日本語教師、サイゴンの風に吹かれて

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 (写真はサイゴン政府の大統領官邸)
ベトナム戦争がピークだった頃、私はサラリーマンだった。
日本国内でもベ平連を中心にベトナム戦争反対の運動が盛んだった。その頃、関西に居たので特にベ平連と言う団体の名前は強烈に覚えている。小田実を知ったのもその頃だ。
だから小田の小説も読んだが、特に恋愛ものは下手だった。ただ当時から彼はカリスマ的存在だった。
 ジャーナリストでは開高健を真っ先に想いだす。彼はベトナム戦争に特派員として行き、鮮烈な報告を書いていたように記憶している。新聞の彼の報告記事は読んでいた。
  一方で、写真家では有名な戦死したカメラマンが居るが、いまその名は想いだせない。申し訳ない。ホーチミンの戦争記念館には彼の写真が展示されている。
 当時ほど、戦争反対の運動やムードが盛り上がった時期は無いように記憶している。

 だから、私にとっては、ベトナムは特別な「初恋の人」的存在だった。戦後も長いこと単なる観光訪問では行けない存在だったが、2002年に初めて訪問した。
しかしその訪問は観光スタイルだった。観光ツアーで行くホーチミンのコースを一人で廻ったのが最初のホーチミン訪問だった。
 その一人旅も印象は強烈だった。だがあくまで観光客だ。それから2回も訪問をして、4度目が仕事としてホーチミンに住む訪問になった。
 今思うに、ベトナムはいやホーチミン(サイゴン)は30数年前に偶像化された初恋の人的存在だと気付いた。
30数年前は、現実のベトナムは知らない。映像やニュースでしか情報は伝わってこない。その偶像化されたベトナムの姿が、いま、私の中で現実の姿にボロボロ剥がされているような感覚におちいることがある。
 生身の初恋の人を目のまで見ている感覚である。その現実を直視するしかない。
いま、そのような気持ちになっている。

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