マードレの日々

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母の病気

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母が旅立ちました

神道では、亡くなった方は祖先神(家族や親族を見守る守り神)の神様の列に加わるのだそうです。
22日、午前3時過ぎ
母が、私たちを見守る神様となりました。
今日、葬儀が終わりました。
沢山のお花にうもれた母の寝顔は、
半年続いた苦痛から解放され、ホっとしているように見えました。
今までも、私たちを見守ってくれていた母ですが
これからも、見守り続けてくれることでしょう。
仏教では49日ですが、神道では50日祭というそうです。
50日祭で、忌明けとなります。
明日は、久しぶりに家ですごせます。
洗濯三昧になりそうですが(^^;)

母がホスピスに入院して17日が過ぎました。

肺炎がおさまっては再燃するいたちごっこのようになっています。

原因は、原疾患である歯肉ガンのため口内の清潔が保てない(口内の激痛のため、はみがきやうがいができない)ので、口内の細菌が唾液とともに流れ込んでしまうこと。
食道に流れれば問題ないのですが、気管に誤嚥されてしまうと、肺炎になるようです。

残された時間は数日から10日間ほどだろうと、主治医からは言われています。

最低限の水分とカロリーしか入れていない(点滴で)ので、どんどんやせて体力がなくなっているところに肺炎が起こっているので、日に日に弱っていくのがわかります。

痛みを徹底的に抑えてもらい、肺炎の症状によるセキや痰による呼吸困難や苦痛をできるだけ抑えてもらう・・・今、受けている治療はこれだけです。

しかし、車いすやベッドのままで行けるお散歩やお風呂が母の楽しみになっています。
ラジオで、相撲中継を聞くのも楽しみです。
この状態でも、「楽しみ」を持つことができる・・・ホスピスに入院できて、本当に良かったと思います。

さらに、姉がピアノの先生で私が音楽を趣味にしていることが、世間話のついでにでたときに、ホスピスの先生が
「ここには小さいけれどホールがあって、ボロいけれどGPもありますよ。お母様のためにお二人で演奏されませんか?」と、勧めてくれました。
練習など全然できていないけれど、幼いころに練習した曲なら、母にも耳なじみがあるので、良いのでは?と、姉と相談して、演奏してみることにしました。

当日は、姉が東京から御昼過ぎに着いたので、昼食を一緒にとり
母が寝ている間に、少し練習をしました。

午後2時ころに看護士さんが「お母様、起きておられますよ〜」と声をかけてくださいました。
痛みどめも早送りして、演奏中に痛くならないようにしてくださいました。

「ユダスマカベウス(兵士の合唱)」
ト調のメヌエット
ユモレスク
バッハ=グノー「アヴェマリア」
の、4曲を演奏しました。

最初、白っちゃけたような顔色だった母が、演奏が進むと、顔を紅潮させ
涙を流して聴き入ってくれました。
不思議なことに、せん妄もおさまり、いつもの母の表情でした。

母が音楽を習わせてくれたおかげで、今の私の豊かな生活(お金じゃなくて、心がね(^^;))がある・・・その感謝の気持ちで演奏しました。

看護士さんも涙もろい方で、母と一緒にぽろぽろ涙を流してくれました。
(弾いてる方は、泣くわけにいかないので、ちょっと困ってしまいました(><))




ホスピス11日目

母は2日前から、誤嚥性肺炎の再燃で、38度以上の熱をだし、
酸素飽和度が81(ふつうは98〜100)に落ち込み、息が苦しかったり、話しかけても、うなずきなどをしなくなっていました。(口の中のがんのせいで、しゃべると痛みがひどくなるため、ほとんど声も出しません)

今日も午前中は、ず〜っと座ったまま寝てて、呼びかけにもあまり反応せず
父を心配させた母ですが、
午後になり、37.2°〜37.5°の熱でも大丈夫と言われたので、楽しみにしていたお風呂(ベッドに寝たまま入浴できます)にいれていただいたあと
ラジオでお相撲をきいていました。
しばらくすると、なんか声を出して訴えている・・・・
座る?というと、「うん」らしき音声をだすではないですか!
看護士さんを呼んで座らせてもらうから、ちょっと待ってねというと、しっかりうなずく母。

座ったあと、ずりずりと前に出てきて、なんか言いたげ。
散歩する?と言うとふたたび「うん」らしき音声。

すでに夕暮れ時で寒かったけど、上着をしっかりきせて帽子もかぶ せて
車いすで散歩しました。(せん妄が出ているときには、上着も着たがらないし、帽子もかぶってくれませんでした)
ただ歩くだけでは面白くないので、昔あった面白かった事とか、話しかけると「うん」とか笑ってるような「うぐぐぐぐ」みたいな音声を、発するではないですか!
入院以来、激しいせん妄のために、ふつうのコミュニケーションがほとんどとれず、意志の確認も難しくなっていたので
30分ほどだけど、母がこっちの世界に戻ってきてて、コミュニケーションが取れて良かった!
ちょうど大きな真っ赤な夕日が沈むところも見ることができました。

寒くなったので、中に入ると看護士さんが待っててくれて・・・「おかあさん、どしたん?泣いてはった?」
見ると、幾筋も涙の跡がありました・・・。

そのあとは、母は疲れてしまったのか、横になって寝てしまいました。

父に言うと、信じられないような顔をしてたけど、お風呂の効果なのか
お薬の加減なのか・・・・こんな時間が少しでも増えたらいいな〜。

せん妄

1/8に、やっとホスピスに入院できた母。

チューブ類を最小限にし、点滴も最小限にし、痛みは0にはできないけれど、できるだけ激しい痛みが出ないように工夫し、せん妄が改善されるよう、痛みが抑えられるよう、とても手厚い看護をうけることができています。

しかし、せん妄は深まるばかりでした。

姉は「この人うそつきだから」と言われ、手に爪を立てられ
私は手を振り払われ、わき腹をつねられ(紫色に腫れています(><))
看護士さんは、沈静剤が効いているときしかケアができない・・・・

昨日はそんな状態でした。

唯一、彼女が心を許す相手は父だけでした。

やせ細り、ふらふらなのに、いきなりカっと目を開いて起き上がります。
父がそばに行くと、しがみついて立ち上がり「外」とひとこと。
「お散歩か?」と問いかけるとうなずく母。

しがみついたまま、一歩ずつ歩いて部屋からベランダに出、しばらく立っています。
そして、いつもと全然違う声で「おか〜さ〜ん、おか〜さ〜ん」と叫びます。
しばらくそうしていると、だんだん力が抜けてきて倒れそうになります。
父が「もういいか?」ときくと、うなずき、しがみついたまま部屋に戻ってきたり
その場で車いすに倒れこんだり・・・
その後は、癌のできている場所を手で押さえて、痛みにうめき声をあげます。
すかさず、痛みどめの麻薬を投与され、眠りにつきますが、数時間で目が覚め
また「おさんぽ」
昨日はそれが6回もありました。

その姿を姉と見ていて「余りの苦痛に脳が自分を守るために、違う回路につないでいるような感じがする」と、2人で同じことを考えました。

そして、今日はほとんど起きずにうつらうつらしてるけど、手は痛い場所を抑えていて
顔はしかめている状態。
「痛いんやな」
そう思い、看護師さんに相談しました。
看護士さんも、昨日の状態を申し送りで伝えられていて、痛みどめが2時間くらいしか効いていないことに気づいておられ、点滴でレスキューを入れるのも限界と感じておられたみたい。
そこで、皮下に針を留置して持続的に痛みどめを投与し続ける方法を提案されました。
それでも痛いときにはボタンを押すと早送りになり、さらに多めの薬剤が送り込まれます。
ちょうど、主治医が休み中にかかわらず様子を見に来てくれていたので、看護師さんから提案していただき、皮下に持続投与の針をいれ、機械をつけてもらいました。
また、せん妄が起こったら抜いてしまう可能性もありますが、今日は比較的落ち着いていてこちらの問いかけにも、かすかに首をうなずかせたりして、意志の疎通が図れているので、やってみましょうということになりました。

今日は、昨日までの荒れようがうそのように、ただ眠り続ける母でした。一度だけせん妄になり、起き上がって立ち上がろうとしましたが、父が家に戻っていて、いなかったので、ひねられるの覚悟で私が支えると、すんなりわたしにしがみついてくれました。
ただし、やはり私では役不足なのか、昨日6回も散歩して疲れたのか、2〜3分で車いすにへたりこみ「よこになる?」と言うと、うなずきました。

このあと、どうなるかわかりませんが、身の置き所のないような苦痛の一日のあと、傾眠状態の一日があり、だんだん昏睡へとむかっていくと読んだことがあります。
あのせん妄がその苦痛の表れだとすると、あと数日の命でしょうか。






ホスピスにて

緊急入院した医大で
酸素マスク・経鼻胃管・おしっこの管・24時間の点滴・・・
痛みどめを依頼しても、反応の遅いスタッフ
言い訳だらけの主治医・・・・
そして、もちろん癌の増大と肺炎による体調の悪化
目がほとんど見えないので、不安もあったことでしょう

入院2日目にしてせん妄が発症。
ラインをひっこぬいたり、殺される!とか知らない人がいるとおびえたり
意味もなく手がわさわさ動いてチューブ類を握りしめたり・・・

若いときには、飛び級で赤門のあるT大の大学院を卒業して
研究の道に入った才女。
山の会に入って、仲間と日本アルプスをテントをかついで縦走するのが趣味で
スキーのインストラクターの資格も持っていた運動神経抜群の山ガール。
中年以降は、海外旅行や温泉を楽しみ、自分の薬局を営んで地域の方々に
親しんでいただいていた薬局の先生。

その彼女の錯乱する姿に家族は大変ショックを受け、心を痛めました。

しかし、医大にも良い先生がおられました。

緩和ケア外来でお世話になったK先生です。
わざわざベッドのところに来てくださり
「どうですか?痛みは抑えられていますか?そうですか、少し痛みが残っているんですね。麻薬のお薬をたくさん使っているので、どうですか?なんか変な感じがしませんか?そうですか、なんか今までと違って、音が聞こえたり人の気配がしたりするんですね。○○さん、それは多分肺炎のせいもあるし、痛みを抑えるために飲んでいるお薬のせいもあると思いますよ。皆さん、そうなるので、心配しないでくださいね。大丈夫ですよ。」
と、母に(←これ、大事です。ほかの先生は面倒くさいのか、私たちに説明するんです。)説明してくださいました。
その後、ホスピスに行けるようになって良かったですね、とか
ご自分の娘さんの話とか、世間話をして母を楽しませてくださいました。
最後に母は「K先生とお話しするのが一番楽しい。ありがとうございました」と、頭をさげてお礼を言っていました。

さて、今朝は9時半に救急車がきて、母は主治医と姉とともにホスピスに向かいました。

山荘風の建物で、各部屋からベランダに出られるようになっています。
母はこのホスピスで散歩をしたりすることを、楽しみにしていました。
しかし、もう自力で歩くことはできません。
救急車でついた母が落ち着いたところで、医師2名看護士さん2名による
詳しい説明があったのですが、やはり病状はかなり厳しいもので
余命は1週間程ではないかということでした。そして、延命処置についての確認がありました。
その後、今までの経過・家での過ごし方・病院での状態・どういうことを望んでいるか・家族はどういった悩みを持っているか・・・・などを根気強く聞き取ってくださいました。
ここのスタッフの方は医師を含め、とてもよくこちらの話を聞いてくれます。
千葉からきている姉が、向こうで滞っている仕事と母の状態の板挟みで、身動き取れなくなっているという悩みを話しているのもしっかり聞き取ってくれ、話してるうちに姉の心も落ち着いてきて、どうしたらいいかを冷静に考えられるようになってきました。

母のせん妄のきっかけであったと思われるチューブ類はおしっこの管を残して、全て抜いてくれて、薬の投与方法も工夫してくれることになりました。

看護士さんも母が嫌がる処置は一切しません。
むりやり痰の吸引もしないし、酸素マスクも無理につけません。
その結果、多少寿命が左右されるかもしれませんが
それよりも母が快適に最後の時を過ごせることを優先にすることにしました。

どうしても散歩に行く!と言い張る母を車いすに乗せて(←これだけで、大変な作業です)
ベランダを散歩させてくれた看護士さん、ありがとう!

こちらもスタッフの方々の頼もしさに、心の余裕ができて
母が「お米をとがなきゃ」と言って、起き上がろうとした時も
洗面器に水をいれて持ってきて「何合とぐ?4合?今日はいっぱいとぐねんなあ」と
一緒にお米をとぐまねをしたりして、彼女のせん妄におつきあいできるようになりました。
(さすがに、父に電話して「監禁されてる!」と言ったときには脱力しましたが(^^;))

残された時間は長くないけれど、最後にこのホスピスに入院できて
本当に良かったです。

あのまま医大にいてたら、きっと一生後悔したと思います。

でも、ホスピスへの転院をまず最初に勧めてくれたのは
ほかならぬ医大の先生でした。
彼らも、医大の役割・医大でできることとできないこと、などに縛られて
悩んでいるのかもしれないですね。

明日は、ホスピスにお泊りして母と過ごします。



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