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いま、エジプトに火がついている。連日、数万人規模の反政府デモが起き、30年近くに渡り独裁といってもよい体制を維持してきたムバラク大統領の退陣を求めている、という。 エジプトというとアラブ穏健派と呼ばれており、なんとなく民主的なイメージをお持ちの方も多いと思われるが、ほぼ一党独裁の体制が続いており、国家元首となる大統領は法律上は議会の承認により6年間の任期でもって指名されることとなってはいるが、政党活動を制限することによりなかば独裁制度を強いているにも等しい。現在、批判の矢面に立たされているムバラク大統領は御年なんと82歳、前任のサダト大統領の暗殺が1981年のこととなるのでそれ以来なんと30年間もその職務にしがみついていることになる。最近、政権の座にこだわり続ける民主党と揶揄されることも多いが、かわいらしいものだ。それよりはるかに長い期間をたった一人で政権にしがみつづけている体制を独裁といわずにいったいなんと呼ぶことができようか。わが国ご近所の独裁国家と呼ばれる北朝鮮の将軍様もびっくりである。 このエジプトのデモに火をつけたともいわれているのが、エジプトから見て北アフリカの隣国と呼んでも差し支えないであろうチュニジアでの政変である。 チュニジアというと、同僚と話をするときにも比較的治安が安定しているし、第一に政権が磐石だからという話をすることが多く、美しい国だよねというのが一般的な評価だったのだが、裏を返すと独裁体制といえなくもないような状況が永年続いており、欧米流のフィルターを通してみるとなんとなく安定しているように見えただけ、というのが真相でもあるようだ。チュニジアの独裁体制については、恥ずかしながら今回、当地での報道を聞いていて初めて知った次第であるが、今回亡命したZine El Abidine Ben Ali(通称ベンアリ)大統領は1987年11月以来昨年末に反政府デモによって国を追われるまで23年間に渡り大統領としての職権と地位を維持し続けたことになるそうだ。エジプトとは少し違い、議会民主制が敷かれていたようだが、与党以外の政党が皆無という状況が長く続いており、実質の独裁政治といわれても仕方がない状況が、ただ単に親欧米の政権であり、かつては反リビアという立場をとっていたこともあり、特にアメリカからの強い支持がこの状況を固定化するのに大いに貢献したそうだ。 ここにも欧米諸国の影が見え隠れしてくるわけである。 今日は、珍しく社会派なのだが、チュニジアということで、チュニスからのチュニスエア。 年末には、フライトも止まっていたようだが、年明け以降はスケジュールも通常に戻りつつあるようで、この日もいつものようにエアバスA319で飛来。レジは、TS-IMQ。 こちらは、エジプトエア。 昨日のフライトはキャンセルされていたようだ。本日のフライトは、Delayedという表示のままだが果たして到着するのかどうか…?写真は昨年末にドバイでの撮影。まだ、旧塗装をまとったままのA340。 おっと、話がそれそうになった。この両国での革命(と、呼んでもよかろう。)、いずれもその火付け役がTwitterやFaceBookといったインターネットを通した口コミ情報の情報が民衆をつなげたのだそうだ。一昔だと考えられない話だが、これだけインターネットが世の中に普及してくるとあながちありえない話でもないような気がしてきます。人づての話によると、現在エジプト国内では、インターネットの機能が大幅に制限されているようだが、それもいつまでも続けるわけに行かないと思われるので今後に注目である。 風が在住するUAEを含むGCC6カ国やエジプトを含むアラブ諸国の国々のうち、表立ってイスラエルに反旗を翻していない国々は悪く言うと欧米に迎合しながら政権を運営している国ともいえる。しかし、それらの国々のうちで民主主義と呼ばれる国民主体の政権を維持している国家は一つとして存在しない、というのは厳然とした事実だ。今回のエジプトやチュニジアは大統領という一見、民間から選ばれた国家元首が国を治めているような国で、一応は共和国と呼ばれているので、形式上は民主国家と呼ばざるをえないが、当地をはじめとする、湾岸諸国はいずれも法律的にも絶対君主制を維持し続けており、王の支配が続いているのである。国の施政はすべて国王に託される。また、当然のことながら一般人には選挙権はなく選挙そのものが存在しない、従って、すべてが世襲される。こういった古い生態の国家体制をアメリカ/ヨーロッパ諸国が石油利権を抑えていくのに都合がよいから、という理由の下に余分な情報を自国民にすらオープンにせずに支持してきた、これをダブルスタンダードといわずになんと呼べようか。 親欧米だから、リベラルということにしておこう、リベラルというイメージを植えつけておかないと、他のならず者国家との差別がむづかしくなるという程度のことに過ぎないのであろう。ちなみに今回のエジプト/チュニジアの両大統領も対イスラエルという点に関しては、明らかに親欧米でありその点に関しては、その国民に対する独裁という事実を世界に伏せてでも維持しておくことが、欧米諸国の理にかなうという理由で永年にわたる独裁を認めてきたに違いはあるまい。この期間に、莫大な個人的な利益を享受できたであろうことも恐らく間違いない。それを国民に見抜かれた。ただ、それだけのことなのであろう。 前段で述べたこととダブルが、アラブ諸国でこのような独裁がまかり通るひとつの理由として、その独裁を欧米諸国が自分たちの石油利権を維持しかつ欧米に反対するイラン/イラクなどへの見せつけの意味も含めたひとつの手段として黙認してきた、ということがいえる。また、もうひとつサウジ/UAE/カタール/オマーン/バーレーン/クウェートのGCC6カ国に関して言えば、国民からの反感を買わないように、王族が石油利権により得た利益を徹底的に国民に還元してきた、ということも大きな理由として挙げられる。これら、6カ国には所得税は存在しない。税金を納める義務は課せられないのだ。それでも、必要以上の社会資本が整備され、行政サービスも提供されている。 また、当地ではUAE人子弟の教育費は無料、また学力に応じて欧米諸国への留学も国費もち、となる。 国費といっても国家予算の出所が、ドバイ首長国の場合はマクトウム家、アブダビ首長国とドバイ首長国以外の首長国へはナヤーン家ということになり、実質、国王によりそのすべてをまかなわれている、というのが実情でそれを国家予算と呼んでもよいのかどうか若干、疑問の残るところではあるが…、要するにすべて、絶対王権を認めることによりすべてを与えられるのである。 また、UAE人の結婚が決まると、新しい家族には新居が政府より支給される。また、事業を始める資金もしくは農地を政府から支給されるといった具合にいたれりつくせりなのである。日本で最近問題となる医療費についても、国立病院にかかる限り医療費は原則無料で、民間の海外資本の病院を受診する場合にのみ、有料となるなど、文句を言って政権が変わったところでこれ以上の利益を享受できると考えるノー天気な人間はまずいないと思えるほどいたれりつくせりとなっており、この事実は安定した下絶対王政の源泉であることは間違いない。 個人的な主観だが、この豊かさを維持できるかぎり、湾岸諸国での独裁体制が崩れることはしばらくはなさそうである。 が、資源を持たないあまり富まないアラブの国々、こちらはこれから厳しい状況が予想される。欧米諸国とて、このように各国の民衆運動に対しては、今までの対サダムフセインや対イランのようにはいかないであろう。民衆のデモに爆弾を落とすわけにはいかないし、民衆よりのフリをしたイスラム過激派に爆弾を落とすわけにも行かず… エジプトのデモは、いまやヨルダン/イエメンにも伝播しつつあるようで、インターネットを介して民衆が決起ということになると、もはや誰もとめることができなくなる。一昔前であれば、偏った報道を流すことによりある程度の情報を制御できたのだろうが、もはやそれも困難。管理された紙の情報と映像情報を流すことにより、民衆を管理してきた近代欧米型の情報管理が破綻をきたしつつある、ということなのではないか…、そんな大げさなことも考えてしまう。 ちなみに、当地のインターネットの検閲にもかなり厳しいものがあり、エロサイトになかなかたどり着けないとかいうどうでもよい話から少し宗教的な話になるだけでBlockされるなどかなり統制されているのだが、そんなBlockをはずすSoftがどこからともなく出回ったりと、ITの世界の情報のはやさには、なかなか政府レベルでは対応できないのではなかろうか きっと、エジプトでも同じようなことがおこったんだろうな、きっと政府も情報を抑えきれなかったんだろうな…、と、考えると最近、悶々としてきたことに少し答えが見えてきたような気がしてすっきりとした気分になってきた。 閑話休題。 躍進を続ける中東のエアライン、それを国ごとに分けてみると…、こんな感じかと… (チュニスエアとエジプトエアは、残念ながら負け組みなんでしょう…) いまのところ、勝ち組(引き続き独裁を通せそう…) 筆頭は、ここしかないでしょ… 今回のアジアカップも、当然のことながらカタールエアともどもスポンサーエアライン 飛ぶ鳥も落とす勢い、といえば オマーンも、資源国家。マスカット空港は大拡張中。 エアライン自体は、泣かず飛ばずですが…、まあ国は勝ち組ですわな… ここは、民間機だけじゃないですから…。勝ち組のなかでもエース 負け組みは… イエメニアは、負け組みでしょうね…。資源に恵まれないところが致命的でしょうか?? 一時は、勝ち組だったんですが… アメリカ親分にたてついた結果… 本来、こちらも勝ち組なんですが… 現在、アメリカ親分と徹底抗戦中。 現在、湾岸の旺盛を引いている国々の人々がしきりに、この国の過去の事を持ち出します。民衆によるイスラム革命の前は、豊かな国だったのに…、と。。。 国の将来を見極めるうえでどちらがよかったのかは、正直よくわからないのだが… さて、長くなってしまったので、今日のまとめ。 風が、少し気が楽になったと感じるのは、今までの通常の国家による情報管理が機能しなくなりつつあり、ある種のパラダイムが起こりつつある、ということが理由である。 これは情報のパラダイムシフトとも呼ぶべき革命で情報伝達を一部の政権中枢の人間だけで担うことが困難になってきた、ということ。 アメリカや中国という巨大な多民族国家を統制してきたのは情報操作というツールが機能していたとも言われているが、そのツールが変調をきたしてきたといえるのではなかろうか。だとすると、天安門事件で下火になった(と言われている)中国の民主化も案外ありえない話ではなくなってくるかもしれない、そうすればもう少しまともに話ができる隣人となりえるかもしれない、という淡い期待がわいてくるではないか。 はたしてその期待や如何に… 追伸、オマーン航空の写真が、入れ替わっていたようで…
たった今、入れ替えました… |
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