桜のためいき

日本と帝国海軍大好きな人間のつぶやきです。

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ことのほか寒かった平成二六年の冬も、関東周辺ではそろそろ終焉なのだろうか。
待ちにまった桜が咲き始めて心嬉しい日々である。出来るなら花をめでに行きたいものだが仕事がある身であるからそうもゆかぬ、今年は六日に九段へ桜を拝みに行くつもりである。その日まで散らないで待っていてほしいと切に思う。
そういえばその頃には九段周辺だけでなく各地の桜の名所で花見がにぎやかに行われることだろう。すでに行われている場所もあると聞き及ぶ。どうかマナーを守って良い思い出にしてほしいと願うばかり。
私自身はそれほど酒も飲めないし、大騒ぎする花見は好きではない。
以前建て替えをする前の家では、棟続きの叔父の家の前に大きな桜の木が植わっていて春になるたび素晴らしい花をたくさんつけて、私はこどもたちと自家用トラックの荷台に、『花見弁当』を作ってあがり桜を見ながら楽しく食べたことを懐かしく思いだす。
その桜の樹は、叔父の家の解体および駐車場にするために切られてしまった。が、その枝が駐車場の隅に植えられてそれがずいぶん大きくなって今年も花をつけた。
その一部を手折ってきてコップに差し、『大和』他の人形の前に供えた。
 
内地の桜です。
今年も立派な花をつけましたよ。
 
呼べど答えぬ英霊たちにそっと口の中で呟きささげる二枝の桜はまだつぼみ。しかし間もなく開き始めるだろう。その日が楽しみである。
 
私がいわゆる花見が好きでない、気が進まない理由の一つが以前読んだ本に書かれていた光景が嫌でも脳裏をよぎるからで、それはかの『菊水作戦』で出撃し奇跡の生還を遂げた『雪風』他の駆逐艦の艦上の話。
戦死者が一人もいない艦は「初霜」くらいなもので他の残存駆逐艦は数名以上の犠牲者を出している。その中の一つの艦の甲板に戦死者が並べられている。
艦は内地に戻ってきたが敗戦の痛手をこうむり皆押し黙っている。艦には救助された『大和』他の将兵たちも乗っている。
佐世保に入港する艦、その将兵の目に爛漫の花を咲かせた桜が見えてきた。折からの春風に吹かれてその花びらが艦にまで舞ってくる。優しい桜色の花びらは優しく傷ついた将兵たちの肩に舞い降りたのだろう。ある将兵の目に、甲板に寝かされている戦死者の顔や体にその桜の花びらが舞い降りるのが見えた。
血に染んだ物言わぬ将兵の体を飾る桜の花弁。
その将兵はあふれる涙を抑えられなかったという。
 
また別の艦上。
同じく佐世保に入港する駆逐艦上から満開の桜を見た兵が「櫻が、櫻なんかが咲いてやがる。俺たちが血みどろの戦いをして戦友をたくさん死なせたのに!」と叫んで甲板上を走り回ったという。
その兵隊の心内はいかばかりだったのだろうか。簡単に推し測ることはできないが、決死の覚悟で出撃し、戦友たちの無残な死を目の当たりにしてきた彼にとって、生きて帰った内地では桜が何事もなかったかのように咲いて人々も(当然ながら)彼らのむごい戦いなど知る由もなく生活を送っている。その落差がどうにもたまらなかったのではないか。
その時、桜という花は彼らにとっては<自分たちの凄惨な戦い>と<それを知らない者たち>の埋めようもない溝の間にまたがる存在だったのかもしれない。
 
そんな話を読んだためか私は、大騒ぎの花見はしない。出来ない。
桜を見ると必ず、その話を思い出す。「櫻なんかが」と叫んだ兵は戦後、櫻をどう見たのだろうか。そして――桜の花びらをまとって永遠の眠りについていた将兵は今、この<平和>な日本の桜をどう見ているのだろうか。
 
              ・・・・・・・・・・・・・・・
家の裏に植わっているかつての桜の名残の一枝です。
「私の神棚」と呼んでいる『大和』『武蔵』『回天』他の人形が飾ってある所に置いてみました。私なりの御供養です。
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