読売・ありがとう山田監督

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読売新聞 地域情報誌 れいんぼう

拝啓 おばちゃんコト坂井希衣です。

短編小説、大変ながく掲載していただき、私には嬉しく励みなる出来事でした。

また、地域熊本の皆様には、お粗末な文章にもかかわらずご支援ありがとうございました。

編集局の担当の方々から、ファンができていますよと伝えていただいたときは

驚きと、嬉しさで・・もったない・・と思いました。

ブログに「ありがとう山田監督」の生原稿を本日投稿しました。

訪ねていらっしゃったかたから

「本」にはならないのですかと言っていただくことがありますが、

そのだびに顔が真っ赤になってします。

ありがとうございます。

さて、4月には第二段「お清とお福」話を載せていただけるそうです。

今後とも宜しくお願いいたします。  2008,2,25 希衣
2月1日号

3)
試合は最終回、1点でも許したら負ける。そんな場面にたたされていた。
試合は緊張した空気のなかで、カウントは2アウト、2ストライク 3ボール。
いよいよ土壇場、接戦、誠也はこの1球にかけた。
山田監督は繰り返した。「頼んだぞ。」
車椅子から身を乗り出すように。
誠也は、もう一度、車椅子の山田監督を見た。
「頼んだぞ。」監督の声が誠也の耳に伝わった。
託されたその言葉
「あきらめるな、最後まで努力をすれば必ず勝ち取れる物がある。」
子ども達は、山田監督の厚い胸をかりてソフトボールを通じて教えてもらった。
山田監督は車椅子で、自分の足で行動するのは不自由だった。しかし、練習の時もマウンドで機敏に動き周り、ボールを投げ、ミットを持ち大きな声を出し練習の指導してくれた。普通の人と全く変わりなくスポーツ万能で技術も詳しかった。そこまでたどり着く監督のあきらめない努力は、厳しい練習を一緒にしていても、監督が車椅子という違和感は全くなく、そのことを子ども達はスゴイと思った。努力すればやれるということをマウンドで学んだ。
試合は、応援の拍手が聞こえる中で、ファーストの裕紀が声を出した。「さぁー来い。」
チームの守備陣から「オゥー!」と、一斉に声が返った。
励まされた誠也。土壇場に追い込まれた状況の中で、この一球にかけ、ボールを真正面のキャッチャーミットを構える貴史に向かって力一杯に投げた。『ドマンナカ』に。
カーン、バットの打撃が夜空に響きわたった。
試合終了。
相手の、さよならホームランで幕を閉じた。マウンドに砂埃が舞った。
誠也も貴史もチームの子ども達全員が、一斉に車椅子の山田監督のもとへ駆けた。
「監督、ありがとうございました。」子ども達の声がマウンドに大きく聞こえた。
泥んこの子ども達に囲まれた、車椅子の山田監督は笑顔だった。
保護者達も、山田さんに駆けよると口々にお礼を言った。
「子ども達に立派な指導をしていただき、本当に有り難うございました。」
応援に来ていた沢山の人達からも拍手が起こり、それはいつまでもつづいた。
終わり(登場者は全て仮名です)
1月5日号
(2)
バッテリーは5年生、ピッチャーの誠也とキャッチャーの貴史、小柄な姿でマウンドを踏みしめていた。相手チームの選手は6年生で編成され、誠也のチームは緊張した。だが試合運びは同点で進んでいた。誠也と貴史は緊張しバッターボックスには3番打者を迎えた。誠也はベンチの山田監督を見た。
「思いっきり投げろ」監督は合図を出した。誠也はしっかりうなずくと、ボールを力一杯投げた。その瞬間、カーン!と響き、勢いよくボールは空高く飛んだ。その次の瞬間「オーラーイ!」と声がした。セカンドの6年生の大輔がキャッチした。ファインプレイで誠也は6年生の守備陣に助けられた。勢いにのって大輔は「さぁー来い!」と元気に言って、ベンチの監督へ手を上げて合図した。それに監督は拍手して応えた。試合は打たせて捕る
作戦に出た。試合は同点で進みつづけ、チームは最後の攻撃のチャンスを迎えた。
その時、代打で2年生の祐二が呼ばれた。祐二は補欠だったので半分驚いた。
「僕が・・・」と思った。祐二は試合に出られるのが嬉しくて小さい身体に似合わないほどの大きな返事をした。山田監督から「祐二、頼むぞ。」と言葉がかけられると、祐二は口をへの字にし、真剣勝負の顔つきでバットを持った。
そして「僕は、監督が僕に頼むと言っているから、絶対あのボールを狙って打ってやる。」と心の中で思った。バッターボックスの祐二は腰をかがめ構えると、しっかりバットに当て、そのまま走って塁に飛び出ると一生懸命に走った。しかし、ファーストにボールが投げられ、審判員の「アウト!」と言う声が容赦なく響いた。祐二は悔しい顔で監督を見た。次の打順の5年生の裕紀がバットを持ってベンチから出くると、監督は「打ってくれよ、頼むぞ!」と力強く言った。裕紀は託された気持ちになり「頑張ってみせる。あきらめるもんか。」と、飛んでくるボールに合わせてバットを大きく振った。しかし、バッター、アウト!!と、審判員の声が厳しく聞こえた。
2アウトになり最後のバッターは、キャッチャーをしている貴史だった。貴史の日焼けした顔に汗が流れた。貴史は指示どおりバットを振ったが、やはり点には結びつかなかった。そして、いよいよ最後の守りに子ども達がマウンドに戻るとき、山田監督は何度も「頼んだぞ!」と、言葉を繰り返した。その声を聞き帽子をかぶりなおした誠也は、ベンチの監督へ目を向けた。誠也は「あきらめない。」と言う監督の言葉を思い出しかみしめた。
誠也は、ベンチの監督がうなずいてくのを確認すると、後ろ向きになりチームに両手を上げ精一杯の声を出した。「みんな!行くけんね!」
チームの守備陣からも一斉に「オゥー!」と声が返った。
山田監督も祈るように緊張した顔で「頼むぞ。」と声をかけた。

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拝啓 おばちゃんです
12月、年末調整やらなんやらで本業が多忙な日々
ブログ更新も思うに任せずでした。
皆様いかがおすごしですか。

12月からの新作品、宜しくお願いします。
ありがとう山田監督      坂井希衣
地域子ども会・ソフトボール大会の記録
(1)
夏休みの夕方、蝉の鳴き声に入り混ざり、試合を応援する歓声がグランドいっぱいに聞こえていた。『子ども会ソフトボール大会』は決勝戦を迎え、誠也達のチームは優勝候補を相手に粘り強く挑んでいた。グランドはナイターのライトが一斉につけられ、熱気を帯びた試合になった。前日、チームはパート優勝を果たし、今日は最終決勝戦となった。誠也たちの子ども会のチームがここまで頑張るとは誰も思わなかった。チームが練習を始めたころ、人数を9人そろえるのもやっとだった。ルールも知らない子ども達もいた。5月頃から練習を始め夏休みの試合になんとか出場できるように、仕事帰りの父親達が通勤カバンからグローブを取り出し、「よし、オジサンにもボールを投げてみろ。」と、上着を脱いで練習相手になり、子ども達の腕前は少しずつ上達してきた。
子ども会では年度当初に試合に出る相談をして、ソフトボールの監督に山田さんが推薦され、満場一致で決まった。山田さんに親の会はこれまでなんとなく何をお願いするのも遠慮がちだった、それは本当の山田さんの力量を周りの親たちが知らなかっただけだった。   それから山田監督を中心にチームは編成され練習が開始された。練習は父親コーチ陣の人数も増えて、地域子ども会は心を一つにして活動が始まった。最初の頃は、父親コーチ陣が子ども達にボールを空に打ち上げてやると、子ども達は慣れないグローブを片手に、一つのボールをめがけて誰も彼も群がるように一斉に走ってボールをキャッチしに行った。声援をおくりながら見守る保護者も苦笑いの毎日、そんな感じのスタートだった。
しかし、山田さんがグランドに出てくると、子ども達は、山田さんを「監督」と呼び、日に日に機敏な動きができるようになっていった。
山田監督の厳しい声が毎日グランドに聞こえた。その声は、子ども達の心に熱い火をつけた。毎日仕事で忙しい父親達も、時間を作ってキャッチボールの相手をするようになり、母親達は麦者当番と応援に力がはいった。子ども達は、親の胸をかりグランドをグローブをもって駆けまわり夏の日差しを浴びて明るかった。
そんな日々を重ね、『子ども会ソフトボール大会』は開催され、
本番の日をむかえていた。
入場行進は、低学年も加わり小柄でも貴重な選手となり堂々と行進した。
試合は「どこまでやられるだろう。」と山田監督も父親コーチ陣も思っていた。
しかし、子どもたちは想像以上に頑張り、淡々と勝ち進み最終決勝戦にたどり着いた。

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