楕円の転がり、心の転がり・・・

家族、ラグビー、仲間が命・・・私の生き甲斐。夢に病んだ楕円オヤジの内緒の備忘録。

読書

[ リスト ]

「本当のコーチ」をすることとは素晴らしいことである。
伝説の打撃コーチ、故・高畠導宏氏。これほどまでに指導対象の成長だけを考えたコーチの、熱い生涯を読めば、そう感じずにはいられない。そこには自己満足もエゴも無い。無さ過ぎるのである。(高畠氏自身とご家族は大変だったろうが)

小柄な身体から火を噴く打棒で、南海ホークス入りしたスラッガー。そのプレーヤー歴は利き腕の肩の脱臼と言う致命傷によって悲しいほどに短かった。しかし、卓越した理論と洞察力、そして教えた相手の心を捉えて話さない人間力は28歳にして「最高の指導者」として歩み始めた。
30年後、野球と人間の大好きな指導者が一念発起、50代にして教員免許を取得。高校教師として多くの生徒に夢の大切さを説いていったのは、ある意味必然であったのかもしれない。

南海ホークス・打撃コーチに就任した時、球界はすでに激しい諜報戦の最中にあった。サイン盗み、スパイ、盗聴器・・・。南海ホークスは盗む野球から、観察する野球、考える野球を極めた。尾張スコアラー、蔭山、野村、D・ブレイザー、そして高畠氏の知恵と観察による「シンキングベースボール」である。相手投手の癖を見抜きながら、確立上最も有効な戦法を極めていった。高畠氏の目にかかれば打者一巡すれば相手投手は丸裸で球種ごとの癖は一目瞭然。「ドジャースの戦法」というメジャーを模倣していた巨人と違い、その観察眼と創意工夫の結晶には驚いた。

しかし、高畠氏の真髄は選手に対するホスピタリティとアイデアにこそあった。
田口に与えた変わったバット。10.19のHR男・高沢のケガを支えた手製のアイテム、1厘差首位打者への結実。西村のスイッチヒッター転向の提案とその秋季キャンプ1ヶ月の猛練習・・・。
落合、福浦、サブロー、藤原満、水上、袴田、小久保、サブロー、イチロー、春日、飯田・・・有名無名を問わず数球団にわたり、数多の熱心な選手を愛情とともに育てあげた。

語らずして能弁な結果を、各球団は見逃すはずはなく、高畠氏は常に「紙面に載らない」引っ張りだこ。長島サンに「是非一度巨人に!」と口説かれいていたスーパーコーチは、野村がヤクルト監督就任の際、自ら参謀として招聘しながらその実力に嫉妬してしまうほどの存在感と能力を身につけていた。

「覚悟に勝る決断なし」
「才能とはあきらめないこと」
「コーチの仕事はほめること」
沁み入る言葉は数知れない。
選手を褒めることが、年齢問わずコーチの基本であるということを実感できて嬉しい。


高畠氏の原点。大阪はミナミの難波にその威容を構えた大阪球場は、南海ホークスなきあと、住宅展示場になり、ショッピングスペースに変わった。いまはその過去の存在を示すプレートのみが存在するという。大型ショッピングモールのどこかに、高畠コーチの定位置であった1塁側バットケースの脇であった場所があると考えると不思議な気持ちになる。

かつてNHKが放映した「フルスイング」というドラマ。高畠氏が58歳にして単身福岡の高校教師になり、ガンとの闘病の末に、その生涯を終えるまでのドラマである。素晴らしいコーチであり、素晴らしい教師であった。本当にこんな素晴らしい人物がいるのだろうか。

某紙のロッテ番をしていた知人が言っていたこと。
「ドラマを見てボロボロ泣いた。高畠さんはドラマのままか、それ以上の人だ。病気のことさえも教師になる前から悟っていたような気がして・・・辛いな。」

食器を洗う妻の手を止めた、これは私にとって「伝説」のドラマである。
高畠氏は今、遥か天の彼方でコーチをしておられるのだろうか。それとも教師をしておられるのだろうか。コーチに関わらず、すべての人間に響く名著だと思う。。

「読書」書庫の記事一覧


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事