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昭和50年前後の頃だ。漫画のアシスタントの仕事が終わると、日課のように
新宿の街に繰り出した。
田舎者のぼくにとって新宿は大都会だった。見るものすべてが
珍しかった。
当時新宿サブナードの奥に「世界の煙草専門店」があった。様々な国の煙草がそろっており
眺めているだけで楽しかった。
その中にパイプがあったのだ。懐かしい思いにとらわれた。
亡き父がパイプ愛好家でパイプをくわえて斜に構えている写真が残っている。
子供の頃、この洋風の煙管が不思議で仕方がなかった。
一番安いパイプを買った。確か2千円前後だったと記憶する。葉っぱは「桃山」を買った。
これも父が好んで吸っていた銘柄だが、ぼくには何度吸ってもなじめなかった。
結局一番気に入ったのが「ロックンチェアー」だ。この葉っぱはチョコレートココアの香り
が甘ったるくて、いまでも愛煙している。
写真はダンヒルの「ロイヤルヨットミクスチャー」(イギリス)と「ボルクムリーフゴールド」
(デンマーク)香りはそれほどきつくない。パイプは当時のものとは違う。
漫画家のパイプ愛好家は、ぼくの知っている限りでは、藤子不二雄先生と永島慎二先生だろう。
お二人とも鬼籍に入られた。
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