「二十歳のエチュード」の著者である夭折の天才、原口統三がこよなく愛した曲、
それがこのChopinの「WALTZ(VALSE)作品64の2」である。
私が初めて弾いたショパンの曲は、皆さんにも馴染みのある「ノクターンOP9の2」であり、
当時中学生だった私は、ショパンの全作品を聴いていながら、旋律の美しさだけに耳を奪われ、
この曲は(とても暗く感じたために)完全に聞き流してしまっていた。
死の3年前に作られたこの作品は、ワルツというよりも、憂いに満ちたマズルカのリズムで
限りなく憂愁の色が濃く、聴く者すべてに「死すべきmortality」を感じさせる曲である。
「表現することは限りなく自分を許すことである」と苦悩した原口統三は、
赤木山にて自決(未遂)前「今聴きたいのはショパンの嬰ハ短調...あの爽やかな失恋の調べだ」と記した。
私がこの曲を聴き直すきっかけになったのは、高校時代にこの一節を読んでからである。
原口統三は昭和21年、19歳の若さで逗子海岸にて入水自殺を遂げた。
19歳という若さでランボー(詩人)に傾倒し、実存の奴隷と化し夢想の中でニーチェに対峙する、
彼の残した作品は「二十歳のエチュード」のみだが、むかし話題となった「山田かまち」など
比較にならない程の感性の持ち主であることは、この著作を読めばすぐわかる。
またこの曲は高校時代に交際していた音楽高校の子のエリザベト音大入試の課題曲でもあり、
それで私も一緒に練習した思い出深い作品である。
久々に楽譜を開いてこの曲を弾いてみたが、最後まで弾きこなせなかった(ToT)/~~~
ミスタッチする私が言うのも難だが「このピアニストは作品を理解していないのでは?」と思ってしまう。
楽譜の左上にある「Tempo giusto」とは「心臓の鼓動と同じテンポで」という意味であり、
このように「今はそこらの中学生の方が上手いのではないか?」と揶揄されつつある、
「かつてのJimmy Page」のように早弾きすればよいものでは断じてない!!
特にこの曲については「マッタリと暗くドンよりと弾かなければショパンの想い
(ナタニエル・ドゥ・ロスチャイルド男爵夫人に捧げた曲でもある)」は伝わらない!
下にあるアシュケナージのピアノの方と聴きくらべて見て下さい。
プロはどう評価するかわかりませんが、私はアシュケナージの奏法の方が好きです。
アシュケナージのワルツOp64.2
ショパンの曲集をやってたとき、この曲弾きやすくてすきでした。うまくは弾けてなかったですけど(^^;)でもなんだか切ない気持になる曲だと思ってたらそんな背景があったんですね。
2008/4/24(木) 午後 10:05
さすがののま先生、博学ですね〜
このショパンはそんな背景があるのですね〜〜な〜るほど!
どちらのピアニストのショパンも素敵ですけど、ワタシはのま先生のを是非聞いてみたいな♪
2008/4/24(木) 午後 10:43
>momoさん、ワルツの中では一番陰のある曲ですね。
私は当時は「華麗なる大円舞曲」「猫のワルツ」「子犬のワルツ」ばかり弾いていましたが、原口統三の書籍を読んで、死を決意した朝に「爽やかな失恋の調べ」としてこの曲を評していたのを見逃すことができず、それからワルツの中で一番好きな曲となりました。音大の入試によく使われてましたね(^^♪
2008/4/24(木) 午後 11:59
>かおり先生、この9月に挙式する「失敬ラーメン先生」の披露宴にてピアノ演奏+自作の曲(ピアノ弾き語り)をさせてもらうことになっています。リスト愛の夢→キムタクのLong Vacationの曲→桃の花ビラ(大塚愛Wedding用MY Arrange Version)→自作の曲という曲順を今考えています。そろそろ修行しなければ...修行するぞ〜するぞ〜(かおり先生の前では恥ずかしくて弾けませんよ...(~_~;)
2008/4/25(金) 午前 0:05
のま先生、
クラシックはやはり横浜銀蝿とウイーンフィルハーモニーのアンサンブルが最高ですね。
私の披露宴でもピアノ弾き語りして頂ありがとうございました。
おかげで今日まで至っております。
青春時代の残り全てを三原の医療につぎ込む所存です。
2008/4/25(金) 午前 10:40 [ とし ]
のま先生の教養の豊かさを見せていただける素晴らしい記事でした。勿論、ポチです!
2008/4/25(金) 午後 1:27 [ - ]
知らない事ばかりでした。
ありがとういございました。ポチです!!!!
2008/4/25(金) 午後 11:16
「ランボー」…レオナルド・ディカプリオの演じた「太陽と月に背いて」を思い出しました。 あの映画を観てランボー詩集を買いました。 のまさまは素敵な青春時代を送られていたのですね♪
2008/4/26(土) 午前 0:10
>J-size先生、まだそんなことを仰っているんですか?
しつこいようですが「Drugで逮捕されたメンバーが二人もいるクソバンド」とウィーンフィルはコラボしたことはありません(ー_ー)!!
思い起こせば、あの頃は日曜日がほぼ結婚式のピアノ弾きで埋まっていましたね...そうそう、J-size先生のサッカー部の後輩の眼科医(元広大○外科助教授の息子さん:通称「失敬ラーメン先生」)がこの9月に結婚されます。そこでピアノを弾くことになっているのですが、スロ(+眼科の勉強)ばかりしてピアノに向かってなかったので、ちゃんと弾けるか心配です((+_+))
2008/4/26(土) 午前 7:01
>ますい先生、いつも大変お世話になります(^^♪
このピアノ曲を聴きながら、原口統三「二十歳のエチュード」を読むと「絶望的な気持ち」になってきます(~_~;)
2008/4/26(土) 午前 7:03
>miyakoさん、コメント頂いて恐縮です。miyakoさんのようにピアノを教えておられる方に私のひとりよがりの記事にポチ頂けるとは汗顔の至りですね(~_~;)これからもよろしくお願いいたします(^^♪
2008/4/26(土) 午前 7:07
>ちょこさん、コメントありがとうございます(^^♪
「太陽と月に背いて」は私観てないんです(ToT)/~~~ごめんなさい...
でも「何かに辿り着く」きっかけは、とっつきやすいところから始まるのですね!普通本屋でランボーの詩集を手にとって、あの散文を見て買おうという気になる人の方が少ないですから...
2008/4/26(土) 午前 7:09
>J-size先生、その通りですが、個人情報云々言われるなら、
このコメントこそ個人情報の侵害以外の何物でもありません(-_-;)
コメントは削除させていただきました(-_-;)
2008/4/30(水) 午後 7:59
お久しぶりです♪
私も高校生の頃ピアノで弾いていましたが、最近はアコーディオンでも弾いています。
何ともいえない切ない感じは好きですが、やはり失恋の曲だったんですね。
2008/5/3(土) 午前 1:18
>taccoldenさま、いらっしゃいませ(^^♪
この曲をアコーディオンで弾かれるのを想像するだけで、胸が締め付けられる思いにかられます。ショパンの届かぬ思いがこの曲に凝縮されているのですね...
2008/5/3(土) 午前 9:07