ぼちぼち*ぼちぼち

低音が むっちゃセクシー まさはるし〜(*^_^*)

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シンは東宮に戻ると、お茶の準備をしようとしていた女官たちに、「ちょっとやることがあるので、それが終わってからにします」と告げると、
自室に籠ってしまいました。

その様子を見たチェ尚宮は、パン女官、チョン女官と共に首をかしげました。

シンは御曹司3人に順番に電話をかけました。

「宮で大規模な皆既日食観察会を行うことになった。すまないが大量の観察グラスが必要になる。なんとか確保はできないだろうか??」

3人の回答は、売り切れ続出なのですぐに・・・とはいかないかもしれないが、何とか頑張ってみる、と言ってくれました。

「突然で申し訳ない。いつも無茶な願いを聞いてもらって悪いと思ってる。本当にすまない」

それぞれに、そのように謝ると「友達だから気にしてないよ。それよりお前、本当に変わったな」と返事が返ってきました。

御曹司三人組はシンがチェギョンのおかげで人形から温かい心を持つ人間に変わったことをよく知っていました。

そして、自分たちを大事に思っていてくれること、何かあったら頼りにしてくれていることがとっても嬉しく思えました。

「詳しいことが分かれば、また連絡するから、今日は携帯電話を肌身離さず持ってろよ」

そのようなやり取りをして、電話はそれぞれ切れました。

一通りの電話が済むと、シンは自室から出てきました。

部屋から出てきたシンを見て、チェ尚宮は一礼すると、シンに言いました。

チェ尚宮「殿下、ご用はお済みになりましたか??」

シン「はい、終わりました。いつもは大学から帰ってきてすぐにお茶を頂くのに、時間を狂わせてしまってすみません」

チェ尚宮「いいえ、とんでもございません。よろしければ、これからお茶の準備をさせていただきたいと思いますが如何なさいますか??」

シン「チェギョンもお茶を飲んでないのですか??」

チェ尚宮「はい。殿下が何かをお考えになっているのが気になると、大変心配されていらっしゃいました。お茶も殿下がお戻りになられてから
一緒になさりたいと仰り、お部屋で絵をお書きになると仰り、妃宮様のお部屋にいらっしゃいます」

シン「そうですか。チェギョンにも申し訳ないことをしました。では僕が呼んできます。すみませんがお茶の準備をしていただけますか??」

チェ尚宮「かしこまりました。では準備ができましたらお持ちいたします」

チェ尚宮はシンに一礼すると、お茶の準備をしにいきました。



シンはチェギョンの部屋に入りました。

チェギョンはキャンバスに向かい、絵を描いていました。

授業中にスケッチしたものに色を塗っていました。

夏の風景なのか、緑の山に青い空、白い雲が描かれていました。

どんな絵でも、チェギョンの絵は温かく、優しい思いが溢れているなとシンは思いました。

シン「待たせたな」

シンはチェギョンの背後から声をかけました。

チェギョン「わ!!シン君!!いきなり声をかけたらびっくりするじゃない!!」

シン「ごめんごめん。僕の用事が終わるまで待っててくれたそうだな、これからお茶にしよう」

チェギョン「シン君、お姉さまとのお話は終わったの??」

シン「あぁ終わった。だからゆっくりお茶を飲もう。チェ尚宮たちが、今準備をしてくれている」

チェギョン「分かったわ。続きは後から描くから行きましょう」

シンとチェギョンが部屋を出ると、お茶の準備が整っていました。


温かい紅茶にチェ尚宮お手製のクッキー。

チェギョン「わぁ美味しそう。これはお姉さんお手製のクッキーよね。お姉さんのお手製は何でもおいしいから大好きよ」

チェ尚宮「お褒めいただき有難うございます。沢山お召し上がりくださいませ」

チェギョン「お姉さん有難う」

チェ尚宮は微笑み一礼すると、その場を去りました。

お茶を飲みながら、クッキーをほおばるチェギョンに、シンは言いました。

シン「おい、チェギョン、そんなにほおばると豚になるぞ!!」

チェギョン「シン君、ブタって何よ、失礼ね」

そんなやり取りをしていると、スーツのポケットにしまったシンの携帯が鳴り始めました。

確認するとギョンからでした。

シン「もしもし」

ギョン「あぁ、シンか、待たせたな。今大丈夫か??」

シン「悪い、あとでかけなおす」

ギョン「そうか、分かった。じゃあとりあえず用件のみ言っておくから、あとで電話をくれ。日食観察グラスだが、確保できそうだ」

シン「本当か??」

ギョン「あぁ、本当だ、詳しいことはまたあとで話すよ」

シン「分かった。じゃああとで電話する。ありがとう」

そう言うとシンは電話を切りました。

チェギョン「シン君、大事な電話だったんじゃないの??ここで話しても良かったのに」

シン「いやいいんだ。さっき待たせた分、お前とゆっくりお茶を飲みたかったからな」

チェギョン「本当に??」チェギョンはそう言いながら、シンの顔を上目づかいで見ました。

シン「あぁ本当だ」すましてそう答えたものの、チェギョンの上目遣いの表情に弱いシンは、そのままチェギョンを抱きしめたくなる欲望を

かき消すように、クッキーをつまみ、一口食べた後、紅茶を飲みました。

シン「チェ尚宮のクッキー、本当に美味しいな」

チェギョン「でしょ。お姉さんが作るおやつもお料理も、本当に美味しいんだから」

二人はお茶を飲みながら、楽しい時間を過ごしました。



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*Natsuyasumi* その1

7月も中旬に入り、シンとチェギョンが通う大学も夏休みになりました。

学生たちはどこに遊びに行こう、とか、何をしようと夏休み中の予定を立てています。

でも、シンとチェギョンには夏休みなんてありません。

学校は休みでも、公務があったり、様々な講義があったり・・・。

いつも以上に慌ただしい毎日を過ごすことになりそうな夏休みですが、

それでも二人は一緒にいられることに幸せを感じていました。


夏休み前、学生は勿論、子どもから大人まで、ある話題でもちきりでした。

「皆既日食」

韓国でも久しぶりに皆既日食が見られるとあって、家族で観察する人、恋人同士で観察する人・・・。

日食の計画の相談はいたるところでされていました。

もちろん学校内でも・・・。

ギョン「なぁ、白鳥、俺達も二人で日食を見に行こうよ!!」

ガンヒョンは、ギョンを睨み、ひじで小突きながら言います。

ガンヒョン「なんであんたと見に行かなくちゃいけないのよ!!」(少しは空気を読みなさいよ、殿下とチェギョンは見たくても見られないでしょ)

ギョン「いいじゃん、ねぇ行こうよ」

チェギョン「ガンヒョン、行ってくれば。なかなか見られるものじゃないし、きっと素敵な思い出になるわよ」

ガンヒョン「チェギョン・・・」

ギョン「白鳥、アヒルがそう言ってるから、一緒に行こうぜ」

ガンヒョンはさっきよりもさらに睨みを利かせ、ギョンの足を思いっきり踏みました。

ギョン「いて!白鳥、ひどいよ」

そんなやり取りを、同じ場所で、静かに見守るイン・ファン・スニョン・ヒスンの姿がありました。

シンはチェギョンの横でチェギョンのことを思いつつ、ある提案をしようと考えていました。


宮に向かう車の中・・・。

チェギョンは思い切ってシンに言いました。

チェギョン「シン君、私もシン君と一緒に日食が見たい」

シン「その時間に公務の予定が入っていたら、見ることはできないぞ」

チェギョン「そうよね・・・。難しいわよね・・・。」

チェギョンは、悲しそうに窓の外を見ていました。

そんなチェギョンの表情を見たシンは、ヘミョンにある提案をしようと考えていました。



東宮につくと、カバンを置くなり、シンはコン内官を従えて、ヘミョンの元に向かいます。

チェギョンはチェ尚宮に言いました。

チェギョン「チェ尚宮姉さん、今日のシン君、どうしたのかしら??帰りの車の中でも何か考え込んでるようだったし、
今も帰ってきたと思ったら、すぐに女王陛下のところへ出かけたでしょう。本当にどうしちゃったのかしら??」

チェ尚宮「妃宮様、私にもなぜ殿下がお戻りになられてすぐに陛下の元に向かわれたかはわかりません。
ですがきっと何か大切なことをお考えになられているのだろうと思います」

チェギョン「そうね、そうかもしれないわね。そうそう、お姉さん、シン君が戻ってから一緒にお茶を飲む事にします。
シン君が戻ってくるまで、部屋で絵を描いて待ちますね」

チェ尚宮「かしこまりました」

そう言うとチェギョンは、自分の部屋に戻っていきました。


ヘミョンの元へ向かいながら、シンはコン内官に話しかけました

シン「コン内官、ずいぶん前から皆既日食についてみんなが盛り上がっているのですが、宮で働く人たちには日食を見る時間もありませんよね」

コン内官「はい殿下、多くの者はこの目で見たいと思っていると思われますが、その時間帯に見ることは不可能だと思います。
私たちは、どんなことがあっても宮家のみなさまにお仕えしなければなりません。それをおろそかにするようなことがあってはなりません」

シン「そうですか・・・。僕たちのために申し訳ありません」

コン内官「殿下がお謝りになることはありません。昔からのしきたりなのです」

しん「そうなのですが、申し訳ない気がして・・・」

コン内官「殿下がそのようなお気持ちをお持ちでいらっしゃることで十分でございます。私は嬉しく思います」

そんなやり取りをしていると、ヘミョンの元へ到着しました。

尚宮がシンの到着を告げました。

尚宮「皇太弟殿下がお見えになりました」

ヘミョン陛下「通しなさい」

しばらくすると、シンが部屋に入ってきました。

シン「陛下、お忙しいところ、大変申し訳ありません。お時間を頂き、有難うございます」

ヘミョン「ちょうど私も休憩したいと思っていたし、皇太弟殿下にお話がありましたので、出向いていこうと思っていたところです」

そう言うとヘミョンは人払いを命じました。

ヘミョン「さぁ、ここからは姉と弟で話をするわよ。で、シン、あなたが私のところに来たのは後数日後に迫った皆既日食のことでしょう?」

シン「姉さん、なぜそれを・・・?」

ヘミョン「やっぱりね、そうじゃないかと思ったわ。天体の事に興味があるシンのことだもの。見たいって言うに違いないってずっと思ってたわ」

シン「姉さんには隠し事ができません。実は学校でもそのことが話題になっていて、チェギョンが友人たちの会話を聞いてしまいました。
友達の前では、私はいいわ、なんて言ってましたが、本音はチェギョンも見たいと思います」

ヘミョン「そうね、チェギョンの気持ちはわかるわ。私も見たいもの。始まる前からとっても話題になっているのよ。あそこまで話題になれば、
誰だって見たいと思うでしょう。シンだって見たいのでしょう?」

シン「はい。僕も見てみたいです。僕だけではないようで、コン内官も口ではその時間帯に見ることは不可能なので、というようなことを言っておりました。
コン内官だけでなく、宮家で働くすべての人々がこの現象を見てみたいと思っているのでは?と僕は思うのです」

ヘミョン「そうね、なかなか見ることができない現象だもの。誰だって本音は見たいと思っていると思うわ」

シン「それで、一つの提案なんですが・・・」

ヘミョン「みんなで一日だけ夏休みを取って、観察会をしたいんでしょう??」

シン「姉さん!!僕の想っていたことを先に言うなんて、ずるいです」

ヘミョンはくすくす笑うといいました。

ヘミョン「やっぱりね、そうじゃないかと思ったわ」

シン「ちょっと違うんですが、その時間帯だけみんなに業務を休んでもらって、宮家の庭で観察するというのは如何でしょう?」

ヘミョン「そうね、すべてを休みにしてしまうと大変だし、みんなに一時的に休みを与える・・・というのは不可能です。
でも、私たち家族が公務の一環で日食を見た・・・ということを記事にしたらどうかしら?写真もごく最初のところだけ撮ってもらって、
あとはみんなで観察したらどうかしら?すべてが終了した後に皇室専用ニュースで揚げてもらえればみんながいっせいに休みをもらったなんて思わないでしょ?」

シン「そうですね。食事も、外で気軽に食べられるものを準備していただければ、みなさん、日食を楽しんだ後に、その場で食事ができます。
みんなで一斉に食べることもなかなかない機会ですし、ちょっとしたピクニック気分が味あえて、楽しいかもしれません」

ヘミョン「そうね。それも面白いかも!!でもそうなると、たくさんの数の観察用グラスが必要になるわ」

シン「大丈夫です。そのあたりはなんとかなりそうです。今から心当たりを調べてみます」

ヘミョン「そうね、お願いするわ。今のところ日食当日の大きな公務は入っていないから、明日の朝の時間にでも家族には伝えられるわね。
他の部署には、これから文章で伝えます。料理長には私がこれから話をしに行ってくるわ。なんかわくわくしてきちゃった。当日が楽しみね」

シン「はい。お祖母様にも父上や母上、チェギョンにもまだ内緒にしておいた方がいいですよね」

ヘミョン「そうね、明日大騒ぎになるわよ。反応を見るのが楽しみね」

シン「では、サングラスの確保の手配をしてきます」

ヘミョン「お願いね」

シン「姉さんも。では失礼します」

ヘミョン「シンまたね、チェギョンによろしく」

シンは一礼すると部屋を出て行きました。


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