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思えば、家族の団欒ができなくなったのは、兄上が亡くなり、自分が皇太子になってからでした。
ある程度の教育はうけていたものの、公務や勉強の時間は増え、家族と過ごす時間は無くなりました。
そして、いつか、家族の前でも父ではなく“皇太子”“皇帝”という仮面を被るようになりました。
また追放された恵政宮のことが気になっていました。
かつて愛した女性・・・兄上の死後、皇室の規則により追放された彼女を不憫に思っていました。
今思えば、彼女は、皇后になるために、自分の元を去っていったのです。
その後彼女は、兄上と結婚し、ヒョンはミンを妻に迎えました。
宮殿の中で顔をあわせても、温かい家庭があったからこそ、彼女に未練はありませんでした。
兄上が亡くなってしまわれて・・・。彼女が可哀相で仕方がないと思うようになってしまいました。
忙しさでごまかし、家庭を大切にしなかったのは言い訳に過ぎず、
どこかで彼女のことを想い・・・。
私は、自分が至らなかったばっかりに、子ども達だけでなく、
ミンの人生まで、台無しにしてしまった。
ミンが私の傍から離れてしまっては困る。
皇室のしきたりが・・・という理由ではなく、私が愛しているのは、ミンだから・・・。
ミンとの結婚が決まり、彼女を妻に迎えたときは、
ファヨンではなく、ミンを愛していたのだから・・・。
愛する人を14年間も悲しませてしまった。そして、子ども達も・・・。
私がミンをきちんと愛し、皇太子になってからも、もっともっとヘミョンとシンに
温かい愛情を注いでいたら、こんなことは起こらなかったかもしれない。
全ての責任は・・・他の誰でもない、私にある!!
私がもっとしっかりしていたら、シンは勿論、チェギョンやユルだって
傷つくことはなかった・・・。
いや、一番傷ついたのは、ミンだ。私がもっとしっかり、
彼女を支えてあげていたら・・・。
病気になった今も、彼女は公務をこなしながら、私の看病までしてくれている。
私は、なんて情けない男だったのだろう。
妻を支えてあげられず、子どもも信じず・・・。
一家の主としては、失格だな・・・。
ヒョンは、自分の前でソファに座ったまま、俯いているミンの顔を見ました。
そして・・・。妻の横へと、座りました。
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