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凍結されていた国道18路線のうち17路線の建設が解除されたという。 なんと愚かな政策判断であることか! 4車線から2車線にするなどのコスト削減がはかられたとはいえ、それぞれ数十億,数百億単位の予算が使われる事業である。工事が再開される17路線の総事業費は約5200億円にものぼる。 救急医療や災害時の代替道路などの地域特有の効果などを総合的に評価し、事業再開を判断したというのだが、こんなロジックで省益を確保しようとする官僚の俗物性は、まったくもって鼻持ちならない。 以前テレビを見ていたら、東国原知事なども、救急医療を考えたら必要な道路があるのだと主張していたが、百億単位の金があったら、いったい医師を何人雇えると思っているのだろうか。 縦割り行政的に考えることをやめれば、医療過疎の地域に対する対策として道路建設以外にできることはたくさんある。 まずは無医村に診療所を建設する。 医師の研修制度を改革して、若い医師に1〜3年程度の期間に限って医療過疎地域など、指定された場所で働くことを義務づける。 当然のことながら、医学教育の中に診療科を横断するような総合医としての最低限の知識を身に付けさせる手だてを講じる必要があるだろう。 そのうえで能力の高い医師には限界集落の診療所に勤務してもらい、そういう医師には何らかの公的なお墨付きを出して、そのあと開業などがしやすいように制度的にサポートしていく。 要は、総合医としての力量を身につけ、医療過疎地域で働くことにインセンティブを与えるわけだ。 設備投資がいらなくて、手が汚れずに儲かるからという理由で、ろくに勉強してもいないのに心療内科を開業するような不届きな医師が続出しないようにするためにも、こうした手だては有効だろう。 そのうえで、地域の基幹病院がインターネットを通して過疎地の診療所に勤務する若い医師をサポートできる体制を作る。 さらには、ドクターヘリを整備して、地域内に点在する過疎地からの救急搬送体制を整備する。 道路1本では救えない命も、診療所やインターネットやドクターヘリなどの整備でかなり救われることになるだろう。 被災時のことを考えても、機能するかどうかわからない道路に頼るよりもヘリコプターのような手段を整備しておいた方が、災害初期においては汎用性が高いと考えられる。 ヘリでの搬送や物資の輸送は、道路何本分もの役割を果たしうるはずだ。 診療所の建設費は1千万円もあれば十分だろう。 場合によっては空き家を有効活用できるかもしれない。 若い医師の人件費だって、2千万円もあればお釣りがくるだろう。 ヘリコプターは2億円もあればかなりいいものを買えるだろう。 医療過疎の村が十ヶ所あるとすれば、診療所の建設費に1億円、人件費が年間2億円、ドクターヘリの整備に2億円で、とりあえず5億円もあれば、基本的な体制をととのえることができる。 国道1本作るのに百億円単位の金がかかるわけだから、この体制を20年以上続けることができる。 おそらく数年で使い果たしてしまうはずの道路整備費の使い道を変えれば、これだけのことができてしまうわけだ。 しかも10年後、20年後までに、景気が回復し、財政状況が好転していれば、その時点で道路を造ることだって出来るのである。 救急医療のために必要な道路があるという主張のバカバカしさは、火を見るよりも明らかである。 |

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救急医療云々は、国土交通省の道路づくり国民説得マニュアルの一つです。詭弁もいいところですね。国交省は解体しないと日本はつぶれます。
2009/7/30(木) 午後 4:38 [ 道祖神 ]
しかし、それ以上に酷いのは、
東国原の宮崎県の「国道220号・青島―日南」の4車線化拡幅工事の凍結。
唯一中止。
見せしめですな。
東国原はどうでもいいが、あの国道は必要だと思う。4車線でなくていいから。
ほんと、国交省と永田町はやることがエグイ。
ちなみに私は遠い他府県人です。
東国原は、道路というものが分かてないのです。
旧型の人間ですから、金を引っ張ってきて作るもんだと決めてかかっているから今回の無様な醜態をさらすのです。
2009/8/2(日) 午後 5:46
道祖神さんの言う通り、詭弁ですよね。でも詭弁だらけで前に進んでしまうのがこの国の常でもあります。
2009/8/4(火) 午後 11:08
そうでしたか。唯一凍結した路線は宮崎でしたか。これまた酷い話ですね。
2009/8/4(火) 午後 11:09