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宇宙文学
紙に文字を印刷し,それを綴じて本を作り,流通経路に乗せて不特定多数の人びとに届ける。
そして,本を手にした人は,順番にページをめくりながら印刷された文字を目で追いかけ,言語的な情報を受け止めて言語表現の妙味や物語の面白さを享受する。
洋綴の本を黙読するというスタイルで享受される言語芸術。
・・・そんな形でここ150年ほど文学を享受してきたわけですが,それはほんとうに「たかだか150年」に過ぎません。
あるネットの記事によると,「銀河系には少なくとも330億個の生命居住可能な惑星が存在している」と言います。
銀河系だけでも330億個ですから,全宇宙で考えたらいったいどれぐらいの数の地球型惑星があるのでしょうか?
そしてその惑星に済んでいる生物のうち,知性を持つ存在はどれくらいいるのでしょうか?
さらには,その宇宙人は,どんなBUNGAKUを享受しているのでしょうか?
そこには紙があり,本があり,小説があり,詩があるのでしょうか?
カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』とかトルーマン・カポーティの『冷血』みたいな優れたBUNGAKUが存在するのでしょうか?
電子ブックみたいなものなのか,VRみたいなものなのか,テレバシー文学みたいなものなのか,われわれ人類の想像を超えた形態であるのか,まったく想像できませんが,おそらく何かしらBUNGAKUらしきものが存在するに違いありません。
いや,そういう宇宙人が,あまたの宇宙人の中に必ず存在するに違いありません。
エビデンスはないですが,存在しないと考えるほうが非合理的だとすら思えます。
しかしながらわれわれ人類は,この宇宙のどこかに存在するはずの宇宙文学を「読む」ことはできません。
その存在を感じることすらできません。
それでも,世界をよりよく知り,宇宙の神秘を明らかにし,世界平和を実現し,人びとが幸せに暮らすことができる未来を希求し続けています。
逆に言えば,宇宙人のみなさんは,『源氏物語』も『古今和歌集』も,『雪国』も『金閣寺』も知りません。
「羅生門」や「山月記」や「こころ」や「舞姫」を読んでいません。
でもきっと,それなりに幸せに暮らし,もしかするとわれわれ人類よりもずっと平和で豊かな社会を築いているかもしれません。
だとすれば,日本語が亡びても,誰も源氏物語を読まなくなっても,大した問題ではないのかもしれません。
「文学の危機」とか「古典は本当に必要なのか」などという話題を聞くと,そんなことを誇大に妄想して,「ま,いいんじゃね?」と自分の気持ちをなだめるのが常なのです。
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今「宇宙」「文学」でググったら、「宇宙人文学」というサイトが見つかりました。宇宙人の文学かと思って開いたら、宇宙の人文学でした。それはそれでおもしろそうでした。
http://www.gakugei-hs.info/~sule/26_zinbun/index.html
2019/2/9(土) 午前 9:56
> にこにこくんさん
宇宙・人文学はたしかに面白そうですね!
2019/2/9(土) 午後 0:04
東京学芸大学附属高等学校がからんでいるんですね。ますます興味が湧いてきました!
2019/2/9(土) 午後 0:06