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エミレーツ航空が世界最大のエアバスA380のオペレーターとなる、ということはすでに報告したとおりである。 この32機のスーパージャンボに続く大型の発注を考えている、ということが新聞報道されていた。 来るファーンボロショーで、更なる発注が正式発表されるようである。 たびたびご紹介しているが、エミレーツ航空の創立は1985年、今からわずか25年前のことである。以来、急速な成長を遂げてきたわけであるが、今から10年前の2000年時点でも旅客輸送能力は、国際線における提供座席数を指標としたときに、24位。これは、25位のサベナ航空とほぼ同じ規模の航空会社であったことを意味する。一方はマーケットから姿を消し、もう一方は当時の一位と三位の組み合わせであるBAとルフトハンザの提供座席数を合わせた数字より大きな提供座席数を誇るまでに飛躍している。 今回のA380の大量発注により、提供座席数がさらに増加することが容易に想像される。 写真は、現在、エミレーツ航空が最大のオペレーターとなっているアメリカはボーイングの売れ筋飛行機のボーイング777-300ER型機 次の発注機材が、エアバスのA350なのか、それともボーイングのドリームライナーになるのか?というところに興味が惹かれるが、すでに大量のトリプルセブンを運用しているところから、次の中型機としては、A350を選択するのではないだろうか??とは勝手な推測であるが…。 というのも、当地、常にアメリカとヨーロッパに等距離を保つような政策を維持しており、UAE空軍の主力戦闘機は、ミラージュ2000とF16ブロック62を併用し、次のミラージュ2000の置き換えにはラファールが最有力ときているくらいである。 スーパージャンボ、A380。ずんぐりむっくりの機体であるが、その収容力はすばらしく、かつ燃費にもすぐれているらしい。その結果、シートマイルコストは現在実用化している他のどの航空機よりもすぐれている、とはエアバスの説明であるが、エミレーツ航空に言わせると、これだけ安いシートマイルコストを達成できる航空機を他の大手エアラインが採用しない理由が理解できない、のだそうである。 それに対して、ルフトハンザあたりは政府の資金を活用して、これだけの短期間で大型機を買いあさるのは不公平である、というようなことを言ったりもしているようであるが、ドイツ政府も出資するエアバスにとっては、エミレーツは、上得意様である。結果的には、買い揃えたほうが、強い、ということになるのであろう。 かたや、徹底的なリストラに追い込まれ、大規模なダウンサイジングを実施せざるをえない、某国営航空とのこの違いはいったいどこからやってくるのだろうか? 政府の資金力の差であろうか…(苦笑 エアバスA330-200。この機体が、エミレーツのフリートの中で、最も小型である、というところにも脅威を覚えざるをえない。 スーパージャンボおよびトリプルセブンの躍進により、少々、中途半端となってしまったA340は、比較的新しい機体だが、早々にリプレースされていくものと推測される 以前、お伝えしたように、このエミレーツ航空であるが、景気の急降下からの立ち直りをみせ、昨年度は約1,000億円の純利益を計上している。ドバイをハブとして利用するエミレーツ航空の需要には底堅いものがあり、かつ今後の世界の旅客流動を考えると、インドとヨーロッパあるいはアメリカとの中継地としての利用なども考えられることやそのハブ空港としての使い勝手のよさから、まだまだ期待できるのではなかろうか… ドバイ空港の利用者は、2009年度も前年からの9%アップを達成し、4,100万人となっている。成田空港は、わが国の地盤沈下と連動するように旅客が減り続けており、2008年には、3,000万人の大台を割り込んでいるそうである。そのあたりにも勢いの差が出ている。 結果として、香港はおろかインチョンにも抜かれる始末である。それを考えると、なにも航空会社だけをせめても…、という気もしてくる。 その国の景気は別としても、かたや24時間営業、かたや昼間のみの営業という状況を考えたときに、ハブ空港としての利便性がどちらが上か?と考えると答えはおのずと見えてくる。世界各国の時差を考えると、有効時間帯を利用できない空港を好き好んで利用する航空会社は、減少していくはずである。 日本の景気がよいころは、それでも日本を目指す旅客を追い求めればよかったが、日本を通過点とする旅客が利用する空港としては、???といったところであろうか? サベナ航空を引き合いに出したが、われらが日本航空も同様である。 成田なり羽田なりが本当の意味でのハブ空港とならない限り、日本航空のみの力でこの時代を切り開いていくのは非常に厳しいのかもしれない。 ちなみに、エミレーツ航空であるが、もとはといえば、ドバイ政府の航空会社(国営)である。しかし、ドバイ政府自体が、アルマクトウム家の持ち物であり、その意味ではいわゆる親方日の丸のような考え方にはならず、首長の絶対的な指導力により躍進してきた経緯があり、一般的な意味での国営航空とは違う、ということもこの25年の躍進のひとつの大きなファクターであるのかもしれない。
日本航空では、こうはいかないはずである。なんといっても、絶対君主制の国ではないのだから… |
ドバイのビジネス
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ロンドンはヒースローからの到着便だ。本来は深夜の時間帯に到着するのだが、どういうわけか、午前8時過ぎの到着。ラッキー…(笑 現在、エミレーツ航空は、エアバスA380に関して58機の確定発注を行っており、現在9機がすでに就役しているが、さらに32機の発注が公表された。今回の32機を合わせると、A380のフリートは機におよぶこととなり、圧倒的な世界最大のA380オペレーターとなる。永らく、ジャンボジェットの最大オペレーターの名をほしいままとしてきた、JAであるが、残念ながら完全に形勢は逆転してしまったようである。 ちなみに79機を擁する、トリプルセブンについても圧倒的な世界最大のオペレーターであることはすでにご報告したとおりである。 Emirates airline yesterday broke the aviation record for the largest order by value when it signed a $11.5 billion deal with Airbus for 32 additional A380s at the Berlin Air Show. The year's first and only A380 order has brought the total to 234 for the European manufacturer, taking Emirates' share to 90 superjumbos — making it by far the biggest buyer of the double-decker aircraft. In addition to the order placed yesterday, Emirates has 48 A380s, 70 A350s, 18 Boeing 777-300s and seven Boeing air freighters on order totalling 143 wide-body aircraft worth more than $48 billion. Dubai's flagship carrier will receive its 10th A380 next month and said it expects all 90 superjumbos to be delivered by 2017. 新聞報道によると、エアバスA350についても70機の確定発注を行っており、おそらくこれも世界最大となるのではなかろうか…。 とすると、何でもかんでも世界一…。景気のよい話である。 ドバイ経済のリセッションが叫ばれる中、エミレーツ航空の景気だけは絶好調なようである。 なお、この記事の中で、ドバイのフラッグキャリアであると明記されているところに、アラブ首長国連邦のフラッグキャリアであるエティハッド航空を相当に意識しているな…、ということを感じた。 エミレーツの翼は、146機のワイドボディー機を擁することとなる。押しも押されぬ世界的な航空会社となってきたようだ。
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ドライドックワールド。この会社は最近、ドバイショックの引き金のひとつとなったドバイワールドと呼ばれる持ち株会社の参加に所属している。 臨海部を埋め立てる、ザワールドやパームデイラといったプロジェクトのオーナーというイメージが強いが、ドバイ首長の資産を管理する会社といったほうがよいのかもしれない。 写真は、BP(ブリティッシュペトロリアム)が運用する、『British Cormorant』 115,000重量トンのスエズマックスサイズのタンカー。VLCCのラプルデンシオと比較すると、大人と子供だ…(笑 ドバイ危機からの脱却にもがくドバイであるが、ドバイワールドを如何に処理するか…??というところがおそらく今後の、生存の分かれ目となるのであろう。 で、こんな記事を見つけると…、やっぱりバブルに浮かれて下手な不動産投資に手を染めるから、こうなるのよ…、と再度思わずにはいられない。 "Drydocks World has been in constructive dialogue with its lenders for several months and its financial profile does not require it to be included in the more wide-ranging restructuring process envisaged in last week's announcement," Dubai World said in an e-mailed statement. "Drydocks World has to date reacted promptly to the challenges of the global economic slowdown, which have impacted the shipping sector globally. The company has implemented extensive operational improvements over the past year. Drydocks World continues to have sufficient financial capacity to service its debt and remains well positioned to take advantage of the expected improvements in the ship building and offshore industries in the coming years." 湾岸地域でも有数の能力を持つ船舶修理施設であることはかなりのADVANTAGEがあるようで、実体の伴わない不動産投資とは違って、底堅い需要を期待できるようだ。
確かに、修理船舶の入濱状況も順調なようで、まだまだいろいろな船を眺めることができそうである… |
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いつものように、Gulfnewsウェブ版から転載させていただく。 2009年の半期の純利益として、752MillionAED(円価にして約200億円)を確保した模様だ。本日の記事で、ヨーロッパの巨人であるBA(ブリティッシュエアウェイズ)が約330億円の赤字を計上するなど厳しい経営を余儀なくされている中、まあ正直なところ、何故??というところだろうか。 写真は、最終のアプローチに入ってきた、ボーイング777−300ER型機。A6-ECPのレジスターを持つこの機体は今年の3月に受領したばかりのピカピカの新品・・・! エミレーツ航空は、先般世界最大のトリプルセブンオペレーターとなったそうだが、この景気のよさに裏づけされている、ということだろうか。 この記事によると、経費の削減による利益の底上げもあったということが書かれているが、昨今、エミレーツ航空のサービスについて 低下したことがささやかれていることも付け加えておく・・・。 絶好調のエミレーツ航空。今後のEthihadとの関係に要注目、である。
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エミレーツ航空のフレイタージャンボを駐機場でながめる。 はたから見ている限り、いかにも順風満帆にみえるエミレーツ航空であるが、その実、ドバイの経済悪化のあおりを受け、エティハッド航空への身売りがささやかれ続けているのも偽らざる事実である。 ドバイの来年度の予算については、いまだ正式発表がなされていない。 ドバイ政府債を起債しないことには、どうにもこうにもならない状況にあることがもれ聞こえてくるが、肝心の引き受け手が、やはり昨年の同じ時期に発表されたアブダビ首長国以外には考えにくい状況にあるのは偽らざる事実。 借金をするからには、抵当権を設定するのは洋の東西を問わず、基本である。 アブダビ首長国がリードするアラブ首長国連邦政府としては、もともと航空会社としてGulfAirに投資してきた経緯があるが、エミレーツ航空の立ち上げに伴い、国営航空としてETIHAD航空を立ち上げた経緯があり、スキあればエミレーツとエティハッドの統一を、アブダビ首長国側が狙ってくる、という憶測が流れるのには、ある種、仕方が無いところであろう。 予算編成のこの時期に、エミレーツ航空が、エティハッドとの統合について、強く可能性を打ち消したという。 記事では、根も葉もない・・・、と否定しているが、そこまでドバイの資金繰りが窮している、ということの裏返しではなかろうか? 当分目が離せない状況が続きそうではある。 Dubai: The chairman of Emirates Airline has ruled out any merger deals with Abu Dhabi’s Etihad Airways. Shaikh Ahmad Bin Saeed Al Maktoum said rumour mills are always working overtime in churning out stories of an alliance between the two UAE carriers, but added that there was “no such plan”. "People have the right to say what they think but the problem is sometimes they believe it themselves. They come up with something and they believe it that it is happening. There is no such plan,” he told Arabian Business. |



