|
まずは、下記のリンクをご覧いただきたい。 自動車事故後の揉め事であろうか、車を留めての喧嘩の状況が映し出されている。まあ、喧嘩というよりは一方的な虐待、とでも称するべき状況といえるかもしれない。 片方の白装束のおじさんは、アラブ人、当地ではエミラーティーと呼ばれている地元のおじさんである。一方のワゴン車の運転手と思しき人物はおそらくインド人、当地周辺のアラブ金満湾岸諸国ではよく見かける出稼ぎの労働者である。 このアラビックのおじさん、何に腹を立てて、しきりに殴りかかっているのかは定かではないが、自分のご自慢のランクルにワゴンごときでぶつけやがって、くらいの感覚かもしれない。あるいは、ラマダン中の現在、空腹により『腹の虫の居所が悪かった』だけかもしれない。 まあ、我々日本人には、いずれにせよ理解不能である。 以下は、風の勝手な解説である。 まず、ドバイの2012年末の人口は約226万人である。たびたび触れてきたかとおもうが、そのうち、エミラーティーと称する地元民(ローカルピープル)は、たったの20万人に過ぎない。この街は、我々を含めて多くの外国人が地元民以上に生活しているのである。もちろん、大きな人口は、GDPを押し上げることにもつながるがゆえに、経済は当然のことながら活性化する。それこそが、ドバイ首長国が目指す国家方針でもある。 しかしながら、220万人の生活を支えるための労働力を20万人で供給できるはずもなく、写真で写っているような単純労働である運転手や建設作業員といった労働力は勢い外国人の手で担われることとなる。その担い手たる外国人の多くは、インド/パキスタン/バングラディッシュなどのもともとのイギリスの植民地つながりの諸国からであったり、最近はソマリアやスーダンといった貧しいアフリカ諸国からであったりする。 一方、オイルリッチな当地の地元民たちの多くは、政府関係機関などで優先的に働くことを約束されており、また、生活補助が施されたり、子供たちの教育費が免除されたりと、至れり尽くせりである。当地を含むオイルリッチな湾岸諸国にエジプトやチュニジアなどの貧しいアラブ諸国からの『アラブの春』革命が伝播してこない、理由のひとつでもある。出稼ぎ労働者を除く国民は裕福なのである。 ただ、その裕福さを支えているのが、アジア諸国やアフリカ諸国から出稼ぎでやってくる単純労働者の労働力のおかげ、ということを、おそらく本当の意味では誰も理解していないものと思われる。 その優越感が、このビデオのような状況を引き起こしたものだと、風は確信する。 なお、この白装束(カンドーラという伝統的な衣服、ちなみに、風は、カンドーラを着た彼らのことを『オバキュー』と呼んでいます。年齢がばれますね。。。。富士子富士夫氏のオバキューです。)を着たエミラーティーは、ドバイ政府の高官だそうである。 オバキューの車(トヨタ、ランクル)のナンバーに注目すると、3桁の番号であることに気がつくが、これは、エミラーティーでもかなり上位に位置する家系の出身者である場合が多く、当然、ドバイ政府の高官、というのも納得がいく。ただし、それだけの人物の振る舞いとしてはあまりにお粗末かとは感じるが、それはあくまでも西洋的な正義感に基づく感情であり、決して当地の人々が同じような共感を感じるわけではない、というところに注意する必要がある。 ただ、とにかく西洋文明を広くオープンに受け入れることにより欧米人をたくさん集め、経済を活性化させることを、ドバイ首長モハメッド殿下の国策としている当地のこと、このようなビデオが出回ったことは大きなスキャンダルとされ、加害者は、逮捕拘留された、とのことである。 ただ、ここまで話が大きくならなければ、彼が警察のご厄介になることはなかったはずであり、彼もまったくそのような状況を想定していなかったはずである。ある意味、You Tubeが、このインド人ドライバーを救った、とも言えるかもしれない。その意味では、いつぞやの日本での事件同様、You Tubeというのは恐るべきメディアである、というべきかも知れない。 ついでに、もうひとつ後日談を付け加えると、このYou Tubeに画像を投稿した人物も警察に逮捕拘禁されることとなった。肖像権の侵害だそうである。この国の、前近代性と法治国家たらんとしていることとの矛盾を垣間見た気がする。 インド人を殴打した加害者は、傷害罪で1年以内の懲役もしくは10,000AED以内の罰金。 盗撮野郎には、肖像権侵害で2年以内の懲役もしくは20,000AED以内の罰金。 えっ????である。。。
|
全体表示
[ リスト ]





まじかんしゃ
2017/12/8(金) 午前 11:38 [ ぉっぽんぎ ]