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10月に入り、韓国も少しずつ、季節が秋に移り変わり始めました。
朝晩は、ぐっと冷え込み、宮家の庭の木々も木の葉が色づいたり、色づいた木々の葉が、
ハラハラと風に舞う風景も、見られるようになりました。
さて、10月のとある日の朝。
今日も皇太后様と女王陛下へ朝のご挨拶に向かう、シンとチェギョンの姿がありました。
シン「チェギョン、挨拶に行くぞ!」
チェギョン「待たせてゴメンネ。行きましょう」
シンは、チェギョンの手を取ると、一緒に歩き始めました。
シン「季節はすっかり秋だなぁ」
チェギョン「そうね。宮家に嫁いで、二度目の秋ね」
シン「そうだな」
チェギョン「あの頃のシン君は、待ってくれなかったなぁ・・・」
シン「そうだっけ??」
シンはわざと惚けてみました。
チェギョン「そうよ。待ってって言っても、僕の足は長いんだ!とか言って、一人ですたすた歩くんだもの。寂しかったわ。でも今は、こうして手を繋いで、季節を感じながらシン君と共に歩くことができるから、私はとっても幸せよ」
チェギョンは、シンの顔をみて、微笑みました。
シンもまた、チェギョンの言葉が嬉しくて、チェギョンをみて微笑みました。
皇太后様と、女王陛下の待つ部屋に到着したシンとチェギョン。
シン・チェギョン「皇太后様、女王陛下様、おはようございます」
皇太后・女王陛下「シン・チェギョン、おはよう」
チェギョン「朝晩は、ぐっと冷え込みますが、皇太后様も女王陛下様もお体は大丈夫ですか??」
皇太后「大丈夫です、チェギョン、有難う」
女王陛下「私も大丈夫よ。だけど油断は禁物ね。季節の変わり目は、体調を崩しやすいってみんな言ってるわ。あなた達も気をつけなさいね」
シン「はい」
チェギョン「ありがとうございます」
女王陛下「今日も公務に勉強に、色々と忙しいわね。無理しないようにするのよ。そしておばあさまも私も、お茶の時間に二人に会えるのを楽しみにしているわ」
チェギョン「はい、私も楽しみにしています。お茶の時間に、またこちらに伺います」
皇太后「これから朝食を摂るのであろう。あとでゆっくり会えるのですから、朝食を摂り、朝の準備をなさいね」
シン「はい、ありがとうございます。では失礼いたします」
シンとチェギョンは、一礼をすると、二人仲良く手を繋ぎ、部屋を出て行きました。
そんな若い二人の姿を見た、皇太后と女王陛下は、とっても嬉しそうに微笑んでいました。
挨拶を終え、東宮へ戻る時も、シンとチェギョンは手を繋ぎ、
二人仲良く、歩いていました。
秋の心地よい風が吹き、シンとチェギョンを包みました。
次の瞬間、チェギョンが「あっ!」と声を上げ、突然立ち止まりました。
シン「どうした??目にゴミが入ったのか??取ってやるから見せてみろ」
チェギョン「ゴミが入ったんじゃないのよ」
チェギョンは目を閉じ、深呼吸をしています。
シンは訳も分からず、チェギョンの様子を見ていました。
チェギョン「ほら、シン君も、深呼吸してみて。秋が感じられるから!」
シンはチェギョンに言われたとおり、深呼吸をしてみました。
シン「甘い香り・・・花の香りかな??」
チェギョン「ぴんぽ〜ん!大当たり!!これは金木犀の花の香りね。ここで香りがしたということは、このあたりに金木犀の木があるのかしら??」
シン「そうかもな。お前、良く知ってるな」
チェギョン「えへへ。金木犀の花が咲いたらね、甘い香りがするの。この花の香りがしたら、秋がふかまったんだな、っていつも思ってたから」
シン「そうなのか??」
チェギョン「うん。今年の秋は、シン君と一緒に感じることができたから、凄く嬉しい」
シンは「僕もだ」と心の中で呟きましたが、ちょっぴり照れくさくて、チェギョンを見て微笑みました。
シン「なぁ、チェギョン。朝ごはんを食べた後に、時間があるか??」
チェギョン「そうね、確か今日は何もなかったはずよ」
シン「じゃあ、散歩がてら、金木犀の花がどこに咲いているのか、散歩しながら探さないか??」
チェギョン「いいわね。私も空いた時間に、散歩したいなって思ってたの。決まりね」
二人は、お互いの顔を見て、ニッコリ微笑みました。
そして再び東宮殿に向かって歩き出します。
ちょっぴり早足で。
*秋の訪れ* 終わり
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