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ヒョン「ミン・・・長い間すまなかった。全て私が悪かった」
ミン「えっ??」ミン妃は、夫が突然謝るので、驚きました。
ヒョン「皇太子になってから・・・私は、忙しいのを理由に、家庭を振り返ろうとしなかった。
そして、追放された兄の妻を可哀相だと思い、同時に彼女との昔の思い出に浸ってしまった。
今回の様々な事件の原因は、全て私にある。そこで・・・皇帝の座を退こうと思う」
ミン「陛下、どうなさったのですか?どうして急にそんなことを仰るのですか?」
ヒョン「ヘミョンに言われ、そして私の傍を離れる覚悟をしていると、そなたに言われて、ふと昔の楽しかった生活が蘇った。あの時は、本当に楽しかったし、温かい家庭が存在した。そして、とっても幸せだった。
でも私が皇太子となってから、私達の生活ががらりと変わった。公務に教育が忙しかった・・・と言えば、言い訳になるかもしれないが、子ども達には勿論、ミン、そなたともっと手を取り合い、助け合って日々を歩んでいたなら、こんなことは起こらなかったかもしれない。本当にすまなかった」
ミン「あなたが皇太子となり、宮に入ったあの日から、あなたは変わってしまわれました。
もう今までの生活ができないことはわかっておりました。やがて、妻として、女として見てもらえない、
愛する人に愛してもらえない、そう思ったときは絶望もしました。
ですから、立派な国母になろうと、自分に厳しくしてきました。
恥ずかしくない国母になろう、そしてシンが立派な皇帝となるまでは、あの子をしっかり教育しなくては・・・そう思い、生きてきました。
でも、自分らしさを宮の中でも無くさなかったチェギョンを見て、私は反省したのです。自分に厳しく、恥ずかしくない人間になるために、自分の感情を押し殺していました。そして、我が子に一番目をかけてあげなければいけないときに、厳しくしすぎ、私は“子どもを褒める、抱きしめてあげる”と言うことを忘れてしまいました。
そのせいで・・・シンは何重にも殻を作り、笑わなくなり・・・」ミン妃の瞳から、涙が零れ落ちました。
ヒョンは、慌ててミン妃の頬を伝う涙を、拭いました。
ミン妃は、反対側の頬を伝う涙を拭いながら言いました。
ミン妃「でも今は、チェギョンに感謝しています。あの子が、シンが閉ざしてしまった心を、再び開いてくれました。チェギョンに会わなかったら、シンは・・・いえ、宮ももっと大変なことになっていたでしょう。
チェギョンがはじめて挨拶に訪れた時や、入宮準備を始めたとき・・・。
彼女は、シンの妃にふさわしくないと思いました。でも、ふさわしくないと思っていたチェギョンが、
シンの心を開き、みんなの心を動かしました。
チェギョンは、宮に明るい光をもたらす、太陽です。皇太后様は、チェギョンのことを最初から可愛がってくださいました。
もしかしたら、初めてお会いになったときから、チェギョンの持つ魅力に気付いておられたのかもしれません。
皇太后様には勿論ですが、前皇帝陛下さまやチェギョンのお祖父様にも、感謝の気持ちを忘れてはなりません。
そして、今私達がしなくてはならないこと・・・。」
そこまで言うとミン妃は、深呼吸をしました。そして更に続けます。
ミン妃「チェギョンを一日でも早く宮に、いえ、シンの元に帰す事です。子ども達ばかりを犠牲にはできません」
ヒョン「そうだな。シンのために、そして新しく変わろうとする“宮”のために・・・早くチェギョンが帰ってこられるように、今度は私達が、努力する番だな」
ミン妃はヒョン殿下の言葉に頷きました。
ヒョン殿下は、ミン妃の瞳をまっすぐ見ていいました。
ヒョン「ミン、本当にすまなかった。謝っても謝っても詫び足りないことは良く分かっている。
だが・・・そなたに・・・いや君に・・・えっと・・・その・・・私のそばを離れてもらっては困る。
皇后としてではなく、これからも妻として、ずっとずっと私の傍にいてくれるか?」
ミン妃「殿下・・・」
それ以上は言葉になりませんでした。
ミン妃は、そのままヒョン殿下の胸に飛び込み、泣いていました。
ヒョン殿下は、ミン妃を優しく抱きしめ、彼女の背中を、やさしく擦っていました。
皇帝の改心 おしまい
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