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宮殿の食卓にも、実りの秋を感じさせる旬の農作物が、料理長や料理人たちの手によって並び始めました。
食欲の秋・・・。チェギョンの食べっぷりに圧倒されながらも、シンはチェギョンとの食事やお茶の時間を大切にしていました。
ある秋の日のお茶の時間・・・。
チェ尚宮とパン女官、チョン女官がお茶とお茶菓子を運んできました。
そして、執務室の中にあるテーブルの上に、お茶の準備をしました。
チェギョンが、シンの手を引っ張りながら、執務室に入ってきました。
チェギョン「今日のお茶菓子は何かしらね??とっても楽しみだわ」
シン「お前は相変わらず、食べ物のことばかりだな」
チェギョン「そんなことないわ、違うこともちゃんと考えてる」
そう言いながら二人は向かい合って座りました。
チェ尚宮「殿下、妃宮様、今日のお茶菓子は、料理長の手作りでございます」
シン「あぁ、あれだな」
チェギョン「これ、栗かしら??」
チェ尚宮「はい。栗でございます。栗の渋皮煮でございます。出来上がるまでに大変、時間を要します。殿下のお好きな一品でございます。沢山お召し上がりください、と料理長が申しておりました」
シン「ありがとう」
チェ尚宮、パン女官、チョン女官は、シンとチェギョンに一礼すると、部屋を出て行きました。
チェギョン「シン君、栗が好きだったの??」
シン「あぁ、栗の渋皮煮は、特に好きなんだ」
チェギョン「そうだったの??知らなかった」
シン「毎年、誕生日の前ごろになると、栗がお茶の時間や食事の後のデザートに並ぶんだ。料理長が作ってくれたものは特に美味しいんだ。ほら、お前も食べてみろ」
そう言うとシンはフォークで栗を刺し、チェギョンの口元へ持って行き、食べさせました。
チェギョン「わぁ、本当だ、とっても美味しい」
シン「だろ!!コーヒーや紅茶、どっちにも合うんだ」
チェギョン「シン君は、昔から食べてたの??」
シン「あぁ。特に料理長が作ったものは美味しかった」
チェギョン「料理長の作るものは、何でも美味しいものね!」
シン「お前は誰が、何を作っても美味しいと思うんだろ??」
チェギョン「シン君ったら意地悪ね。せっかくの美味しいお茶が不味くなっちゃう」
シン「妃宮様、口が過ぎました。申し訳ございません。よろしければこちらもお召し上がりくださいませ」
シンは、先程栗をチェギョンに食べさせたようにフォークで刺し、チェギョンに差し出しました。
チェギョン「シン君ったら・・・ホントにもう・・・」半分呆れながらも、チェギョンはシンを見てにっこり微笑みました。
シンもチェギョンを見て、笑顔になりました。
“シン君、栗の渋皮煮が好きだったのね。よしっ!!”
この時、チェギョンは、心の中で、あることを思いつきました。
シン君には勿論、宮家の家族にも内緒ね!!
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