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http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/j/7andy_19575053 クローンのなかに“私”はいるか先端的な科学技術が驚異的な進歩をとげた201Q年。 私は自分のクローンを誕生させ,開発されたばかりの特殊な成長促進技術を使ってあっという間に20歳ころの自分の肉体を造りあげます。 お腹のまわりに贅肉がほとんどついていない引き締まった若い肉体。 そのクローンに,これまた開発されたばかりの最先端技術を用いて,自分の脳内シナプスの全情報をコピー&ペーストします。 クローンの記憶は,私自身が生まれてから201Q年までの人生で蓄積された記憶とまったく同一になります。 自分とまったく同じ遺伝子をもったコピー人間の脳に,自分とまったく同じ脳内情報が蓄えられているわけです。 まあ,ここまでは,取るに足りない個人的な空想です。 さて,ここからが問題です。 自分の肉体が老いるたびに同様の作業を繰り返し,古くなったオリジナルの肉体を廃棄していったとき,“私”は永遠の生命を得たと言えるのでしょうか。 クローン人間の中に“私”をコピーすることができたと考えてよいのでしょうか。 オリジナルの“私”を抹殺しても,クローンの中に“私”が存在し続けると言えるのでしょうか。 ? ? ? ? ? 当然のことですが,答えは「否」です。 クローンが存在し続けたとしても,オリジナルの肉体が抹殺される瞬間に,“私”の意識は途絶え,“私”という存在は無に帰します。(たぶん…) つまり“私”とは,遺伝情報でもないし,脳内情報でもないということになるわけです。 だとすれば,“私”とはいったい何なのでしょうか? 当然「おかしいなぁ,見えねぇなぁ〜」ということになるわけで,それを見てみんなで笑ったものですが,気持ちはとてもよくわかります。 テレビがありのままの姿を映し出しているのだとすれば,スカートの中も映っていないとおかしいわけです。 ミニスカートをのぞき込むおじさんを笑っていた私も,赤ん坊のころの写真などを見ては,「この瞬間に後ろに写っている電車の中にはどんな人がいて何をしていたのだろう? この写真にはそのことも記録されているはずで,よーく調べるとそれがわかるんじゃないだろうか?」というようなことを夢想したりしていました。 クローン人間に関する空想や写真にまつわる夢想などは,私の記憶の中から呼び出されたとるに足りない話ですが,そんな風にとっても変なことを想像していく楽しさを,漫画を読みながら思い出していました。 なんというか,ぐわんぐわんと,頭と胸を刺激されました。 収録作品は以下の通りです。 美しき町(1987) 病気になったトモコちゃん(1988) バスで四時に(1990) 私の知ってるあの子のこと(1992) 東京コロボックル(1993) 奥村さんのお茄子(1994)タイトルだけ眺めていても,なんかちょっとただ者じゃないなとい感じがします。 絵柄や構図などもすごく良くて,もう3回も読み直してしまいました。 どこがどう面白いかについては実際に読んで頂く方がいいと思うんですが,高野文子という漫画家の伸びやかな想像力がペーソスやヒューモアを生み出していくところがとても心地よかったということだけは記しておこうと思います。 漫画ファンの方にとっては,“なにを今さら”でしょうけれど,おすすめです(=^エ^=)。 モクレンさん,(o^o^o)あ(o^-^o)り(o^o^o) が(o^O^o)と(o^.^o)う♪・゚★,。・:*:・゚☆
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持ってます、これ。「病気になったトモコちゃん」が好きです。詩的な感じがして。
あと、「私の知ってるあの子のこと」も。こっちは、絵本みたい。
「バスで四時に」は…ファンタジーかな。ブタさんがレンガ落とすところが(そこが好きなだけ)。
バラエティー豊かな短編集ですよね。特に、絵がすばらしい。
2009/9/7(月) 午後 6:32 [ おんくん ]
とてもおもしろそうな本ですね♪
高野さんの名前は、読んだことがないけれど、よく聞きます!
クローン人間って、いろいろ考えさせられますよね。
たるんだ肉体、ゆるんだ精神、ふくめて「私」ですからね。。。
短編集って好きなので、手にとってみたいです☆
2009/9/7(月) 午後 7:04
こんなちゃんとした記事にしてくださって・・・というか、NONAJUNさんの琴線にこの作品が触れたようでとても嬉しいです。
30年で6冊しか本を出していない作家ですが、丹念に漫画史を編もうとすると無視できない存在のような気がします。どこに分類するか、喧々諤々になりそうですけど(笑)。
クローンといえば綾波レイを思い出してしまいます〜。
彼女はもう死んだ・・・と思っても、クローンが出てきたらなんとなくホッとした記憶が。
ひょっとしたら、記憶を踏襲したクローンというのは、個体(個人)としては別物でも、周りの人や社会にとっては「同一人物」ということになってしまうのかしら。
2009/9/7(月) 午後 8:49
おんくんさんは高野文子が好きなんですね。いくつか記事を拝見しました。「るきさん」も注文したので,また高野文子の話ができるといいなと思っています。
2009/9/8(火) 午前 6:17
じゅんさん,ありがとうございます。レビューとかを見ても,絶賛している人が多いんですが,たしかにとてもいい漫画です。読んで損しません。機会があったらぜひ!
2009/9/8(火) 午前 6:18
高野文子は天才ですね。琴線に触れたというか,ど真ん中を撃ち抜かれた感じです。モクレンさんに感謝!です。
作品の内容には触れていないので,ちゃんとした記事とは言えないですけど,他の作品も読んでいって,そのうち機会があれば,もう少しきちんと書いてみたいと思っています。
綾波レイですか。マジンガーZとかライディーンぐらいで漫画アニメを卒業した宇宙戦艦ヤマト世代の私は,ガンダムとかエヴァンゲリオンとかは完全にスルーしてしまっているんですよね。いつも見なきゃいけないなぁと思うんですが,DVDを借りるところまでなかなかいかなくて…。
でも,モクレンさんのコメントを読んで,そろそろホントに見なきゃダメだよな〜とつくづく思いました(=^エ^=)。
2009/9/8(火) 午前 6:24
冒頭の、「クローンの話」が、
萩尾望都の漫画『銀の三角』にそっくりだったので、びっくりしました。
/この漫画では、主人公が、任務の途中で死んでしまい、
代わりに、再生センターに保存されている、同じ歳格好のクローンが、死んだ主人公の記憶を注入されて、引き続き(?)任務をまかされていました。
でも、そのクローンも、行方不明になっちゃって、
更に、次のクローンが再生されて…という、
もはや、「この人物は誰なのか」という感じになってました。面白かったです。よかったら、ぜひ読んで見てください(忙しいか)。
もし、機会があったら、どうぞ。
2009/9/8(火) 午後 5:50 [ おんくん ]
高校生のころ,『別冊マーガレット』とか『花とゆめ』とかを女の子から借りてときどき読んでいましたが,『銀の三角』はたぶん読んだことないです。読まなきゃいけない本,否応なく読まざるを得ない本,読みたい本など,なかなか思うにまかせませんが,『銀の三角』というタイトルはインプットしておきます。調べてみたら1980年の作品。クローンを描いた漫画としては,かなり早いものですね。
2009/9/8(火) 午後 6:32
人間の選択として、10万年一人で生きるという選択も出来たかもしれないけれど、そうではなく、せいぜい百年にして大勢で不足の死に対処することにした・・・というような話を本で読んだことがあります。10万年も生きたら、きっと何でも知ってる全知全能の存在になりそうですが、死にゆくことも決して悲観したものではないというのもその文章の主題だったと思います。自分を起点にして過去にも未来にも生命があるからということでした。私は子がありませんが、こういう考え方は、正しいような気がしました。
お話の漫画は、興味をかきたてます!
2009/9/10(木) 午後 9:22
10万年も生きられたら観たいもの,読みたいものを片っ端から楽しむことができますけど,やっぱりわれわれには“全知全能”はムリですよ,キイチローさん。大河ドラマやトレンディードラマ,朝の連続テレビ小説やアメリカの人気ドラマシリーズなどを含め,DVDで何から何まで百年くらいかけて楽しんだとしても,全部見終わったころには最初の方は忘れちゃうでしょうから(笑)。
もう少し人生が長かったらとは思いますが,まあこのくらいが“落としどころ”なんでしょうね。
2009/9/11(金) 午前 6:59
そうでした。おととい調べた英単語の意味すら忘れているほどです。
でも、もし百年生きて健康なら、野村監督みたいな味くらいは出そうなのですが。
2009/9/12(土) 午後 9:11
クローンの話は面白いですね。ただ人間のクローンが出来るとなると、きっと戦争に使われるでしょうね。新たな身分社会が生まれる気がします。
2009/9/14(月) 午前 5:27 [ bat**yu2*01 ]
戦争も身分社会もイヤですね。
“自分”のスペアとしてということでも,兵隊としてということでも,クローン人間について想像力を働かせると,「手段=道具」として他者を見ている自分のまなざしがあぶり出されるようなところがありますね。クローン人間を手段としてのみならず,目的として扱えるかどうか…。もしかすると,そもそも「クローン」という言葉がどうにかならないとダメということなんでしょうか。
2009/9/14(月) 午前 7:21