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金八先生とマッチポンプ
逸脱した行動を続ける彼らに対して,金八先生は粘り強く寄り添い,声をかけ,心をくだき,更生への道を模索します。
「顔はヤバイよ。ボディやんな,ボディ」の山田麗子(三原順子)も,「俺たちはみかんじゃねえ!人間なんだ!」の加藤優(直江喜一)も,金八先生がいなければ,さらに大きく道を踏み外し,中学卒業後の人生をまともに歩めなかったのではないかと思われます。
でも私は思うのです。
学校教育と不良の更生は,マッチポンプなのではないか,と。
われらがウィキペディアによると,「マッチポンプ」というのは,次のような意味を持っています。
「マッチポンプとは、自らマッチで火をつけておいて、それを自らポンプで水を掛けて消すと言う意味で 偽善的な自作自演の手法・行為を意味する和製外来語である。」
定期テスト・宿題全廃・固定担任制を廃止した千代田区立麹町中学校の工藤勇一さんは,「教師が問題にしなければ,生徒の問題は消える」と言っています。
生徒の茶髪を問題視すると,教師はいつまでも「指導」をし続けなければならなくなります。
たいていの場合,茶髪指導は,教師と生徒の関係を良好な状態にはしません。
茶髪を黒髪に染め変えさせることに成功したとしても,教師と生徒の信頼関係がそれによって強まるということは,おそらく,ありません。
でも,茶髪を問題せずに生徒と向き合うと,「問題」は「解消」します。
同様に,学校教育という抑圧構造の中に閉じ込めることをやめてしまえば,あるいは学校教育の中で権力を持った大人の言うことに従順であることを是とする社会ルールが無効になれば,「不良」は原理的に存在することができなくなります。
そうなれば,みんなハッピーだと思うのですが,いかがでしょうか?
そして,もしもそんなことになった時に困るのは,じつは「金八先生」なのではないかと思うのです。
不良たちに真っ直ぐに向き合い,破滅的な状態になることを防ぎ、なんとかぎりぎり社会に適応できる状態に持っていくことによって自己実現をはかり,そこに生きがいを見いだしているのが「金八先生」です。
(正確に言うと,「金八先生」的な行動特性を持つ教師たちです。)
そんな「金八先生」にとって,不良を生み出す基本的な要件である学校教育の抑圧は,自分の生をつむいでいくための基本要件でもあるのです。
だとすれば,「金八先生と不良は共依存の関係にある」と言えるのではないでしょうか。
根治させてしまうと商売が成り立たないからと言って,対症療法的な治療や投薬にとどめ,寿命が尽きるまで通院治療を続けるように画策する医師がいたとしたら,かなりの性悪です。
しかも,対症療法的な治療と投薬によって症状が緩和した患者は,「先生のおかげで何とか生きていけます。先生と出会わなかったら,私はこんなふうに普通の人生を送ることはできなかったでしょう。ありがとうございました!」などと感謝のことばを述べるのです。
ちょっと身も蓋もないことを書いてしまいましたが,「教育困難校」の「困難」が何に由来するものであるのかについては,少し丁寧に解きほぐす必要があると思います。
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同感です。
2019/2/2(土) 午後 11:41
金八先生、ものすごく苦手で見ていなかったのですが(中村雅俊とかの「俺たちの旅」とかは少し見てた、)おそらくはそうでしょうね。
こないだ中学の同窓会が例によってございまして、不良に人気のあったまさに金八タイプの先生(在学中は避けてた)に、おそるおそる「現代詩書くようになったんです」と報告したら、完無視されて悲しかったよー。まる
2019/2/3(日) 午後 1:24
> テハヌーさん
完無視はひどいですね〜 「現代詩」と言われて反応できなかったんでしょうか?
「俺たちの旅」はなつかしいです。その前に放映されていた,中村雅俊が松田優作と主演した「俺たちの勲章」からの流れで毎週熱心に見てました。
金八先生も毎週見てました。たぶん,九州出身の父の影響で海援隊の「母に捧げるバラード」が好きだったので,その流れだったと思います。
2019/2/4(月) 午後 5:42