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よくあるグルメ本「クチコミグルメ間違いなし」「美味しい店百選」の甘言に魅かれ、 実際、店に行ってガッカリすることは日常茶飯事... 同様に「日本の名医」「○○治療の専門医・専門病院」を紹介する本を最近書店でよく目にするが、 (他科のことはよく分からないので触れない) こと眼科の名医として紹介されたDrやクリニックが、個人的な確執や偏見を極力排除して鑑みるに、 「名医とは程遠い」と感じられることが多々ある。 いまさら言うまでもないが、 「これら飲食店及び医師自ら出版社に広告料を払って記事にしてもらっている」のが大半なのである。 (勿論例外はあるのは否定しないが....) こんな記事... もううんざりだ.... 本当の名医とはどんな医師を指すのだろうか? 理想の医師のモチーフとして脳裏に浮かぶのは、残念ながら「TVドラマの主人公」がほとんどかもしれない。 医龍の朝田龍太郎(坂口憲二)・Drコトーこと五島健介(吉岡秀隆)・救命病棟24時の進藤一生(江口洋介)... 彼らに共通して言えるのは 「一癖あるが、腕がよい」 「緊急事態にも的確な診断を下す(患者の身になって的確な判断を下すといった方がよいかもしれない)」 ことである。 フィクションであるが故、主人公のヒューマニズム・リアリズムの描写が、 現実の医療現場と乖離していようが、いやおうなく視聴者を惹きつける。 事実、私自身もこれらのドラマが大好きだ。 先日(2008.3.25)大阪のえきさい会病院に、三戸秀哲先生の外来診察+手術見学にうかがわせて頂いた。 三戸先生は、私がブログでお世話になっている稲沢かおり先生と同じ大学出身で一つ後輩に当たる。 手の内を隠すことなどせず、眼形成手術の普及のために全国を飛び回っておられ、 当然日本における大きな学会(臨床眼科学会、眼科手術学会)では常に座長や講師を務められ、 眼科の教科書にもたくさんの知見を執筆されている。 日本では眼形成の圧倒的頂点に立ち、いまや世界の頂点にも登りつめようとしている 愛知医大眼科 柿崎裕彦先生とも大の仲良しである。 朝9時から12:30頃までに、約30人の外来患者さんが来られたが、 そのすべてが眼形成手術(眼瞼下垂、内反症、腫瘍)目的で三戸先生宛てに紹介された患者さんであった。 えきさい会病院自体が全科電子カルテ体制となっており、部長である和田園美Drが自ら書記として三戸先生の傍らに付かれていた。私は診療の邪魔にならぬよう、見学をさせて頂いた。 私と尼崎で開業されている荻原先生が見学させて頂いた。 三戸先生は一般眼科医には「霰粒腫手術」「睫毛乱生手術」の権威として知られているのだが、 三戸先生の眼瞼下垂手術は「生理的で侵襲が少ない、もっとも理にかなったSpeedyな手術」という 非の打ち所がまったくないものであった。 私も三戸先生も、柿崎裕彦先生の考えを踏襲した手術であるという面では共通しているのだが、 手術侵襲とSpeed(早ければいいというものではないが)の点で、自分の手術を見直すとてもいい機会を頂いた。 手術後、三戸先生、私、荻原先生に大阪警察病院形成外科の飯沼先生が加わって 飲み会を行ったのだが、そこでとんでもない話を聞いてしまった.... 本日の手術は超一流の美容外科医が行った手術とまったく変わらないものであるが、 保険手術のため、切開式重瞼術もさかまつげに対して行われる以上は片側16600円(3割なら5000円弱) 眼瞼下垂手術も片側72000円(3割なら2万円強)の患者負担となる。 それでも病院には手術代金として50万円程度の収益となり、 しかも外来で30人もの患者さんを診察され、その診療報酬も加わるため 純利益としても70万を下らない仕事をされているということになる。 前日山形から、飛行機に乗ってわざわざ大阪まで「眼形成手術の権威」がこられているのだから... それなりの報酬が三戸先生に支払われているのかと思い、失礼を承知でこっそり聞いてみたのだが...
という、仰天するような話を聞かされた。 議員や役者がお車代と称して10〜100万余計にもらっているのではない。 交通費は実際に利用した分しか支払われていないのである。 時給にして600円以下... 「こんなことがあっていいのか?」「三戸先生はこの待遇をどう思っておられるのか?」 当然それを聞いた刹那、 「先生!それマジですか?!!!コンビニのバイトよりも安いじゃないですか?」 と問い返したが、三戸先生は至極あっさりと
と、にこやかに串カツをほおばりながら仰られた。 派手なパフォーマンスとメディアを使い 「白内障手術を3分で行う眼科の名医、神の手、God hand」と評されるDrがいる。 その方も自身の技術をアジアを始めとした世界に広げようと努力されてはいる。 但し私から見れば、その方の手術は3分で済むかも知れないが、安全な手術とは思えないし、 残念ながら名医とも感じない。 本当の名医とはひっそりとだが、たゆまぬ努力を続け、こうして確実に医療の進歩に貢献しているのである。 ドラマティックな演出がなくとも「素晴らしい名医」を身近に感じることができた私は幸せ者である。 その翌日、私のクリニックにも私の手術見学に眼科の先生が来られた。 これから私も自分のできる範囲で眼形成手術を普及すべく努力してゆく所存である。 写真右にある「pine island新地」に向かわず、そのまま高架下を直進して 5分程度の場所にある、とてもキレイな病院です |
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2008年03月29日
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