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大人になった、父さんは、こんな優しさも見せてくれました。
毎年雪が降る前に、東京の知り合いの方に、りんごを沢山送ります。
その方は、戦時中、疎開してきた時に知り合った方でした。
その方は大きなゴム会社の社長さんでした。
「戴いたりんごのお礼に何を送りましょうか?」といわれた時、父さんは、
「子供用の長靴をいろんなサイズで沢山送ってください!」とお願いしたのでした!
そして、「長靴のない子供達にあげてください!」とその長靴を近くの小学校に
持って行きました。
それは、雪国で長靴が無い苦労がどんな物か身に沁みて知っていたからでした。
「子供達には贅沢はさせるな、だけど食べ物だけは腹一杯食べさせなさい!」と、
母さんに口癖のように言っていました。
それは、子供時代に感じたひもじさがどんなに辛い物か知っていたからでしょう。
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