
 
 
 
3月17日。18時。
その名も“ハピネス”という場所から
(気付いた時、出来過ぎだと思いました。全くの偶然のはずですが。)
物資と善意でいっぱいの彼女のトラックが、旅立った。
被災した、福島第1原子力発電所の影響で移動ままならない、120人のもとへ。
 
 
 
 
3月18日。朝。
彼女の天使たちは、天使からごく普通の主婦にもどった。
その一人は、会社員の夫と、子供2人。(そのうち1人は受験の只中。)
感謝が、外からだけでなく内からも満ち溢れているものの、
彼女らは普通の家庭の普通の主婦たちなのだ。
(私の知る限り。)
 
 
 
 
そして、
彼女自身も天使となった。
 
少なくとも、
荷の着いた先の120人にとっては。
 
 
 
                  
 
 
 
 

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主婦あなどれぬっ。
きっと皆さんの愛の力に
天使も力をかしてくれたんでしょうね♪
各地に、もっと沢山の奇跡を起こしたいですね!
頑張れ!日本!

2011/3/21(月) 午前 3:16 [ chii ] 返信する

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