桜のためいき

日本と帝国海軍大好きな人間のつぶやきです。

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日本人ならだれしもが知っている、と言っても過言ではない「軍艦大和」。
昭和20年4月7日に菊水作戦発動とともに沖縄を守るため、第二艦隊の9隻とともに向かったものの東シナ海で待ち受ける米軍によって撃沈された「悲劇の軍艦」。
 
その乗組員の一人、小笠原嘉明兵曹長(戦死時上等兵曹)というかたを知ったのは、辺見じゅん氏の「男たちの大和」と「女たちの大和」(いずれもハルキ文庫)である。
工作科上等兵曹として海上特攻作戦にのぞみ、無傷でありながら「大和」とともに東シナ海にその身を沈めて行かれた小笠原兵曹長。
 
そのご尊顔を初めて拝したのは今から2年前のある日、靖国神社の遊就館でのことであります。
ご英霊のお写真のあるコーナーに置いてある検索用の名簿を何気なくめくっていたら「小笠原 嘉明」のお名前に胸がドキッとした。
「もしかして・・・」
と、そのお写真のある場所に向かう。
そこに小笠原兵曹長はいらした。確かに「大和」に乗っていて戦死なさった方です。
とても優しそうな、しかし強い意志がその瞳から伝わってきます。
 
この方の御遺書を、今(平成22年12月8日まで)靖国神社遊就館の「神風 そのふきゆくかなたへ」という特別展示でお写真とともに展示されています。
 
便せん数枚にびっしりと書かれた、ご両親と愛妻・愛子さまあての御遺書。
この御遺書は、辺見じゅん氏の「女たちの大和」、「故郷の護国神社と靖国神社 (靖国神社編 展転社発行)」の御本の中でその一部を読むことができます。
 
あの頃の軍人らしく、今読むにはちょっと難しい言い回しと文体の御遺書ではあるが、自分の頭で平易な文章に直してみるととても、特に愛妻・愛子さまに対する大きな愛とそして帝国海軍軍人としての覚悟に満ちたものであることを思い知らされる。
 
私なりの読み方でここにご紹介したいと思います。
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 妻への遺言(抜粋)
 
私が国難に殉じてゆくことがあってもやたらに慌てふためくことなく普段からおしえてあるようにして泣いてはいけない。と言っても無理か。
泣きたいときは涙が枯れるほどに泣きなさい。そして涙が枯れたら元気に働いて自分で生きる道を探りなさい。働けば悲しみも忘れることができるだろう。
私は生きている間、家に対して献身をしたとは言えない。が、私に対しては短い縁ではあったが献身的な苦労もし、よく私に尽くして幸福な思いをもらったこと礼を言うが子供は親に対して三つの大恩があるのだ。
それはこの世に産んでくださった恩・教育をしてくださった恩・今日まで育ててくださった恩。私の親は愛子の親だ。
私はこの大きな恩に御恩返しをしないでゆくのだから、私がいなくなった後は私の分も親に孝行して従ってほしい。
だけれども、私亡きあとに私にちょっとばかりの義理立てして、せっかくの幸せを逃してはいけないよ。再婚の道があるならそれもいい、(あるいは)我が家を守って親に従うものいい。
「(戒)自活の道を開くは良しなれど女子、男子を知りたる者貞操を守り難し。男子、女子を知りたる者貞操守り難しと申すゆゑ不義にて家名を汚すなれば誰に遠慮することなく再婚すべし」 子供ができていても私の両親にゆだねて再婚しなさい。私は国民の幸せのために死んでゆくんだから、愛子がもう一度幸せになれたらこれもまた私の喜びなんだよ。
今や一億国民が打ち揃って一丸となって、火の玉になって国難に当たる時だ。自己主義者なんかは敵だ。気ままとかわがままなど許される時ではないぞ。
以上、色々と話してはきたけれど夫としてたった一つ残念でならないことは健全な血統を残せなかったことか。
私の身体は例え南海の藻屑となって消え去ったとしても、私の心は愛子の血の中に生きているのだから、それを心に深く刻んでおきなさい。
  昭和二十年一月
                         海軍上等工作兵曹 小笠原 嘉明
  愛子へ
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
原文にない表現があるかもしれませんがこれが私なりに読ませていただいた小笠原兵曹長の愛妻・愛子さまへの御遺書です。
深い愛情と、自分が亡い後の妻の行く先を案じる心、老いた親に対する心配、そして国を想う心・・・
それらがないまぜになって、これを読む「平和の時代」を生きる私を圧倒します。
これをお書きになったわずか2カ月ほど後、兵曹長は戦死なさいます。
4月8日未明、呉市の自宅二階でお休みになっていた愛子さまは、「あいこ、愛子・・」と名前を3回呼ばれて目を覚まし、下の玄関に降りてゆかれました。
玄関には白の海軍服を着た兵曹長が立っていましたが「お帰りなさい」と声をかけたとたん、背を向けて消えてしまわれたそう。
兵曹長はそのご最期に臨んで愛する奥様に別れを告げにいらしたのでしょう。
この辺と、その後の事情に関しては辺見じゅん氏の「「女たちの大和」を読んでいただければと思います。
 
愛する者を、心を断ちきって戦いに臨んで、そして散っていた多くの兵士の皆さんがいたということを私たちは決して忘れてはいけませんね。
その尊い御霊にこたえるためにも今を生きる私たちはもっと真剣に日本の明日・未来を考えて作ってゆかねばなりません。
 
 
私のつたない、語彙の乏しい表現で大事な御遺書を汚してしまったことを、ここに小笠原兵曹長の御霊と、奥様の愛子様にお詫びいたしますとともに、兵曹長のご冥福を衷心よりお祈りいたします。
 
 

閉じる コメント(10)

まさに帝国海軍軍人の精神ですし、小笠原兵曹長のご冥福を心よりお祈りいたします。

私の祖父も海軍少将として戦死しており、墓所には遺骨もありません。

傑作○です。

2010/8/28(土) 午後 1:32 近野滋之

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素晴らしい御遺書です。
目頭が熱くなりました・・・

ご紹介いただきありがとうございます。

傑作

2010/8/28(土) 午後 3:56 保守の会会長 松山昭彦

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男の妻への本当の愛情というものを感じました。

傑作

2010/8/28(土) 午後 4:48 [ 敬天愛人 ]

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見張員様の素晴らしい記事の後に離婚云々とかふざけた広告を掲載するYahooに怒りを覚えます!

傑作○です。

2010/8/28(土) 午後 5:49 愛國

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こんの様
御祖父さまは今どのような思いで日本を見ていらっしゃるのかと思うとやり切れません。小笠原兵曹長もきっと忸怩たる思いでいらっしゃることでしょう。
日本をかつてのようなしっかりした国にすることが私たちに課された急務と思います。
傑作感謝です!!

2010/8/29(日) 午前 8:39 [ 見張員 ]

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さくらの花びら様
この御遺書は兵曹長29歳の時のものだそうです(数えだと31でしょうか)。
今の同じ年齢の日本人がこれだけのものを書けるかといえば・・・。

傑作感謝です!

2010/8/29(日) 午前 8:42 [ 見張員 ]

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敬天愛人さま

かつての男性に、限りない魅力を感じますね。それはゆるぎない信念に裏付けされた愛情があるからだと思います。べたべたとくっ付くことが愛だと思っている若い人にはちょっと理解しがたいかもしれませんね。
傑作感謝です!!

2010/8/29(日) 午前 8:45 [ 見張員 ]

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愛国様

人はそれをKYという・・・というやつでしょうかww。
お怒りありがとうございます。
そしていつもご訪問いただき感謝です。
傑作もいただき感謝です!!

2010/8/29(日) 午前 8:47 [ 見張員 ]

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先日7日は小笠原兵曹長のご命日です。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

ところで、小笠原兵曹長と奥様の間には、こんなエピソードがあったと聞きます。
ある日、奥様が闇市場でカレイを買ってきて
小笠原兵曹長に食べさせようとしたところ
叱った後「闇で買ったりしないでほしい。軍服の僕に恥をかかせないでほしいんだ」と諭されたといいます。
まさにニッポン男児の誇りですね。
翻って現代。
自己の欲望のためなら、インチキしてもOK.
法にさえ触れなければ、何をしでかしても
人に嫌な思いを避けてもわれ関せずといった
厚顔無恥な人が目立ちます。

戦陣に散った英霊の心が思いやられますね。

2014/4/8(火) 午前 0:38 [ ねこ ]

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ねこさんこんばんは!
小笠原兵曹長が亡くなってもう来年で70年となりますね。歳月の流れの速さは残酷であるとさえ思う時があります。

ご紹介のエピソード、これこそ日本男児、帝国軍人だと思いますね。軍人であるという誇りそして日本人の矜持を護られた小笠原兵曹長のような男性にこそ憧れますが、いわゆる『自己チュウ』と呼ばれるような日本人にはがっかりのタメイキしか出ませんね。
御英霊を泣かせるような日本人であってはなりません。

靖国神社遊就館に小笠原兵曹長のご遺書が展示されていますね。

2014/4/8(火) 午後 10:39 [ 見張員 ]


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